私の住んでいるのは中津川市蛭川というところで、福島原発事故前まで、日本一空間ガンマ線量が高いとされていた地域だ。



 なぜガンマ線量が高いのかというと、村の大半が巨大な花崗岩の岩盤の上に乗っているからで、当地では、井戸掘りがとても大変なのだ。

 花崗岩というのは、諸説あるが、地殻の深い位置でマグマがゆっくり固まったものが、比重が比較的軽いため、長年月かけて浮力によって地表に出てきたという説が有力である。



 ゆっくり固まるときに、各種鉱物質が析出して大きな結晶を作ることが知られていて、特定の元素ごとに分子を形成することが多く、トパーズ・水晶・その他宝石類、亜鉛などの鉱物、それにウランやトリウムの放射性物質が、大きな結晶となって存在している。



 日本の場合、ウラン鉱石といえば、岡山県の人形峠が知られているが、実は、私の住む東濃地区のウラン鉱の方が、はるかに純度が高い。動燃は、瑞浪市でウラン鉱の採掘を試しみた時期もあったほどだ。

 また、ウラン鉱だけでなく、純度の高いトリウム鉱も産出し、両者は同時に含まれていることも多い。



 我が家の井戸水を手元にあるIFKR-ZIPというガンマ線スペクトル測定器にかけると、トリウム系列のラジウム228の娘核アクチニウム228のガンマ線ピークが出る。

 敷地から10mの位置に、ラドン220(トロン)の冷泉井戸があるから当然なのだ。

 井戸水に半減期が6年近い長寿命核種のラジウム228が含まれているため、娘核種のアクチニウム228は、わずか半減期6時間ではあるが、絶えず平衡存在し、強い放射線を出し続ける。



 だから、一応警戒して、飲料水は、安いペット水を購入して使っている。風呂や洗濯、食器洗いなどは井戸ラジウム水を使う。

 我が家では、自転車のタイヤとか、靴底のゴムとか、いわゆる高分子加工物の劣化が異常に早い。これは、土壌に含まれているラジウムから出てくるガンマ線が、ゴムやプラスチックを、まるで紫外線のように片っ端から分解するからなのだ。



 カーマホームセンターで買ってくる2000円程度の運動靴の寿命は、長くで数ヶ月だ。

 メイドインチャイナの実力といってしまえば、それまでだが、必ず、靴底の先端がベロベロと剥がれてきてしまう。ゴム糊がガンマ線に弱いわけだ。

 何万円もする本格登山靴でも、10年も置いてあると、やはりゴム部分がグズグズに劣化している。

 だから、今では1000円程度で買える安物しか買えない。3ヶ月持ってくれれば上等とする。



 驚いたのは、丈夫な自転車のタイヤが、ボロボロになってしまったことだ。作業用一輪車のタイヤの劣化もひどくて、新品のタイヤが半年しか持たない。

 また、あらゆるプラスチックが、柔軟性、強靱性を失って、手で触っただけで、ボロボロと崩れ落ちる。とくに化粧箱のポリエチレンがひどい。2年持てば上等なのだ。



 我が家のガンマ線空間線量率は、GM計で測ると毎時0.2マイクロを超えているが、シンチだと0.15マイクロ程度だ。

 以下は、数日前の線量率グラフ(TA100U)



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できそこないのノコギリのようなギザギザは、高い部分が、ジャイアントパルスという宇宙線。割合規則正しくやってくる。

 このパルスレベルを知っている人は、アポロ11号の人間による月探査が真っ赤なウソだと知っている。バンアレン帯を超えたら、人間が生きて行ける放射線量ではないのだ。



 名古屋市内だと平均0.1μ/hくらい。フクイチ事故前の関東の平均値は0.03μ/hくらいだった。

 新幹線で西へ向かい、静岡を過ぎると畑が白っぽく見えることに気づいている人が多いと思うが、これは長石など花崗岩由来成分が多いためで、当然、関東より線量が高くなっていた

 花崗岩地帯の空間線量は、かなり高い。花崗岩でできている岡山県や広島県は、当然、空間線量が高いのが普通だ。こうした地域は、ほとんど窯業地帯である。花崗岩風化土は良質の陶土になるからだ。



 だから、我が村は別格として、岡山県や広島県でも、窯業地域では靴底がベロベロ剥がれやすいことになる。

 フクイチ事故を引き起こした福島県や東日本の汚染地帯でも、わが蛭川村なみの高度なガンマ線量になってしまったことにより、当然、靴底がベロベロ剥がれることになる。



 以下が、6年間、毎日欠かさず測定している、我が家の空間線量スペクトルである。



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 一番大きなピークは、K40で、これは日本全国、どこでも同じだが、ラジウム228由来のアクチニウム228=911Kやラドン222由来のビスマス214=609Kも出ている。

 これは蛭川村に特異な分布である。 





 問題は、この高分子化合物をバラバラにしてしまう放射線が生命現象に対して、どんな影響を及ぼしているかである。

 高分子現象をバラバラと書いたが、条件によっては「架橋」という現象を起こして、逆に強度を上げるのだが、普通は、分解反応の方が多い。

 http://www.koga-isotope.co.jp/technology/variation.html



 生命現象に対しては、いくつかの破壊的なアプローチが指摘されている。

 第一に、ガンマ線の電離エネルギー(クーロン力)が、染色体をヒットして、高分子と同じようにバラバラにしてしまい、細胞の再生を阻害する。

 これは、ベルゴニー・トリボンドーの法則から、若く、再生能力が高く、未分化の細胞の遺伝子ほど破壊されやすい。

 私のような老人には、たかの知れた作用であっても、胚や受精卵、胎児、新生児には深刻な影響を与えるのである。



 他に、ガンマ線が細胞水と反応してフリーラジカルという酸化物質(活性酸素)が生成され、これがとても厄介な物質である。

 フリーラジカルは、細胞の老化現象の尖兵であり、強い発癌性を持っている。

 https://1kampo.com/freeradical.html



 人間の老化現象の大半が、空間ガンマ線被曝の蓄積によってフリーラジカルが生成されることからきていると説明される。

 もし、地球上にガンマ線がなかったなら、寿命があと数十年延びたといわれるが、一方で、遺伝的進化淘汰のメカニズムも含まれているので、簡単なことではない。



 蛭川村や、フクイチ事故の被曝地帯で、毎時0.2μシーベルトを超えるようなガンマ線被曝を受ける地域では、老化が早く、人間の寿命が短くなると考えられる。

 私が2003年、蛭川村に移住したのは、その真実を身をもって調べる計画もあった。

 長寿地帯ではあるのだが、それは素晴らしい自然環境で、他の有害物質に晒されることが少ないからであって、一方で、生活環境の高ガンマ線量が、老化を早め、寿命を短くしていると考えられる。



 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-758.html



 実際に、17年間生活してみて感じたことは、老人の老化が著しく、男性の平均寿命が80歳以下になっていることだった。これほどの自然環境なら、男女とも90歳以上になっていても不思議ではない。

 安倍晋三政権は、フクイチ事故の被曝地域に対し、年間1ミリシーベルト以下というICRPによる世界的合意を勝手に破棄し、年間20ミリシーベルトまでの被曝を許容する政策を行っている。



 これが安倍のような惚けた老人に対してなら、まだマシなのだが、胎児や新生児を含めての年間20ミリシーベルトであり、これは私に言わせれば、ナチスなみのジェノサイド犯罪であり、いつか本当の民主政権が登場したときには、許すべからざる犯罪として断罪しなければならないと書いてきた。



 私は、これから受精するカップルや、受精卵や胎児を持った女性、新生児、幼児が、蛭川村や福島県のような高線量地帯に居住することには、断固反対する。

 妊婦たちは、今すぐ福島を逃げるべきだ。もし逃げなければ、仮に肉体が健全であっても、胎児の脳細胞に深刻なダメージが加わる可能性があると思う。



 靴底が簡単にベロベロ剥がれてくる地域、自転車のタイヤがボロボロになる地域、プラスチック製品の劣化が早すぎる地域では、若いカップルは居住を遠慮すべきだ。



 今回、これを書いたインスピレーションは、阿修羅掲示板の魑魅魍魎氏の記事からもらった。



  プラスチック、ビニール、ゴム、金属などの劣化が速い すべてを破壊しまくる放射性物質 

http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/374.html

投稿者 魑魅魍魎男 日時 2017 年 7 月 05 日



 私も、自分のブログで、同じ内容をたくさん書いてきたが、何度書いても書き足りない内容なので、「高線量地帯に住まない」という認識を共有していただくため、再び書いた。