核廃棄物の安全な処分方法が存在しないことは、何度も書いた。

 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1146.html



 東京電力は、トリチウムについて100年間、高度防錆塗装を行ったタンカーで保管すれば、毒性の大半が消えることが分かっていても、タンクの管理費用を惜しんで(株価が下がるという理由で)保管処分ではなく、海洋投棄で済ませようとしている。

 https://hbol.jp/174006



 海洋投棄は、全太平洋に放射能が拡散し、魚介類に依存している人々の健康を破壊し、「風評被害」から人類の漁業全体に著しい悪影響を与える。

 陸上に積み増されてゆくだけの核廃棄も、中国政府は、結局、処分場を作らない意味は、海洋投棄を密かに計画している疑いが非常に強い。

 韓国や北朝鮮も、すでに大規模な海洋投棄を行ってきた。

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ニュース



 中国、多くの原発で廃棄物放置 処分体制整わず5年の期限超過 6/11(木)

https://news.yahoo.co.jp/articles/0306121a4602c8fc6b826a6d6001ed146653853b



  【北京共同】中国で低レベル放射性廃棄物の処分場が国の計画通りに建設できず、多くの原発で規定を超える長期間にわたり廃棄物が貯蔵されたままになっていることが11日までに分かった。原発増設を進めているものの、廃棄物処分の体制整備が追い付いていない。



 中国は1991年に初の原発が浙江省で運転開始し、今年4月末時点では全国で47基が稼働中。政府は放射性廃棄物を発電所で5年を超えて貯蔵してはならないと定め、各地に中・低レベル放射性廃棄物の処分場を建設する計画だった。

 だが専用の処分場が一カ所も建設されず、多くの原発で5年以上、廃棄物を保管したままになっている。

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2019年12月05日【原発汚染水】東電、ケチって海洋投棄 経産省の資料で明らかに

https://blogos.com/article/421913/



原発処理水の放出、決定先送りを 国連報告者、コロナ一段落まで

(2020/6/9 20:30)

 【ジュネーブ共同】国連のトゥンジャク特別報告者(有害廃棄物担当)らは9日、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に関するいかなる決定も、新型コロナウイルスの感染拡大が一段落するまで控えるよう求める声明を発表した。

https://www.at-s.com/news/article/science/774450.html



2019年10月21日 07:00「放射能でおもてなし?」〜安全性を疑問視する国内外からの声が急増!(3)

元駐スイス大使・東海学園大学名誉教授 村田光平氏 

「福島でオリンピック?気が狂ったのか」が上映された

https://www.data-max.co.jp/article/32068



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 すでに何回も書いているように、核開発が始まってから80年以上経ているが、いまだに核廃棄物の恒久安全処理方法は確立されていない。いいかえれば、核開発には安全なトイレが存在しない。

 数百万年の間、人類を滅ぼすほどの猛毒性を持った核廃棄物を、ただ原発敷地に積み重ねているだけなのだ。



 日本政府は、放射能巨大事故を起こした福島第一原発の汚染水すら、まともな処理を拒否して、そのまま太平洋に流して、全太平洋を放射能汚染させようとしている。

  https://www.greenpeace.org/japan/sustainable/story/2019/08/07/9848/



冒頭にリンクした、中国の核廃棄物事情は、完全に予想されたものである。

 中国のように、中国共産党幹部の利権を守るためだけの国家システムでは、全地球上の人類に深刻な影響を与える核廃棄物処理が、まともに行われるはずがなかった。結局、中国は、海洋投棄に走るに違いない。(陸上保管では事故時に巨大な被害が出る)

 中国や、朝鮮半島国家、日本には、(人類には)絶対に核開発をさせてはならなかったのだ。



 中国が、国を挙げて本気で核廃棄物処理に当たったとしても、人類が到達している核技術水準では、安全な恒久保管が不可能であることを何度も指摘してきた。

 そもそも、地球の表面が地殻で覆われ、それがマントル対流に乗って、絶えず動き回っているわけだから、「安全な保管」に必要な数百万年もの間、完全に安定した地質など、世界のどこにも存在しないのだ。



 「大深度地下地層処分」と簡単に言うが、核廃棄物をガラス固化させてステンレスキャスクに入れて、数万年〜数十万年も、環境に放射能が漏れ出さないようにするためには、我々の想像を超えた困難さがある。



 まずは、核廃棄物キャスクの表面温度が100度以下になって、はじめて「冷温崩壊熱停止」として、大深度地下トンネルに保管することができる。(水で冷却するので、沸騰温度を下回れば、はじめて放置しても安全保管が可能になる)

 一般的な原発の使用済核燃料(高度放射能汚染物質)が崩壊熱を失って、100度以下に達するには、おおむね数十年かかるといわれている。



 今、日本が行っている「プルサーマル運転」廃棄物では、崩壊熱が下がって100度以下になるのに、実に500年もかかる。この間、水で冷却し続け、その水は、電気を使って冷却しなければならない。

 数百年後に、空冷キャスクに切り替えても、やはり電気で冷却しなければならない。

 もしも、冷却が途絶えれば、核燃料集合体(ジルカロイ鞘管)が、高熱のため、ひび割れを起こして内部の莫大な放射能を環境にぶちまけることになる。



 いったい、500年間という強制冷却期間の意味を、原発関係者は本当に理解しているのだろうか?

 500年前に起きたことといえば「応仁の乱」ではないか? それから、どれほど、たくさんの戦争が起きて、政権が変わり、文明文化が変遷を遂げたか、分かってるのか?

 世界最長の安定政権といわれる徳川時代だって、わずか270年ではないか?



 今後、500年間、強制冷却保管して、さらに数十万年も冷温保管しなければならない核廃棄物が、イスラム国のような軍事テロ権力に渡って、恐ろしい環境破壊につながらないなどと、誰が保証できるのか?

 とんでもない巨大地震で、保管施設が311のように完全に破壊されない保証など、どこにもない。



 そもそも、これを計画した、日本(自民党)政府や、電力会社・原子力産業だって、あと、どれほどの寿命があるか分かったものじゃない。

 私の予想では、せいぜい、あと数十年で崩壊する。



 理由は、電力が電気インフラ(発電所と送電設備)という巨大な足枷を引きずっているからで、今後は、現場発電機器が劇的に整備され、電気は買うのではなく、必要な現場で作るというライフスタイルに移行するのが必然だからだ。

 電力・原子力産業のような大組織に依存してきた自民党も、彼らとともに崩壊するのは間違いないところだ。

 

こんな現実を前に、政府に都合の悪い情報が徹底的に隠蔽される中国や朝鮮半島国家では、際限なく積み増される核廃棄物に、完全にお手上げで、冷却保管に失敗したりして、(キシュテムのような)たくさんの深刻事故(レベル6以上)を何回も引き起こして、膨大な犠牲者が出ることだろう。

 また、たくさんの健全な土地が放射能汚染されて、半永久的に人類が足を踏み込めなくなるだろう。

 また太平洋を福島汚染水で大規模に汚染すれば、風評実害によって漁業も成立できなくなってしまうだろう。



 我々は、こんな時代に生きているのだ。



核物質は、この世でもっとも愚かな者たちの手に渡っている。

 ここで、「トイレなきマンション」の、もっとも残酷な結果といわれたキシュテムの大惨事を振り返っておこう。



 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%83%AB%E6%A0%B8%E6%83%A8%E4%BA%8B



 以下、一部引用



 1957年、今から63年前に発生した、この残酷な事件は、ソビエト連邦ウラル地方チェリャビンスク州マヤーク核技術施設で起きた。



 放射性廃棄物タンクは、絶えず生じる崩壊熱により高温となるため、冷却装置を稼働し安全性を保つ必要があるが、1957年9月29日、肝心の冷却装置が故障、タンク内温度は急上昇し、内部調整機器から生じた火花により、容積300立方メートルのタンクに入っていた硝酸塩結晶と再処理残渣が爆発した。



 この結果、‬90Sr (‬29年‭)‬、‬137Cs‭ (‬30年‭)、‬239Pu‭ (‬24,110年‭)‬などの半減期が長い同位体を含む大量の放射性物質が大気中に放出された(East Urals Radioactive Trace)。



 核爆発ではなく化学的な爆発であったが、その規模はTNT火薬70t相当で、約1,000m上空まで舞い上がった放射性廃棄物は南西の風に乗り、北東方向に幅約9km、長さ105kmの帯状の地域を汚染、約1万人が避難した。避難した人々は1週間に0.025-0.5シーベルト、合計で平均0.52シーベルト、最高0.72シーベルトを被曝した。特に事故現場に近かった1,054人は骨髄に0.57シーベルトを被曝した

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 この事件は、当時の機密主義だったソ連邦は、徹底的に情報を隠蔽したが、1976年、亡命者のメドベージェフが、イギリスの科学雑誌に暴露した。

 これによれば、ウィキペディアが指摘しているような「化学反応事故」ではありえず、おそらくプルトニウム240による核反応臨界爆発事故である。



 死者がなかったように公式文書に書かれているが、実際には、数千名の死者が出た可能性があるとメドベージェフは書いている。

 おそらく世界の核開発のなかで、これが最初のレベル7事故だった可能性が強い。

https://plaza.rakuten.co.jp/azabird/diary/201302160000/



 この当時は、東海村JCO臨界事故と同じで、核開発に携わる人々の放射線に対する知識レベルが非常に低かった。

  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E6%9D%91JCO%E8%87%A8%E7%95%8C%E4%BA%8B%E6%95%85



 ソ連邦は、秘密主義で、あらゆる事態を隠蔽し、民衆に対して「知らしめるべからず、依らしめるべし」という権力主義で臨んでいたので、ソ連の人々は、放射能が何をもたらすのか、ほどんど何も知らなかった。

 (福島第一原発事故後の、福島県の対応も、似たようなものだった。)



 核廃棄物処理に当たる人々も、超危険な核廃棄物を池のなかに投げ込んで、堆積させるという愚行を続けていたため、核分裂物質が臨界に達してしまったのである。

 キシュテムの場合、桁違いに量が多かったので、爆発規模も大きく、数十万人の緊急避難が必要になったといわれるので、チェルノブイリ事故と似たレベルであった。



 私は、これと同じことが、これから中国や朝鮮半島国家の核施設で、起きるにちがいないと考えている。

 もしも北朝鮮の核廃棄物が、キシュテムのように臨界爆発を起こしたなら、その膨大な放射能が、偏西風に乗って、日本列島を直撃することを、我々は知っておかねばならない。

 決して、遠い外国の逸話ではない。今現在、我々日本人に襲いかかってくる運命であることを知るべきである。



 偏西風に乗ってやってきた放射能を防御する手段はなく、南半球に逃げるのが唯一の逃避手段である。

 もし、濃密な放射能に暴露されるなら、妊婦の受精卵、胚、胎児は全滅に近い状態で死産が増える。新生児、乳幼児もたくさん死ぬだろうし、妊娠三ヶ月で被曝すれば、胎児が知的障害を引き起こす可能性が極めて高い。



 これは、人類全体の未来を保証できるかという問題なのだ。

 我々が何をしなければならないのか? 十分考えてもらいたい。