報道特集で、金平キャスターのインタビューを受けた駐日ロシア大使が「ロシア軍は、民衆虐殺をしていない、それはウクライナ政府による自作自演だ」と回答した。



 虐殺は「自作自演のでっち上げ」民間人の死者は「ウクライナ政府の無責任な政策の犠牲者」駐日ロシア大使が語った“認識”【報道特集】 4/10

 https://news.yahoo.co.jp/articles/633bc756b1fd77b3286ac21cc5485147e4075ecf



 中国共産党と同じようにウソで固めた情報で国民を洗脳し続けてきたロシア政府が、そう答えるのは当然としても、これまで原発問題で、被曝民衆の側に立ってきたとおぼしき人物の多くが、同じように考えていることが分かり、私は心底驚かされた。



 阿修羅掲示板で、「ロシア政府による残虐な侵略行為」を糾弾し続けてきた私に対し、「おまえはピンボケだ、虐殺しているのはウクライナ極右のアゾフ連隊だ。ゼレンスキーは正義面しているが、ウクライナ民衆の虐殺に関与している」

 と、私を批判する者まで現れた。



反原発市民運動の代表的なサイト、「ずくなしの冷や水」でも、プーチン、ロシア政権の擁護とも受け取れる記事が多い。



  << 44日目の現実はウクライナ軍による国民の殺害 | TOP | 000 >>2022年04月09日 ウクライナ人はネオナチ? 難民で入ってくる?

http://inventsolitude.sblo.jp/article/189449527.html



 2022年04月09日 44日目の現実はウクライナ軍による国民の殺害

 http://inventsolitude.sblo.jp/article/189452722.html



 2022年04月10日 ウクライナ政府は国民を徹底して人間の盾に使っている

 http://inventsolitude.sblo.jp/article/189455692.html



 完全に、ゼレンスキー政権が自作自演で自国民虐殺を行っていて、プーチンは正義の味方であるかのような論調だ。これを見て、このサイトに対する私の信頼が瞬時に崩壊した。

 引き合いに出されるのは、ほとんどの場合、ウクライナの極右、アゾフ連隊の暴虐だが、その一部が事実だとしても、プーチンが、自国領土と自分の権力を拡大する野望に燃えて、他国を侵略して無辜の民を大虐殺し続けている現実は覆い隠しようがない。



 世界の報道を全部ウソと決めつけるなら別だが、ロシア・中国以外のほぼすべての報道が、ロシア軍がウクライナ民衆を虐殺している証拠を報道しているなかで、このようなロシア政府の代理人のような主張を行う人物はいったい何者なのか?



 ずくなしだけではない、蒼々たる国際情勢分析論客の一人、田中宇も以下のような信じがたい論説を示している。



 市民虐殺の濡れ衣をかけられるロシア 2022年4月8日

 https://tanakanews.com/220408bucha.htm



 【ウクライナ当局は、中立な第三者組織の現地調査を認めておらず、すでに事件発生から数日が過ぎ、遺体とその周辺の瓦礫などはウクライナ側によって片付けられて「証拠隠滅」が進み、虐殺の真犯人を公式に確定する方法が失われつつある。

 ウクライナ当局がブチャの虐殺遺体の動画を「ロシアの犯行だ」と決めつけて発表し始めた4月4日、ロシアは国連安保理でブチャの事態に関する話し合いを緊急に持つべきだと繰り返し提案した。

 だが、安保理の議長をつとめる英国は、ロシアの提案を却下した(英国はずっと前からウクライナのロシア敵視勢力を支援してきた)。その後も、国連が第三者組織を作ってブチャの虐殺現場を現地調査すべきだというロシアの提案は却下され続けている。



 英国など米国側が中立的な現地調査を却下したまま、一方的な「ロシア軍犯行説」が、ウクライナとその傘下の人々の主張だけをもとに流布され、米国側の政府やマスコミ権威筋がそれを鵜呑みにしてロシア敵視を喧伝し、米国側の多くの善良(間抜け)な人々がそれを軽信し、早とちりしてロシアに怒っている。

 国連総会は一方的なロシア犯行説をもとに、3分の2以上の諸国の賛成によって、ロシアを人権理事会から除名する決議をしてしまった。現地調査を却下したままウクライナ側の主張だけを鵜呑みにしてロシアを犯人扱いするのは、手続き的に国際法違反だが、そんなことは全く無視されている。諸大国の中で唯一、現地調査せずロシアを除名することに反対した中国は正しい(イラン、シリア、ベトナム、ラオス、アルジェリアなどアフリカ7カ国、カザフスタン、ボリビア、北朝鮮など24か国が反対)。 】

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 一部引用以上



 まるで、かつてのタス通信ではないか? プーチンロシアの完全なる代理人といっていい。BBCやロイター、あるいは金平キャスターの報道を、まったく信用せずに、ロシアを擁護するばかりで、この人物は何者なのか? と思わざるをえない。

 ウクライナには、多数の良心的な西側ジャーナリストが入っていて、なかには田中龍作もいる。

 https://tanakaryusaku.jp/

 彼らは、現地で長期間取材を続け、自分の目で、民衆虐殺の現場と犯人を確認し続けている。田中宇は、現地に自分の足で出向いて真実の情報に触れたことが一度でもあるのか?



 桜井ジャーナルも、田中宇と同じ論調で、プーチン・ロシア擁護に必死だ。



 ロシア軍が使っていない旧式のミサイルで攻撃されたクラマトルスクの駅 

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202204090002/



  2022.04.08西側の偽情報は次々に発覚、人びとに考えさせないため、新たな嘘をつき続ける

  https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202204080000/



 【マリウポリにある産婦人科病院を3月9日に破壊したのはロシア軍だという話を西側の有力メディアは広げている。そうした「報道」でアイコン的に使われた​マリアナ・ビシェイエルスカヤはその後、報道の裏側について語っている​。

 彼女は3月6日、市内で最も近代的な産婦人科病院へ入院したが、間もなくウクライナ軍が病院を完全に占拠、患者やスタッフは追い出されてしまう。彼女は近くの小さな産院へ移動した。最初に病院には大きな太陽パネルが設置され、電気を使うことができたので、それが目的だろうと彼女は推測している。】



 この報道は、プーチン・ロシアの広報誌であるスプートニクスに掲載されたものに似ている。

https://jp.sputniknews.com/

 桜井春彦もまた、現地情報など何の興味もなく、机の上で古いアゾフ連隊の記事でも眺めて書いたのだろうが、自分で情報を検証しようとする姿勢が微塵も見えない。



十日ほど前から、私は阿修羅掲示板に東海アマブログと同じ文章を投稿しはじめたのだが、コメント欄を見ると、私が、「ウクライナでロシア軍が人道破壊の大虐殺を行っている」と書いていることに対し、ほとんどのコメントが、私をピント外れとして、「ウクライナ大虐殺は、ゼレンスキー政権の自作自演」と決めつけるものばかりで、私は絶望するしかなかった。

 これで、私は阿修羅掲示板への投稿意欲を失ってしまった。



 副島隆彦の論評を見てみよう。



 ウクライナは、生物兵器と中性子爆弾の研究、開発をやっていた!

 https://ameblo.jp/bubblejumso3/entry-12731605227.html



 ロシア軍のキエフ進軍とか原発爆破とか全部ウソですよ。911と同じ今回はウクライナ側の自作自演

 https://nihon-omokage.com/?p=19945



 私は、核問題に比較的詳しい方なので、中性子爆弾や原発問題に関する報道は、すぐに真偽を見抜くことができると思っている。

 副島は、たぶん世界が中性子爆弾の開発を放棄した理由を知らないのだろう。それは、重水・三重水素を主体とした水爆で中性子が放射されるようにしたものだが、中性子は、照射されたすべての原子をアイソトープ化してしまい、危険な放射能に変えてしまう。例えば鉄に当たればコバルト60になる。ウランに当たればプルトニウムになる。

 だから、「きれいな核爆弾」どころか、もっとも汚く危険な放射能環境を生み出すことが分かり、今では中性子爆弾を開発する国は皆無である。



 生物兵器も似たようなもので、開発に、どれほどのリスクが伴うかは武漢肺炎で世界が思い知らされている。これまで副島の情報を多少は信用していたが、これを見て、二度と信用することはないだろう。これまで信用した私が馬鹿だった。



 これらを見ていると、ワクチン問題での陳腐な陰謀論を想起させる。私もワクチン反対派なのだが、大摩邇とか阿修羅では信じられない極論を書く人物がいて、例えば「マスクは効果がないから無意味」とか、甚だしきは「新型コロナウイルスは実在しない虚構」だとかと書く人もいた。

 私は、こんな妄想と同列に扱われたくないので、大摩邇から外してくれるよう要請した。今は、大半が「ロシア礼賛、ウクライナ陰謀説」に支配された阿修羅掲示板からも撤退しようと考えている。



 戦争前から、一貫してプーチンロシアの非道を糾弾してきた西側報道を信用しない理由としては、「アメリカの権益に沿った陰謀」のような主張が多いが、西側報道の問題は、新自由主義思想を前提とした投機ビジネスによって真実が歪曲され、人権問題が矮小化されてきたことだが、ことロシアや中国に関しては、それほど間違った報道は確認できない。



 むしろ、ロイターやBBCなど有名メディアは、100年以上前から続くマスコミの道義コンプライアンスに則って、真実をダイレクトに伝えていると思っている。彼らは報道の真実性を自社の歴史的価値として信奉しているのだ。



 現在までのウクライナ戦争の報道から、ロシア政府が吹聴してきたような「すべてウクライナ政府による自作自演の虐殺」という論理が、どこから湧いてくるのか?

 上に引用した人たちの主張を詳しく見ても、どこにも根拠が書かれていない。ただロシア政府の捏造宣伝をそのまま引用しているだけだ。

 「真実は何か?」を追求する姿勢がどこにある!



 私は、プーチンがKGB→FSBのトップからロシア大統領になった時代から、世界屈指の悪質な陰謀殺人を繰り返している犯罪者とみてきた。私には、ソ連時代からの情報源が多少あるので、KGB・FSBの極悪情報操作を昔から思い知らされてきた。

 だが、上に引用した人たちは、プーチンを人道的な救世主くらいに思い込んでいるらしい。プーチンロシアの犯罪性を知らないにもほどがある。



 西側報道での、ロシアの人権破壊を、ほぼウソだと決めつけているのだ。

 一方で、ゼレンスキーがアゾフ連隊と関係があるかのような決めつけをしている。

 アゾフ連隊がロシア軍捕虜を虐殺したり、ウクライナ同胞を殺したりしているとする。

  http://www.asyura2.com/22/cult37/msg/294.html



 アゾフ連隊については、前回のブログにも書いた。

 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1820.html



 私も、アゾフ連隊なら、ロシア捕虜の虐殺をやりかねないと理解しているが、「一方で同胞ウクライナ人を虐殺してロシアのせいに見せかけている」という論評には真実性がまったくないと思う。クリミアの親ロ派住民の虐殺まではやるかもしれないが、ブチャの大虐殺が、アゾフ連隊の仕業とするのは、とんでもない妄想だと思う。

 いったい、どこから仕入れた情報なのか見てみても、信憑性のない架空記事ばかりだ。



 ましてや、「ゼレンスキー政権が極右勢力の傀儡だ」というにあっては、冗談もほどほどにしとけ、と憤るしかない。ゼレンスキーは選挙で選ばれた民主主義者だ。もしもゼレンスキーを傀儡にするほどの実力がウクライナ極右にあったなら、彼など使わなくとも、直接アゾフ連隊指揮官が大統領になっていたことだろう。

 これらは、ネオナチ=アゾフ連隊の過去10年の暴虐的活動が、ロシアの侵略を上回っていると決めつけるもので、ピント外れも凄まじい。



 プーチンロシアは、領土拡大野望の実現のためにウクライナに軍事侵攻し、民衆を虐殺し、それをウクライナ政権の仕業に見せかけてきた。これが森だ。

 捕虜の虐殺は、極右がやった可能性もあるが、それは木にすぎない。我々は、木に囚われて森を見ないような偏狭な発想であってはならない。

 それを、そのまま真実と受け取っているような、上に紹介した記事は、愚かの一語だ。 今後、彼らを二度と信用することもないだろう。