資本主義というものは、競争に煽られて無制限の大きさ、利益を追求するものだ。

 18世紀、イギリスに蒸気機関が発明されて以来、人間労働を少しでも節約して、「効率化・合理化」による労働システムの改良が、ひたすら続けられてきた。



 金儲けに夢中になった資本家たちの頭に刻み込まれていたスローガンは、「スケールメリット」だった。

https://frontier-eyes.online/scale-merit/



 それは、生産規模を拡大する(大量生産)ほど効率よく金儲けできるという幻想だ。

 日本のような「職人国家」では、歴史的にみれば大量生産が嫌われていた。使う側のニーズに応じて、細やかに対応し、製品が購入者に喜ばれることを大切にしてきた。

 三井高利の「三方良し」の思想が職人国家の本質的な姿だった。

 https://kigyotv.jp/news/sampo-yoshi/



 例えば、コーヒーミルは、手回しで少しずつ挽けば良質の香り高いコーヒー粉ができるが、モーターミルで一度に大量に挽いたものは、温度が上がり、粉も細くなりすぎて美味しくないが、時短になり金儲けには都合が良い。

 職人国家では前者が好まれ、資本主義の金儲け至上主義では後者が好まれるのである。



 日本は、世界の資本主義国のなかでは例外的に職人臭が強く、「良いものを提供したい」との強い意志を持った国だった。そんな姿勢が、日本製品の信頼性を上げることになり、世界中の人々の支持を集めている。

 だが、もちろん、資本主義の本質である、「他者を出し抜いて自分だけ金儲けしたい」という心の疎外された人はたくさんいるもので、そんな経営者の頭のなかは、いつでも、可能な限りの大量生産、スケールメリットという強迫観念が占めている。

 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1886.html



 スケールメリットに適していると考えられたのは、エネルギー産業や素材産業だった。

 電力会社は、可能な限り高い電圧で大出力の発電所を作りたがる。それは送電ロスの軽減や燃料代の節約など、多くのメリットがあると考えられている。



 かつて、電気の供給における相互転換や融通が困難だった時代では、極力供給規模を大きくすることしか電力需要に対応することができなかったが、現在では、周波数の異なる交流電力でさえ、相互転換、融通する技術が成立している。

 https://social-innovation.hitachi/ja-jp/article/hida-hvdc/



 これは周波数の異なる交流電力を、いったん直流高圧に転換してから再び、別の交流に切り替えるもので、全国の電力を統一周波数機材に変えるより、はるかに費用がかからず合理的である。

 こうした転換技術を使えば、ほぼすべての電力を一つの供給基盤に乗せることが可能になる。



 だが、日本政府=経産省は、自前の核兵器開発を前提に、原発を主要(ベース)電力として使う絶対的洗脳にあったので、311巨大事故後も、原発再稼働を促進する目的で、周波数の異なる電力企業どうしの融通や、自然再生エネルギーの開発に対し、抑制的、妨害的な姿勢を貫いてきたので、フクイチ事故から11年も経たのに、未だに電力供給不安が問題にされ、それを煽り立て、原発再稼働世論ばかり作りたがっている。



 電力安定供給のため原発必要? 「真っ赤なウソ」と専門家は指摘 2021/03/11

 https://dot.asahi.com/wa/2021031000013.html?page=1



 本当は、電力は電気機器にとって直流が一番効率的なのだが、実用上、さまざまな問題がある。最大の問題は、家庭電力配送のなかで、直流の電圧変換がやや困難で、大げさな機器が必要になることだ。

 また、直流はもしも漏洩した場合、近くにある金属を電池化して腐食してしまう。



 例えば、地下鉄などの一部には直流が使われているが、これは付近のガソリンスタンドタンクに侵入して、電解腐食を引き起こして穴を開けてしまう。

 アース線も、近くにある金属を電気分解する可能性がある。直流電源を利用する機器は、よほど気をつけなければならない。

 https://www.seikatsu110.jp/library/electrical/et_general_construction/17292/



 電力供給に交流が利用されている理由は、上のリンクにあるように、コイルによって容易に電圧を変換できるので、発電所から家庭まで、数段階の変圧に大げさな機器を必要としない。

 直流は、電力漏洩が交流よりも大きく、高圧線による長距離伝送に向いていない。しかし、交流でも、伝送ロスは、電力供給最大の問題になっている。



 電力の転換が容易になれば、次は、送電ロスと、需要偏差の解消が問題になる。

 スケールメリットを狙って大規模発電所を作ったとしても、長距離の電力搬送を行うと、電圧にもよるが、非常に大きな電力ロスが発生する。

 一般的な送電線では、10%程度もの伝送ロスが起きるといわれている。

 http://uchi-mill.naturebounds.com/%E9%80%81%E9%9B%BB%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%81%A3%E3%81%A6%E7%9F%A5%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%82%8B%EF%BC%9F%E6%99%AE%E9%80%9A%E3%81%AE%E9%9B%BB%E6%B0%97%E3%81%8C%E9%9D%9E%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%81%AA%E7%90%86/



 これは莫大な損失であって、もしも、電力を利用する現場で発電できるなら、最初から搬送される電力よりも10%経費がかからないことになる。

 また、現場発電なら、効率の良い便利な直流電源をそのまま使えることになる。

 原子力発電など、スケールメリットを狙ったものの、長距離搬送を必要とする電力システムの最大の弱点が、交流しか使えないことと、送電ロスである。



 もう一つ、多くの場合、スケールメリットを目的に作られた発電所は、大容量はいいのだが、需要の波に対応することが難しい。

 とりわけ原子力発電所は、出力調整が困難で、原子炉の性質上、いつでも一定の出力を出していなければならない。夜間、電力需要が大きく低下するので、原発以外の発電を停止することで対応するのだが、それでも発電過多になるので、揚水発電所でサポートするしかない。

 揚水発電所の電力効率は40%程度しかないので、これも大きなロスが発生することになる。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8F%9A%E6%B0%B4%E7%99%BA%E9%9B%BB



 こうした問題を考えると、これからの電力は、第一に人類を事故で滅亡に誘うほど危険な原発を廃止して、安全な再生可能自然エネルギーを多用すること。

 次に、送電ロスの大きなスケールメリット型の中央集権的大規模発電をやめて、可能な限り現場発電の利用に切り替えることが必要になる。



 太陽光パネルや風力、波力など安全な再生エネルギーの利用は、政府・経産省が原発=核開発に固執して妨害的姿勢でいたため、日本は最初の開発国であるにもかかわらず、先進国でもっとも遅れてしまっている。

 しかし、あらゆる多用な再生発電を有機的に結びつけるグリッドシステムの技術が急速に進歩していて、巨大送電線に頼らない現場発電の実用価値が劇的に大きくなっている。



 スマートグリッドの基礎知識

 https://www.ipros.jp/technote/basic-smart-grid/



 上は、旧来のスケールメリット供給も含めた経産省ご推奨グリッドシステムの説明だが、以下は、再生エネルギーを地域社会で結びつけるマイクログリッドシステムについて説明している。



 エネルギーの地産地消に貢献!停電被害も軽減するマイクログリッドとは?

 https://www.rd.ntt/se/media/article/0013.html



 原発の本当の恐ろしさを理解できる人なら、これからの電力は、無数のマイクロ発電システムを有機的に結びつけるマイクログリッドシステムを利用するしかないことが容易に分かるはずだ。

 このシステムは、インターネットのシステムに似ていて、一部のマイクロ発電所が事故で閉鎖されても、全体では大きな影響は起こらない。

 だから、日本政府が核兵器開発を目的にして原発を稼働させるために、マイクロ発電グリッドシステムを妨害しても、未来の基幹エネルギーになる必然性を変えることはできない。



 ただし、現場発電に使えるミニ発電機に、革命的な性能向上が起きれば話は別で、もしも夢物語のフリーエネルギー発電機が登場してくれば、そちらに向かうに違いない。

 しかし、これから数十年、世界は太陽光、風力、波力、地熱、温度差発電など再生エネルギーの利用に向かうことは間違いないところだろう。



 問題になるのは、核兵器が欲しくて仕方ない連中が、日本政府を乗っ取っていることで、彼らはマイクロ発電グリッドシステムを敵視して、中央集権的スケールメリット発電に固執し、グリッドの構築を妨害するに違いないことだ。

 それは、すでに太陽光発電パネル問題で明らかにされている。

 もしも、太陽光発電システムを世界で最初に開発したシャープが、原発主義の政府に妨害されなかったなら、シャープは現在でも日本企業の雄として君臨し続けていただろう。

 https://news.yahoo.co.jp/articles/334fd47b9ca366245d9ae6332dc19d9bc4c20336



 この参院選で、再び自民党が圧勝するなら、間違いなく、改憲が実施され、政府は、ますます原発再稼働や新設にのめりこむことになる。

 平和利用を口実に、原発への依存率を増やすため、再生可能自然エネルギーを拡大させない方策を実行するにちがいない。



 すでに、政府の悪知恵に乗って、再生エネルギーは環境破壊だという類いのプロパガンダが大量に出てきている。

 https://sdgsitems.com/mokuhyo/enecle/environmental_destruction/



 このような不可解な再生エネルギー悪者論の背後には、必ず日本政府(自民党)と、原子力村が隠れている。

 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/hakusho/wp1988/sb1020202.htm



 こうした核兵器開発に固執する連中の世論操作に騙されないように、何が真実か、自分で判断できる知識が必要なのだ。