アメリカでは、核分裂原子炉を趣味的に製作した高校生や、核融合を成功させた学生が登場している。組織や資金を持たない素人が、稚拙な知識だけでも核反応に成功することは恐怖だ。

 (この記事は、http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/813.html を参照した)



 裏庭に原子炉を造った高校生、2016年9月27日、39歳で死亡 BusinessNewsline 

 https://lucian.uchicago.edu/blogs/atomicage/2016/11/15/david-charles-hahn-died-at-39/



デイヴィッド・ハーン

  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%B3



 デイヴィッド・チャールズ・ハーンは、17歳のときに自家製の原子炉をつくろうとしたアメリカ人である。

 1994年、ハーンはミシガン州コマース郡区にあった母と暮らす実家の裏庭で、小屋にこもってひそかに実験を行った。ハーンの原子炉内の核物質が臨界量に達することはなかったが、彼の運転する車が別件で地元警察に止められたことをきっかけに実験が発覚した。ハーンは、車内でみつかった実験材料を問いただした警察官に、それが放射性物質だと警告したのである。その10か月後に、ハーンの母親の所有する地所は環境保護庁によってスーパーファンド(有害物質汚染地区)として浄化活動が行われた。



 ハーンは幼い頃に化学に魅せられてから、我流で化学の実験を行っていた。彼が自家製の原子炉という発想に至ったのは、『化学実験のゴールデンブック』 を読んで影響を受けたからともいえる。

 ハーンは周期表に載っているあらゆる物質を集めることに夢中になったのだ。そしてそこには、もちろん放射性物質も含まれていたのであった。それからしばらくして彼は所属するボーイスカウトで原子力のメリット・バッジ(技能章)を与えられ、ついに自宅で原子炉をつくるというアイディアに夢中になった。



 ハーンは、こつこつと少しずつ家庭用品から放射性物質を集めた。例えば、火災報知器からアメリシウム、キャンプ用ランタンのガスマントルからトリウム、時計からラジウム、銃の照準器からトリチウム(中性子減速材)といった具合であった。彼の「原子炉」は穴のあいた鉛のブロックであり、1,000ドル分の電池から取り出したリチウムとブンゼンバーナーを用いて、トリウムの灰の純化を行った。



 ハーンは教えを請うために、何人もの専門家に手紙を送った。文章には誤字や明らかな間違いが含まれてはいたが、彼は歳を誤魔化して科学者あるいは高校教師を装うことで信用を得ようとした。ハーンの最終目標は、増殖炉を作ることだった。彼はトリウムやウランの試料を核分裂性同位体に変換するために、低レベル放射性同位体を利用しようとしていた。



 ハーンの原子炉は臨界質量にこそ達しなかったが、通常の環境放射線の1000倍をはるかに上回るほどの放射線を発する危険な装置であった。

 ハーンは不安に駆られて実験装置を破壊しようとしたが、偶然にも警察がその危険に気づくのが先だったため、彼の実験はFBIや原子力規制委員会を中心とする連邦放射線緊急事態対応計画の対象となった。



 1995年6月26日、環境保護庁はハーンの母親の土地を有害物質の浄化が必要なスーパーファンドに指定し、装置の置かれた納屋を取り壊すとともに、低レベルの放射性廃棄物をユタ州に埋めた。一方でハーンの母親は実験の全容が明らかになることで家屋を失ってしまうことを恐れ、放射性物質の大半を回収し、当局の把握しないところで一般ごみとして廃棄してしまった。ハーンもまた、放射線被ばくの医学的評価を受けることを拒絶した。



 環境保護庁の専門家は、海軍に入隊した彼の余命が長くないことを予想していた。ハーンは幼い頃から、小さい納屋のなかで長時間にわたって大量の放射性物質と接しており、安全対策も最小限だったからである。エンリコ・フェルミ原子力発電所で診察を受けるよう勧められていたのだが、結局彼はそれを断っている。



 奇しくもハーンは原子力空母であるエンタープライズでの任期を負っていたことがあった。エンタープライズでの任期終了後は、海兵隊に入隊し、日本にも駐屯した。数年後に健康上の理由から除隊し、ミシガン州に帰郷している。しばらくして双極性障害による妄想型統合失調症と診断され、心身の治療を余儀なくされた。



 2007年8月1日、ハーンはミシガン州クリントン郡区において窃盗罪で逮捕された。自分が住むアパートのホールから、放射能のある部品を取り出すため27個の火災報知機を無断で取り外したためであった。

 捜査官は、逮捕後の写真撮影のときに腫物だらけのハーンの顔をみて、彼が放射性物質に被曝していると考えていた。巡回裁判所での尋問中、ハーンは窃盗目的で建物に侵入したことを認めた。裁判のオンライン記録によれば、検察官は服役と施設での治療を勧めている。



 結局、ハーンは窃盗により90日の服役が言い渡された。裁判記録によれば、ハーンがマコーム郡刑務所の精神病棟で治療を受けることを条件に、6ヶ月の猶予期間がついた。

 ハーンは2016年9月27日に他界した。39歳だった。

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 一部引用以上



若者が未知の存在に惹かれるのは人間として当然のことであり、若いということは好奇心のカタマリであることを意味していて、与えられた情報を利用して、どんなことでもやってしまう可能性がある。またアメリカの青少年は、そんな創意工夫が大好きなのだ。

 大人たちが規制しようとすればするほど、青少年は目を輝かして未知の事象を自分の手で解明し、友人たちに自慢しようとする。



 もし、若者の好奇心を封殺する社会があるとすれば、そこにはイノベーションのカケラもなく、既知の定められた人生が用意されているだけであり、主体性のある若者たちは次々に逃げ出してしまうだろう。



 だが、その好奇心の対象が「核反応」であった場合、それは、周囲の人々の運命も大きく巻き込んでしまう。

 「大人たちの火遊び」である核開発は、その情報を得た若者たちにも拡大してゆくことは避けられない。兵器を造れば、若者たちも、それを自作してオモチャとして遊ぼうとするのである。それが若者というものだ。



 デイビット・ハーンは、17歳のとき、自宅に秘密の原子炉を造って稼働させようとした。もちろん、一人の若者が原子炉を稼働させられるほど核反応は単純ではないので、継続的な核反応は無理だが、一定量(数キログラム)のイエローケーキさえ入手できるなら、ごく短時間、ちょうどJCO臨界事故程度の核反応を生み出すことはできるだろう。

  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E6%9D%91JCO%E8%87%A8%E7%95%8C%E4%BA%8B%E6%95%85



 問題は、ウラン鉱・イエローケーキの入手方法だが、実は日本でも、これを入手して売りさばこうとした一味が検挙された事件が過去に数回あった。 

 相当大規模な密売事件も起きていたが、今回調べると、ネット上では削除されていた。



高校生がウラン化合物を精製 売買容疑の3人が書類送検 2019年12月10日

 https://www.asahi.com/articles/ASMDB3C2FMDBUTIL006.html



 ネットで買えるウラン

 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40702220R30C19A1CC0000/



旧ソ連・モルドバ、ウラン密売グループ摘発

 https://www.nikkei.com/article/DGXNASGM25001_V20C10A8NN0000/



核の保安体制に高まる懸念、過去20年に発生した核関連事件 2010年4月15日

 https://www.afpbb.com/articles/-/2718682



 私は、核開発の情報を収集していたので、この種の情報を比較的、多く記憶しているが、今のところ、日本国内で、個人的に原子炉を稼働させたという情報はないものの、秘密裏にイエローケーキを買い集めて核反応にまで進んだことは、数回程度起きていても不思議ではない。

 うちの近所の瑞浪市は、日本で最高品位のウラン鉱石(閃ウラン鉱)が採取できる地域で、ごく普通の林野に、それがあり、とくに立入規制されているわけではないので、誰でも勝手に侵入して地表で採取可能である。



 私の住む蛭川地区は、フクイチ事故前までは、日本最高レベルのガンマ線地域で、場所によっては空間線量が1マイクロ毎時を超える場所がザラにある。

 もしも閃ウラン鉱を発見できれば、それを精製してイエローケーキを作ることも、それほどの困難はない。

 イエローケーキが数キログラムも入手できれば、これを臨界させる方法はいろいろある。



 今から40年近い前だが、名古屋市科学館にイエローケーキ数キログラムがガラス瓶に入れられて展示してあり、反原発キノコの会・河田昌東氏らが抗議して撤去させた事件もあった。これを盗み出すことは実に容易な状態だった。

 イエローケーキは、致死的ではないが強い放射線を出している。

 https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20120215_01/index.html



 昔は、イエローケーキのウラン235濃度が3%以下なら核反応は起きない。通常の原子炉核燃料程度では核爆発は起きないと説明されていたが、2011年のフクイチ事故では、MOX燃料が事実上の不完全核爆発を起こしている。

 これは3号機の核燃料がメルトダウンを起こして水素が放出され、水素爆発を起こしたものが核燃料を圧縮して、臨界効率が上昇した結果、プルトニウム240が不完全核爆発した可能性を私は考えている。



 イエローケーキのウラン235濃度は、通常1%以下だが、実は、カナダが開発した重水冷却型CANDU原子炉では、イエローケーキを、そのまま核燃料として臨界させることができる。重水の中性子反射効率が極めて高いからだ。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/CANDU%E7%82%89



ということは、イエローケーキを入手して、重水が手に入れば、臨界反応を引き起こせることを意味していて、素人が簡単に入手可能なイエローケーキを使った核反応が成立するのである。ただし、この炉型はトリチウムを莫大に生成することになる。



 日本の核開発は、秘密裏に進められ、この種の情報が公開されていないことで、「社会転覆」の悪意にほだされた犯罪志願者にとって、核反応は極めて魅力的な世界だ。

 ほとんど誰も、核反応について知識がないし、仮に冒頭に紹介したような人物が市井で核反応を起こしても、測定器もないので、誰一人気づかないことになる。



 ちなみに、イエローケーキが臨界を起こすと、数時間で、放射能は数百万倍に増殖する。イエローケーキだけでなく、トリウム232でも同じことが起きる。この場合は、完全に致死的なレベルの放射能が生成され、周囲数十キロに極めて危険な中性子線が到達する。JCO事件では、20Km離れた民家の塩に中性子到達を示すナトリウム24が検出されている。



 デイビット・ハーンは、おそらくイエローケーキかトリウム鉱石(モナズ石)で核反応を起こした可能性がある。臨界事象に対しホウ酸で覆って反応を止める程度の知恵はあっただろう。

 だが、このときの被曝が原因で、彼は12年後に死亡しているし、一緒に住んでいた母親も自殺している。その土地は、連邦政府によって最重要危険地帯に認定された。

 彼は全身に被曝誘発による腫瘍が発生し、苦しんで死亡した。



 だが、もし日本政府に恨みを持つ者が、核テロを行おうと考えたとき、イエローケーキやモナズ石のような核分裂物質は、闇ネット上で簡単に入手できるし、それを臨界に至らしめる重水も、実は容易に入手できる。

 https://labchem-wako.fujifilm.com/jp/product/detail/W01W0104-3424.html



 たぶん、放射線取扱主任者である私程度の知識があれば、重要施設のなかで秘密裏に、誰にも気づかれないまま猛烈なガンマ線を放射する核臨界を実現することは決して困難ではない。

 政府も劣化して警戒もしないし、たぶん誰一人気づかないのではないだろうか?

 ただし、被曝させられた人には、恐ろしい未来が待っている。



 言っておくが、これは原発事故と同じであり、自民党政権は、こうした核テロを原発を通じて日常的に推進していると言うべきだ。

 美浜原発3号機のmox運用など、私に言わせれば、国民に対する核テロそのものだ。運営している関西電力は、「反原発町長を殺せ」と指令しているほどのマフィア組織なのだ。



 参考

 https://www.esquire.com/jp/news/a34530643/12-year-old-builds-working-fusion-reactor-world-record-20201031/