プーチン・ロシアの虚言声明を批判する欧米の論調が鋭さを増しているが、プーチンが、外国に対して偽旗作戦を行使してウソを並べ立てている理由は、決して、外国を説得しようとしているわけではない。

 外国の批判など歯牙にもかけていない。外国の誰が、どう言おうと知ったことではない。なぜなら、プーチンの虚言は、すべてロシア国民を騙すためのものであるからだ。



 露の言論統制 プーチン氏の嘘は通用しない 読売 2022/03/08

 https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20220307-OYT1T50251/ 以下引用



 プーチン露大統領がどんなに言論統制を強め、荒唐無稽な嘘を並べ立てても、ロシアが国際法違反の侵略を続け、無辜の市民を殺傷しているという厳然たる事実は隠せない。

 ロシアはウクライナ侵略について、自国の安全を守るための「特殊軍事作戦」だとする主張に固執している。露メディアは、「侵攻」「攻撃」「戦争」といった表現を使うことを許されていない。



 加えて、露軍の活動に関して、「虚偽の情報」の拡散を罰する法律を成立させた。ロシアに住む外国人も対象になるという。ウクライナ情勢を客観的に報道すること自体、ロシアでは違法行為とみなされることになる。

 これを受け、米国や英国などの一部メディアは、ロシアでの取材活動の一時停止を決めた。



 ロシア国民が情報把握や発信の道具としてきたフェイスブックやツイッターにも、遮断などの規制が加えられるようになった。

 プーチン政権の言論統制は、厳しさを増す一方だ。侵略が思うように進まず、ウクライナ軍の激しい抵抗や国際社会の厳しい制裁に直面し、自国内でも反戦の声が拡大しつつあることへの焦りの表れではないか。



 政権側の主張が浸透しないのは嘘で固めていることを見透かされているからである。プーチン氏は「ウクライナが核兵器を保有しようとしていた」と主張し、それも侵略の理由に挙げている。だが、裏付ける証拠は全くない

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 引用以上 上の論評はロシアのウクライナ侵攻直後の読売



 「プーチンの主張はウソばかり」と世界中が口を揃えて批難しているが、ウソを言う必要がある相手は、決して外国ではない。それは国内の9割に上るプーチン支持勢力なのだ。彼らこそ、プーチンを真に支えている実体である。

 ロシア国民は、プーチンの表舞台登場以来、プーチンが自分の権力を守るための虚言に騙され続けてきた。



 最初のウソは、プーチンがFSB(KGB)局長だったソ連崩壊後、エリツインに指名され首相に就任した1999年だ。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3



 このとき、「ロシア、高層アパート連続爆破テロ事件」が起きて、数百名が死亡した。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E9%AB%98%E5%B1%A4%E3%82%A2%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88%E9%80%A3%E7%B6%9A%E7%88%86%E7%A0%B4%E4%BA%8B%E4%BB%B6



 この真犯人は、プーチンの部下だったFSB工作員であったことが、状況証拠から明らかになっている。

 しかし、プーチンは、自分で指令した、このテロ事件の犯人をチェチェン人テロ組織であるとすり替えて、ロシア軍によるチェチェン侵攻を引き起こし、数十万人の市民を虐殺した。

 このとき、チェチェンでの大虐殺の指令を行ったのが、現在のウクライナ侵攻最高司令官、ドボルニコフ将軍である。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%B3%E7%B4%9B%E4%BA%89



 モスクワアパートテロ事件の真相を調べていたジャーナリストや政治家たちは、次々に不審な死を遂げた。有名なのが、女性編集者のアンナ・ポリトコフスカヤの事件である。

 これもFSBの暗殺だったことが明らかになっている。指令者はプーチン本人といわれている。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%A4



 ちょうど、今、プーチンを批判するオルガルヒ(新興財閥)トップが8名以上も次々と不審死を遂げているのと同じである。

 https://news.yahoo.co.jp/articles/2f7f5411009a41dd16b455eb11e365a27c50dce6



プーチンは、自分を陥れようとする者に対しては容赦なく、FSBを使って暗殺してきた。

 リトビネンコなど明らかになった者は30名以上、闇に埋もれた暗殺は数百名といわれる。民主派のナワリヌイは事実上、終身投獄となっている。

 https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/03/post-7124.php



 ウクライナの3代目大統領、ユシチェンコが毒殺されかかったのも、プーチンの指令といわれている。

 4代目のヤヌコビッチは、不正選挙で当選したロシアのスパイだったが、在任中の10兆円規模の莫大な汚職が発覚してロシアに逃亡し、ウクライナから指名手配されている。

 プーチンは、不正選挙で大統領を当選させ、合法的にウクライナをロシアに再併合させようとしたが、それが不可能であると知ったことで軍事侵攻に踏み切った。



 米国務省がまとめたプーチンのウソを紹介する。

 https://www.huffingtonpost.jp/2014/03/05/putin-fiction_n_4908806.html



 ■プーチン大統領のウソその1

 「クリミアのロシア軍はロシア軍施設を保護するために行動している。クリミアのインフラや軍事施設を占領しているのは、ロシア軍ではなくクリミア市民の自警団だ」



 事実: 高度に組織化された、クリミアの抗ウクライナ軍の心臓部がロシア軍であることを示唆する強力な証拠がある。これらの部隊は記章なしの制服を着ているが、彼らはロシア軍のナンバープレートが着いた車を運転している。海外メディアやウクライナ軍に対し「我々はロシアの治安部隊だ」と答えている。さらに言えば、一般市民が通常は利用できないような武器で武装している。



 ■プーチン大統領のウソその2

 「ロシアの行動は、ウクライナとロシアの間で1997年に結ばれた友好条約の範囲に含まれる」



 事実: 1997年協定はウクライナの領土保全をロシアが尊重するとしている。クリミアでのロシアの軍事行動は、ウクライナの領土保全と主権を明確に侵害している。



 ■プーチン大統領のウソその3

「反対勢力はウクライナのヤルコビッチ大統領と2月21日に合意を実現できなかった」



 事実: ウクライナ中央議会の計画を打ち出した2月21日の合意は、ウクライナの憲法を2004年以前に戻るための法案を可決した。ヤルコビッチのやるべきことは24時間以内に制定する法案に署名し、ウクライナ危機に平和的に解決することだった。ヤルコビッチは大統領の職務を終える代わりに、彼の家を捨てて逃げて、家には大規模な破壊の形跡が残ることになった。



 ■プーチン大統領のウソその4

 「ウクライナの政府は非合法。ヤルコビッチはまだウクライナの合法的なリーダーだ」



 事実: 3月4日に、プーチン大統領は彼自身、ヤヌコビッチが「政治的将来を持っていない」という現実を認めていた。ヤヌコビッチがウクライナから逃げた後、自らの政党さえ、オフィスからの彼の撤回を確認し、新政府を支援することを票決して、彼に敵対した。ウクライナの新政府は、民主的に選ばれた議会の82%を占める371票を得て承認されている。



 ■プーチン大統領のウソその5

 「これは人道的危機であり、数十万人がウクライナから逃れてロシアに亡命を求めている」



 事実: これまでに、人道的危機の証拠は全くない。また、ウクライナから逃げる亡命者がロシアに殺到している証拠もない。ウクライナ国境警備兵と話すことによって調査した国際機関も、そうした主張を認めていない。国境線を取材したフリージャーナリストも、難民が殺到する様子を見ていない。



 ■プーチン大統領のウソその6

 「ロシア人が脅威にさらされている」



 事実: ロシアの報道とロシア国営テレビ以外には、ロシア人が脅威にさらされていることを示す報告hなあい。ウクライナ新政府は最初から平和と和解に重点を置いた。オレクサンドル・トゥルチノフは地域レベルでのロシア語の使用を制限する法案に署名することを拒否した。



 ■プーチン大統領のウソその7

 「ロシアの基地が脅威にさらされている」



 事実: ロシアの軍事施設は安全なままであり、ウクライナ新政府は、ロシアの拠点をカバーするものも含め、すべての既存の国際協定を順守することを約束した。それは、ロシアの軍事行動からの脅威にさらされているクリミアのウクライナの基地である。



 ■プーチン大統領のウソその8

 「ウクライナ南部と東部の教会やシナゴーグに大量の攻撃が行われている」



 事実: ウクライナにおいて活動的な国および国際的な宗教の自由主張者の宗教のリーダーは、教会に対する攻撃の出来事がなかったと言った。



 ■プーチン大統領のウソその9

 「キエフの政治勢力はクリミアを不安定にしようとしている」



 事実: ウクライナ暫定政府が結束して行動し、対話を求めてきた。ロシア軍は一方で、クリミアでの政治的な目標とインフラをつかむために自分達の基地を越えて移動している。



 ■プーチン大統領のウソその10

 「ウクライナ中央議会は過激派やテロリストの影響下にある」



 事実: 中央議会はウクライナで最も代表的な機関です。最近の立法はウクライナ東部の代表者から含めて、賛成多数で可決した。治安部隊との衝突に関与していた右翼国粋主義グループは、中央議会に代表を出していない。ウクライナ政府は、差別的政策を追求する指摘はないし、それらとは正反対のことをしている。

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 引用以上



 また、プーチンがウクライナ軍事侵攻の最大の理由として挙げた、「アゾフ連隊というネオナチがクリミアの住民を大虐殺している」という問題について、日本の公安調査庁は、当初、フリーガン問題から「ネオナチ」というレッテルを貼っていたが、その後、事実関係が明らかになるにつれて、ネオナチを削除し、一般的な愛国的民兵であるとの表現に変えた。



 公安調査庁「誤情報が拡散」ウクライナ・アゾフ連隊めぐる記述を削除、ロシア側は反発 4/14

 https://news.yahoo.co.jp/articles/5d59f853fcc0f8418d36e51adc5a1be49530a8a0



 また、現地情勢に詳しい、駐ウクライナ大使も、ロシアの主張は完全なウソだと報告している。

 ウクライナに大量にいた西側メディアも、アゾフ連隊による親ロ系住民の虐殺を調査して、それが事実であるという証拠を得た者は皆無である。

 田中龍作も次のように書いている。

 https://tanakaryusaku.jp/2022/06/00027248



 現地に長期滞在した岡部芳彦教授や元駐ウクライナ大使の角茂樹氏は「アゾフ連隊によるロシア系住民の虐殺や差別はひとつもない」と指摘した。

 https://www.youtube.com/watch?v=k9u7dUm6DDc



 https://www.youtube.com/watch?v=SEKSQdJQOu8



 日本では、鈴木宗男を筆頭に、副島隆彦はじめ、阿修羅の常連メンバーたち、田中宇、桜井ジャーナルなどさえが、ロシアの虚言を鵜呑みにして、「悪いのはウクライナと背後にいるアメリカ」という大宣伝を行ってきたが、偉そうに「真実はこうだ、教えてやる」という上から目線で書いてきた自称評論家たちの大半が、見事にプーチンに騙されたままだ。

 むしろソ連ロシアに嫌悪感を持っていた、反共メンバーの方がマシなことを書いている。



 プーチンは、ロシア国民の9割以上を騙し、「ロシアは正義の戦争を行っている」と宣伝し、大半の人々が無邪気に、それを信じてきたのだが、ウクライナに派遣された兵士たちの多くが遺体で帰還するにしたがい、「自分たちはプーチンに騙されていた」と、ようやく気づき始めている。

 そして、強引で暴力的な非正規徴兵が、それに輪をかけて、政権に対する憎悪が膨らみ始めている。



 何から何までヒトラーそっくり…プーチン大統領がロシアを破滅に追いやる戦争を続ける本当の理由

 https://president.jp/articles/-/57987



 ついにロシア国民が見限った!錯乱プーチンを引きずり下ろし後継者を用意する

 https://www.asagei.com/excerpt/229223



 ウソと偽旗作戦で30兆円の資産を貯め込んだ世界最大の大金持ちであり独裁者であるプーチンも、とうとう引導が渡されるときがきている。

 https://www.yomiuri.co.jp/world/20220126-OYT1T50236/



 私は、おそらくプーチンがNBC兵器を使用しはじめた段階で、莫大な資金力を持ったオルガルヒ勢力や、プーチンよりもさらに右派の国粋主義勢力によって暗殺されると予想している。

 本当の核戦争は、それから始まるはずだ。人類は阿鼻叫喚の地獄にまっしぐらに駆け落ちている。