ロシアによる「ウクライナ、ネオナチ虐殺者説」を真に受けている人が、もの凄く多くて、うんざりさせられる。私の身近にもいるから極めて深刻に受け止めている。
「ロシアに正義がある」と信じ込まされている人たちは、ロシア軍による一連のジュネーブ条約の真正面破壊、ウクライナ一般市民への大虐殺、市民インフラの破壊を、西側宣伝のウソだと思い込んでいるのだろうか?
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%81%E3%83%A3%E3%81%AE%E8%99%90%E6%AE%BA
「人道的正義」を大切にする国が、こんな大虐殺を平然と実行するかどうか、理解できないほど知能が低いのか? これは知性や人間性が問われるほどの大問題だ。
21世紀になって、他国を武力侵攻することの意味さえ理解できないのか?
鳥海不二雄 という東大教授は、ツイッター上でウクライナ政府をネオナチ政権だと拡散しているのは誰か という記事で、反ワクチン派だと指摘している。
https://news.yahoo.co.jp/byline/toriumifujio/20220307-00285312
これには強烈な異議がある。私は、反ロシアだが、同時に反ワクチン派でもある。十把一絡げにされたくない。
私は、昔からソ連・ロシアという国が大嫌いだった。それは、そもそも「原水禁運動」を分裂破壊した日本共産党による「原水協」運動の分裂の理屈が、「ソ連・中国など社会主義国の核兵器は正しい」という主張だったこと。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E6%B0%B4%E7%88%86%E7%A6%81%E6%AD%A2%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8D%94%E8%AD%B0%E4%BC%9A
その後の反原発運動のなかでも、共産党は、「共産党の指導する正しい原発なら推進する」という立場だったことで、生涯にわたる強烈な嫌悪感が芽生えた。
こうした思想の根底には、ナチスと同じ「優生保護主義」すなわち、「優れたもの、正しいものを権力者が上から目線で選ぶ」という発想がある。
これはスターリニズムから来ているもので、本質的にはナチズムと変わらない。
1991年ソ連が崩壊した後も、エリツインがプーチンを後継者と定め、プーチンが大統領選に出馬するとき、自分がトップだったFSB工作員に命じて、モスクワのアパートをチェチェン人の仕業に見せかけて、爆破テロを行い数百名を殺害する「偽旗作戦」を行った。
その後、プーチンは、「正義の味方」のフリをして、チェチェンに攻め入り、数十万人を毒ガス兵器などで殺戮し、騙されたロシア国民の圧倒的な支持を受けて大統領になり、以来23年間も最高権力を守っている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E9%AB%98%E5%B1%A4%E3%82%A2%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88%E9%80%A3%E7%B6%9A%E7%88%86%E7%A0%B4%E4%BA%8B%E4%BB%B6
私は、プーチンロシアの正体を、過去数十年間、さまざまな形で思い知らされてきた。私の親族が、モスクワ大学に留学して連れ帰った嫁さんも、結局FSBスパイだったことが分かった。「ここまでやるのか?」と私は驚愕させられた。
北方領土問題を見ても、ロシアには、正面からの誠実な交渉など微塵も存在しない。これは、イワン雷帝以来の、ロシア政治の伝統なのだ。
ロシアは、ユダヤ流「偽旗作戦」の国であり、旧約聖書創世記34章の世界なのだ。
https://www.rcj.gr.jp/hanyueikou/message/detail.php?id=871
http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6009697.html
今回の、「ロシアに正義がある」という低劣な勘違いを吹聴してきたのは、櫻井ジャーナル・田中宇・植草一秀・副島隆彦・阿修羅掲示板の赤カブ氏などで、魑魅魍魎氏まで同調したのには驚かされた。
植草の文章がもっともらしいので、上のリンクにも反論を書いたが、もう一度問題にする。
2023年2月25日 (土)世界人口の6割が非ウクライナ支持
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2023/02/post-a6fdee.html
2022年4月11日 (月)「力による現状変更」主は誰か
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2022/04/post-10b2f7.html
【1.最大のパトロンがウクライナ・オリガルヒのコロモイスキー
2.ミンスク合意破壊=対ロシア軍事対決路線尖鋭化
3.ネオナチ勢力との結託
ゼレンスキー大統領は正義の味方ではない。ウクライナの戦乱を誘発させ、罪なきウクライナ市民多数に犠牲をもたらした最大責任者の一人。
そもそもは2004年政権転覆、2014年政権転覆に正統性がない。背後にあるのは米国による工作。米国が工作活動を展開してウクライナの政権転覆を図ってきた。
そして、東西の最後の緩衝地帯であるウクライナへのNATO東方拡大を強行しようとしている。「力による現状変更」を強行しているのは米国である。】
【西北部はウクライナ語を使用するカソリックのウクライナ人が大宗を占める。東南部はロシア語を使用しロシア正教のロシア系住民が大宗を占める。ウクライナの国境線はかつてのソビエト連邦の時代に引かれた便宜的なもの。合理性を欠いている。
この状況下で独立を宣言したウクライナ東部2共和国の要請を受け、ロシアはロシア系住民の安全を確保するために特別軍事作戦を始動させた。
国連で141ヵ国がロシア撤退を求める決議に賛成したと伝えられているが、ロシアによる軍事作戦が始動して以降、国連における賛否はほとんど変化していない。ロシア非難決議等に賛成する国・地域と賛成しない国・地域の人口比は48対52である。国・地域の数では賛成が多いが、人口比では賛成していない国・地域が上回っている。】
以上が植草一秀の基本主張だ。田中宇や副島隆彦、桜井春彦も似たような主張といえる。
ゼレンスキーは、アメリカの手先として、戦争を引き起こしたと、あたかもウクライナ戦争が、ロシア側の責任ではなく、ウクライナ側に非があったように書いている。
また、ウクライナのアゾフ連隊はネオナチとして、東部地方の親ロ系住民を虐殺したと、プーチンと同じ主張を副島や桜井とともに拡散して、これに騙される左寄りの人が激増してしまった。
だが、そもそもウクライナは、ソ連の核兵器製造基地を含む軍事生産基地であったころから、ソ連共産党の腐敗の温床といわれてきた。
アゾフ連帯の親ロ系住民への暴力行為も、「腐敗の極致大統領」といわれた前ヤヌコビッチ大統領が10兆円の汚職を追及されてクリミアに逃げ込んだように、東部地域’ドンバス・クリミア地方)は、旧ソ連共産党腐敗グループの拠点として知られ、武装した親ロ系住民とウクライナ独立派との衝突が絶えなかった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%B3%E3%83%90%E3%82%B9
【2000年代初めにドンバス内の権力はオリガークス(オルガリヒ)と呼ばれる一部の政治的エリートに集中した。国有産業の私有化は腐敗の蔓延を招いた。郷土史家の黒宮広昭は地域の経済力、政治力を支配する人々のグループであるこのエリートを「ドンバス・クラン 」として描写した。
「クラン」の著名なメンバーにはヴィクトル・ヤヌコーヴィチとリナト・アフメトフが含まれる。オリガークスの形成は腐敗と結びつき、 ウクライナ内でドンバスが最も非民主的かつ最も邪悪な地域との認識を導いた。2000年代、ウクライナの他の地域から見て、ドンバスは「チンピラ文化」を持ち、「ソビエトの糞貯め」であり、後進的である、と認識されていた】
ドンバスは「チンピラ文化」を持ち、「ソビエトの糞貯め」といわれたウクライナ国内での評価が、事態の本質を表している。
東部は、ソ連官僚の腐敗の象徴であり、これに対して怒った大衆の代弁者としてアゾフ連隊が登場し、軋轢を引き起こしていたのだ。
いくつかの武力衝突があったことから、一定数の殺害事件はあっただろうが、プーチンが大宣伝しているような「アゾフ連隊による親ロ住民の大虐殺」については、多くの西側ジャーナリストも、田中龍作も現地取材から虚構にすぎないと断言している。
https://tanakaryusaku.jp/2022/06/00027248
つまり、植草・副島・桜井・田中宇らは、現地取材もせず、ロシア側の偽旗作戦の宣伝だけを鵜呑みにして、「ロシアに正義がある」と主張してきたのだ。
私は、「それは間違っている、ロシアに傲慢な侵略はあっても、正義があるわけがない」とブログで何回も書いているが、私の指摘を理解できる者は、ほとんどいない。
ロシア問題は、昨日今日に始まったことではない。ロシアの軍事膨張主義は、少なくとも、ロシア建国以来の国是ともいえる思想であり、ピョートル大帝(1682-1725)以来の帝国主義なのだ。
そもそも、北方領土問題の真実を理解している者なら、ロシアの帝国主義的体質を思い知らされ、「ロシアに正義がある」などと馬鹿げた妄想を主張することなどありえない。
いったい、どこまで馬鹿なら気が済むんだといいたいが、彼ら「ロシア正義派」は、これから日本にロシアの核ミサイルが飛んできたなら、なんというつもりなんだ。
「対米従属の日本に核ミサイルが落ちるのは当然だ」と言いたいのか?
我々は、国家の正義など信用しない。必要なことは、民衆の真の幸福であり、民衆は屁理屈ではなく肌身感覚の愛情のなかで生きているのだ。
今目の前にいる人の笑顔を頼りに生きているのが民衆であって、領土拡張によって自分の財産や権力を増やして喜ぶ者は、民衆などではない。
腐敗した権力者にすぎないのだ。
いったい、どんな基準で、何に頼って生きているんだ?
親ロシア発言を繰り返している連中の正体は、結局、自分の権威を拡大したいだけの救いのないアホにすぎない。人間が生きていることの意味を、原点から考え直せ!
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