戦時中、朝鮮人強制連行、強制労働で悪名を馳せた麻生財閥(鉱業・セメント)から登場したのが麻生太郎であった。彼は指折りの大金持ちであり、生まれたときからカネと権力に囲まれて育ち、カネというものは天から降ってくるものであり、底辺の国民労働者から黙って抜き取ればよいと教え込まれてきたのにちがいない。

 その麻生政権が106兆円の「景気回復」に名を借りたバラマキ、ドブ捨て補正予算を通そうとしている。民主党には抵抗する力がない。それは国民からぼったくり盗られる仕組みである。
 この目的は、解散風の吹くなか大量のバラマキを行って自民党支持者をつなぎ止めようとする思惑以外ない。国民の税金を利用して、投機に走って大損をしている自民党支持層の金持ち連中を救済するわけだ。

 示された106兆円の対策予算で、景気が回復すると信じている者など皆無だろう。そんなに甘いものではない。世界経済の破綻総額は3京円に上ると見込まれている。日本だけでも数百兆円であり、さらに日本国家の借金総額は2000兆円(森木亮)に達し、この経済危機によって金利が上がることで、その総額は風船のように、どんどん膨らむ一方だ。
 もはや、どこにもカネがない。世界経済を底辺で支えている労働者大衆を貧乏のどん底に落として、カネを奪い去ったのだ。どうして経済が回る道理があるだろう?
 世界の大金持ち、企業経営者たちは、利己的金儲けに夢中になって、企業製品を買い支え、自分たちの生活を支えてくれていた労働者大衆を役に立たないと追放し、すべてルンペンに貶めてみせた。商品を買ってくれる大衆を追放したのだ。
 いわば、自分の住む家を燃してしまい、乗っている船の材料を剥がして沈没し、飲む水排泄物でを汚染し、歩く足を切り落として食べたのである。
 膨らませ続けた風船が、やがて破裂するように、世界経済の破裂も、もはや時間の問題であり、いかなる手段を用いても避けられないのだ。地球は一体である。どうして日本だけが助かることなどできようか?

 日本の勤労者総数は1億3000万人中の3500万人であり、四分の一程度だ。したがって、日本国家は勤労者一人あたり6000万円近い借金を抱えていることになる。
 勤労者平均年収は今年300万円を割った。例え3割を強奪徴収しても金利分にさえ満たず、未来永劫返済不可能なのである。
 こうなった状態を「破産」と呼んでいる。すなわち日本国家の返済能力は金利にも及ばない状態になっているのであって、いかなる施策をもってしても救済不可能な段階に至っているのである。

 それなのに、自民党政府は打ち出の小槌を取り出して、次々にカネを印刷して取り出し、ばらまこうとしている。だが無から有は決して生まれない。実物の裏付けのない木の葉を印刷してみても、それは紙屑でしかない。実物の全体量に見合った価値しか認められないのだ。だから実体経済に見合わない通貨は、すべて暴落し、紙屑に変わる宿命なのである。
 政府は一生懸命、経済救済を錦の御旗にして紙屑を印刷している。膨大な赤字国債の返済も紙屑で行うわけだ。その意味は我々の持っている通貨も同じように紙屑に変えるということなのである。これをハイパーインフレという。

 自民党政府は、すでに我々から無理矢理強奪してきた年金運用資金90兆円のうち、株価買い支えのために、わずか2年で20兆円の損失を出したといわれる。この2ヶ月で5兆円以上投入されていると噂されている。アメリカでも買っているらしい。
 世界経済の見通しから株価が上昇する見込みがない以上、もう二度と還ってこない。この損失は、基幹投資家や海外の金融資本の損失を穴埋めするために寄付されたのだ。
 それでも飽きたらず、今度は50兆円を投入するのだという。なるほど、これで株価は相当に買い支えられるだろう。だがトクをするのは貧しい一般国民ではありえない。株を大規模に買い込んで塩漬けしている投資家たちだけと思いたいところだが、これも実は違う。こうした買い支えによって売り逃げしているのは、ほとんど欧米の金融ファンドなのだ。こうした資金は金融ファンド(正確にはユダヤ資本)救済資金とはっきと言わねばならないのだ。政府が国民資金を使って買い支えれば支えるほど、ホクホク顔で売り逃げを謀るのは、外国の基幹投資家ばかりだ。彼らは、二度と株価が戻らないことを思い知っている。だから、こうした公的資金投入による売り逃げチャンスを逃さない。

 株価下落を防ぐ本当の目的は何か? 表向きは金融機関のBIS規制による営業停止、金融破産の防止であり、ソフトバンク・日立・農林中金・三菱UFJ・大成建設など基幹企業の倒産抑止だが、ホンネは違う。政府関係者、日本の大金持ちたちは、もはや日本国家が倒産の運命しかないことを知りすぎるほど知っているのである。
 株価など、もはや上がるはずはなく、世界経済は破滅するしかないのだ。こんなことは、すでに10年も前から、みんな分かっていたことだ。ただ、金儲け競争に夢中になって盲目になり、逃げ時期を見失った連中ばかりなのだ。

 買い支えの本当の狙いは、最期の売り逃げ、持ち逃げにある。
 国家と資本主義の断末魔が近づいたことは、みんな知っている。来るべき破滅の恐怖に直面した連中は、最期に、どうやったら持ち逃げできるか、という話題で持ちきりなのだ。
 損失を公的資金とアホ投資家に転嫁し、どうしたら売り逃げできるか? それだけだ。
 そして最期に残る普遍的価値に群がっている。あらゆる通貨が紙屑に変わろうとしている寸前の段階で、世界に用意された公的な金塊を誰が確保するかに血眼になっていると断言してよい。IMF保有金塊や各国中央銀行の備蓄金塊の放出要請が相次いでいる、すべての通貨が木の葉に変わったとき、唯一の価値が金であることを、みんな知っている。

 政府関係者、官僚も議員も、大企業経営者たちも、投資家たちも、みんな、最期の持ち逃げチャンスだけに関心があるのだ。
 株価を公的資金で無理矢理買い支え、持ち上げておいて、GM破産などのニュースでドカンと暴落した瞬間に売り逃げし、金塊に変えて安全な外国に高飛びすることしか考えていない。その安全な外国がなくなってしまっているのが滑稽ではあるが。
 
 とにかく大金持ちたちは金が欲しい。もうドルも円もユーロもいならい。金とダイヤモンドだけが実物通貨なのである。今、金が安いのは、安く買い叩くための謀略であり、国際機関や各国の備蓄金塊を放出させるための策略である。見ててごらん。GM、クライスラー倒産ニュースとともに暴落した瞬間、今度は金が凄まじい暴騰を始める。もちろん原油も上がる。とりわけイスラエルがイランを攻撃した瞬間、原油はバレル200ドルを突破するだろう。

 今、世界中で中央銀行の輪転機がフル稼働している。各国がカネを刷りまくり、ばらまいているのだ。日本も2000兆円という国民一人あたりで世界最悪の借金王国であるにもかかわらず、100兆円の景気対策をするという。これは勤労者一人あたりにすれば300万円だ。今、底辺の労働者の年収は200万円にも満たないのだ。いったい、どこから持ち出すのか? 借金だらけの日本には、こんな金は存在しない。となれば打ち出の小槌を持ち出して印刷するしかないわけだ。

 これをしたらどうなる。確かに札束は続々と印刷できるだろう。だが通貨が社会に溢れるなら、モノの値段は際限なく上がりハイパーインフレが必ず起こることになる。こんなことは経済学の基本中の基本であり幼稚園レベルの基礎理論である。だから政府も国民も誰でも知っていることだ。それなのに百も承知で実行することの意味は何か?

 要するに、政府は、ハイパーインフレを作り出すことで、借金の価値を下げたいわけだ。借金を紙屑に変えたい。もちろん、それは預金を紙屑に変えることである。つまり日本の借金を預金によって棒引きしたいのである。この預金とは何か? それは年金資金であり、郵貯・簡保資金であり、銀行預金であり、株投信でありデリバティブである。これらの、すべてを紙屑に変えたいわけだ。それを見越して、今、まだ郵貯や年金に価値の残っているうちに、それを全部株価買い支えに使ってしまい、返すときは価値の暴落した紙幣を印刷して充当しようとする思惑しか存在しないのだ。

 だから、日本の金持ち、世界の投機集団は、すべてそれを見越している。もはやハイパーインフレによる暴落の約束された各国通貨など、どうでもいいのであって、一刻も早く、実物価値に変換し、世界経済が回復する可能性のある10年後あたりまで、安全な離島などに隠れていたいわけなのだ。
 今は、暴落した株価を、国民財産で買い支え、売り逃げを果たせば、もう用済みだ。円も株もデリバティブもすべて売り払って、金・ダイヤモンドに変えて遠い小島の豪邸にでも隠れる魂胆であろう。国民がジンバフレ(ジンバブエ級ハイパーインフレ)で苦しみ、のたうち回っても、何の関心もない、自分たちだけが逃げおおせればよいのだ。

 当初は、三月末にも致命的大暴落があると予想していたが、きっかけになるはずのGM倒産も先送りされ、ソフトバンク倒産も株価の無理矢理買い支えにより先送りにされた。
 要するに、政府は、国民の将来を保証する年金・郵貯・簡保・銀行預金など基本資産に手をつけて、すべて株価維持に注ぎ込むことで、こうした大暴落を阻止し続けているわけだ。このツケは巨大だ。もはや現在の50歳代が年金受給資格を得ても、支払う原資すべて、資金運用というバクチに使い込んでしまったわけだ。まず今の会社ミドル世代は、年金受給は諦めた方がいい。
 筆者も、まさか、ここまでデタラメに資金を注ぎ込むとは予想もしていなかった。今では、政府の掌握するすべてのカネをバクチに注ぎ込む与謝野の姿勢である。もちろん、世界景気が破滅しているのに、これらの運用が戻る見込みなど皆無である。

 世界の破綻、負債総額は3京円を超す可能性があり、7000兆円の実体経済で、余剰資金など一割にも満たない状態で、すべての負債をまともに支払おうとすれば好景気が続いたとしても百年以上かかるだろう。
 これらのカネは、どこに消えたのか? 最初から、ありもしないのだ。勝手に債権を印刷してばらまいただけのことであり、債権を売った金は、金融資本経営者・社員たちが持ち逃げしただけのことだ。彼らは儲けの権利だけを手にし、負債は税金で補填させてトンズラする戦略であった。一人数十億円もの年収を得て、壮大なネズミ講詐欺を展開し、子ネズミが消えればトンズラ雲隠れの一手であった。

 最初から全部、分かっていたのだ。すべて仕組まれた詐欺であった。主犯はFRBというアメリカ中央銀行のフリをしたユダヤ私設銀行である。ありもしないカネを打ち出の小槌を振って、印刷するだけであるように装い、それを世界にばらまいてデリバティブの利権を構築し、さらにレバレッジという手品を使って、ボロ儲けを企んだ。

 今、金融システムを俯瞰するならば、本当に凄まじい詐欺の大海を見ているようだ。地球という小さな閉鎖空間で、利己主義を主張すれば世界はすぐに壊れてしまう。互いに思いやり、協調しながら生きるしか人類に残された道はない。本当は、みんな分かっていることだった。だが、いつのまにか利己主義が勝利を収め、人類の思想を席巻してしまったのである。こうなれば滅亡以外のいかなる選択肢も存在しない。みんな心の底で分かっていたことだ。分かっていながら、滅亡を選んだのである。