所用で、三重県に行く用事があり、帰りに昔アルバイトをしていたヤマギシズム豊里実顕地に立ち寄ってみた。
私は、三十数年前、ここで1年近く、ヤマギシズムの観察を兼ねてアルバイトをしていた。うまく波動が合えば、そのままヤマギシズムに参画してもいいとも考えていた。
それが、ある事故で中断し、それから30年以上、ヤマギシズムには縁がなかった。
私がしていた仕事は、豚舎の清掃と、堆肥の運搬、それに行商販売で、そこそこ大変な仕事だったが、ヤマギシズムの一端に触れることができた。
一日二食弁当が支給され、とても美味しかったので、ヤマギシの生産品を欲しいと思いながらも、なかなか入手する機会がなかった。
今回は、津市の豊里に向かうと、入口近くに「豊里ファーム直売所」という立派な販売施設ができていて、そこで、いろいろ購入することができた。
https://place.line.me/businesses/31704447
9時半に着いて10時の開店まで待ったら、たくさんの車が開店とともに集まってきた。
ナンバーを見ると京阪神など遠方からも購入に来ていた。さすがに、私の岐阜ナンバーは私しかいなかったが。
もちろん、私の知った顔はいなかった。いるとしても、もう70〜80歳になっているだろう。
肉類、白菜など野菜類、プリンやヨーグルトやイチゴなど大量に買い込んで帰宅し、数十年ぶりのヤマギシ生産物を食してみた。
まず、イチゴを口に入れてみると驚愕の味わいだった。ちょっと信じられないほどの美味で、何もかけなくとも、目の覚めるような美味しさだと思った。
プリンもヨーグルトも信じられないほど美味しかった。自然な甘みに満ちていて、後味が素晴らしい。嫌味成分が皆無、本当にナチュラルな風味だ。
白菜やネギやいろいろな野菜類も、生で口に入れても、農薬や化成肥料、石灰などがもたらす嫌味成分が一切なく、香りも素晴らしい。
「これほど美味しかったのか……」と感嘆するばかりだった。
大量に買い込んだはずの生産物が、わずか二日でほとんど消えてしまった。
一応、生産物供給所のネット通販サイトもあるのだが、感動したイチゴやプリンは売られていないのが残念だ。
https://yamagishi-store.com/
https://www.yamagishi.jp/kyokyu/catalog/adr.php
私がヤマギシズムに関わったのは1969年で、新宿でデモに参加していて、機動隊に追われて友人とともにヤマギシズム高田馬場案内所に逃げ込んだのが最初だ。
そこにいたヤマギシの人たちが、あまりに素晴らしい人格だったので、強く興味を抱いて、いつか訪れてみたいと思っていた。
それから1973年、名古屋の自宅に帰ってから、ヤマギシズムの主催する「特別講習研鑽会」に参加した。
このとき出された食事の卵や鶏肉の素晴らしさに感動し、私はヤマギシに参画したいと思った。
しかし、芦浜原発の反対運動にかかわっていたので、運動にかかわりながら、豊里でアルバイトをしたというわけだ。
ヤマギシ会については、いろいろな批判がある。高田かやさんの「カルト村で生まれました」という本が有名だ。
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%88%E6%9D%91%E3%81%A7%E7%94%9F%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82-%E9%AB%98%E7%94%B0-%E3%81%8B%E3%82%84/dp/4163904042
内容を見て、ヤマギシに対して私自身が感じていたことを含めて、残念な思いが去らなかった。私はヤマギシズムに関するブログを、いくつか書いている。
硬直した組織性に対する懸念があったのだが、高田さんの本を見て、まさに思っていた通りの事態が起きていたことを知った。
これは、たぶん豊里ではないと思った。全国にある実顕地には、硬直した思想から暴走する人もいるはずだが、豊里は歴史が長く、経験値が大きいので、こんな問題は起きにくいと考えた。
以下のブログに、高田さんの体験を補足的に理解できる事情が書かれている。
https://ameblo.jp/tezu1979/entry-12260581786.html
私が、かつてヤマギシについて書いたブログは、以下の通り。
カルト村で生まれました 2021年11月13日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1675.html
キブツとヤマギシ会
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-819.html
大家族生活 その5 ヤマギシ会
http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/2348506.html
大家族生活 その6 ヤマギシ会
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-23.html
私も、自身の体験も踏まえて、ヤマギシズムには批判的な立場だが、今回、何十年ぶりかにヤマギシ生産物を食べてみて、少し考えも変わった。
もしも、ヤマギシがファッシズム的発想の組織に堕落していたなら、こんな素晴らしく美味しい生産物が作れるはずはないと思った。
これほど目の覚めるような美味しさの生産物は、日本中探しても、なかなか見つからないだろう。
津市の近所に、世界救世教団(ミロクコミュニティ)があって、ここの野菜は、完全非動物性堆肥で育てていて、もの凄く香りの強い野菜と聞いたことがあるが、ヤマギシとは方向性が異なる。私はヤマギシズムの畜産堆肥農法を支持したい。
https://rubese.net/gurucomi002/?id=836590
私は、これからの日本社会は、ヤマギシズムの体現している共同体社会でなければ生きられないほどシビアなものになると考えている。
何度も書いてきたが、子供たちは、たくさんの動物と一緒に育つことで、宇宙の摂理を肌身で学ぶことができる。
そして、畜産堆肥を使った野菜は、人々を健康にする。この循環(炭素循環農法)こそ、持続可能な未来の核心的技術になると確信している。
人間社会には、原子力もコンピュータも、ランボルギーニもポルシェもいらない。生き物の触れあいと循環があればよい。
我々は、金持ちになるために生きているわけではない。みんなが幸せになり、周囲が笑顔で満ちた社会になることを求めているのだ。
ヤマギシズムは、人類の未来の一つの方向性を示していると私は思うが、問題点としては、規模が大きすぎることだ。
私の考えでは、共同体は、せいぜい20名程度で構成し、大きくなれば、細胞のように、どんどん分裂して、一種の群体・共生体として平面的に拡大するビジョンを見ている。
なぜかというと、大きくなれば必ず、「分業と合理化」という考えに行き着くことで、合理化に成功すればするほど、人間疎外が始まると思っているからだ。
だから「小さな共同体」だけが理想社会を形成できると信じている。
ヤマギシも指導部がベンツに乗るような時代もあって、組織の階級化が見え始めていたような気がしたが、現在は、もしかしたら改善され、本当の平等社会が成立しているかもしれない。
それが、素晴らしく美味しい農産物の味に垣間見えている。

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