福島第一原発事故から12年を前に、世界的に原子力村の復権圧力が激化している。これは国連に取って代わろうとしているダボス会議が、「グレートリセット」と称して、世界のエネルギーを電気に一元化し、しかも、それを(低炭素と称する)原発によって担わせる方針を打ち出しているからだろう。



 自民党政権も、フクイチ事故によって停止した、すべての原発を完全復活させる方針を明らかにしている。

 しかも、再稼働させる、すべての原発で超危険なプルトニウムMOX燃料を使わせている。



 ほとんどの若者は、テレビや雑誌などを支配している(電通のような)原発推進派に迎合した宣伝に騙されて、原発の持っている本質的な恐ろしさを理解できないまま、復権を肯定的に受け入れているように見える。

 しかし真実は、原発社会に戻すなら、放射能汚染によって子どもたちの未来は存在しない。

 この意味を、具体的に説明したい。

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 以下は、原子力資料情報室の情報を土台に、私見を交えて説明する。ちなみに、私は放射線取扱主任者やプラント非破壊検査の各種資格を20種類ほど所持していて、原発問題についての知識が多い。(有効期限切れが多いが)



 原発反対運動に参加して、すでに半世紀近いが、既存の学者を中心とした反原発運動には、強い疑念を抱いている。理由は、多くの学者が、一人の人間としてよりも、学者としての利権・利害を優先させているように思えるからだ。

 この意味で、原子力情報資料室の姿勢に無条件に賛同しているわけではない。



 原子力に頼らない社会をめざす「10の理由」

 https://cnic.jp/knowledgeidx/why



 脱原発とは、その名の通り「原発(原子力発電所)のある社会から脱け出すこと」。でも、私たちは、なぜ、脱原発を目指さなければならないのでしょうか。数ある答えの中でもCNICが特に重要と考える、脱原発の「10の理由」をお話します。



 1. 放射能災害の危険性がある。

 原子核の核分裂反応を利用して電気をつくる原発では、反応のコントロールに失敗するとチェルノブイリ原発で起きたような爆発事故が発生します。また原子炉を冷やすことに失敗すれば、福島原発で起きたようなメルトダウン事故も起きてしまいます。これら原発の大事故は、寿命の長い放射能を大量に放出するため影響が長く続き、甚大な放射能災害をもたらします。

 このまま原発の運転を続ければ、地震や津波、人為的ミスなどさまざまな原因によって、またいつ次の大事故が起きても不思議ではありません。



 (アマ註)原発核燃料は、核分裂を起こすと、際限なく温度が上昇する。冷却せずに放置すれば数百万度のプラズマになって巨大爆発を起こす。(フクイチでは5000度で原子炉を破壊し、地面深く溶け落ちてチャイナシンドロームを起こした)その核分裂燃料棒に冷却材を循環させて熱を発電用タービンに持ち出すことで核燃料の溶融、プラズマ化を防いでいる。

 だが、核燃料被覆管は中性子に反応しにくいジルカロイ合金から作られていて、その耐熱温度はジルコニウムが1800度程度であるのに、ジルカロイ合金は1300度程度、また、水素との親和性が高く、わずか900度程度の蒸気(ボイド)環境において、解離水素が発生し、水素爆発を引き起こす可能性があるとされる。



 だから、「原発メルトダウン」と聞けば、私は反射的に「水素爆発」と考える。問題は爆発要素としての酸素の供給で、普通は、耐圧・格納容器の溶融破損部分から侵入する。

 フクイチ事故では、冷却水喪失(地震の揺れによるジェット計測ノズル折損)から、わずか3時間程度でメルトダウンを引き起こしたと評価されている。



 「福島第一原発は津波が来る前に壊れていた」元東電社員“炉心専門家”が決意の実名告発〜木村俊雄氏「事故原因は”地震”だった」「福島第一原発は津波が来る前に壊れていた」元東電

 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5827868.html



 核燃料被覆管の耐熱温度は、超高圧蒸気環境で900度以下しかなく、しかも、運転中温度は300度前後であって、メルトダウンまでの受容温度範囲は、わずか数百度しかないギリギリの綱渡り運転になる。

 制御棒が引っかかって入らない状態で熱暴走すれば、数時間でメルトダウンが始まるので、ECCS緊急炉心冷却装置が作動することになる。



 もしもフクイチ事故のように、津波による全電源喪失が起きれば、わずか数時間で、環境に膨大な放射能汚染を引き起こすことになる。

 その放射能は、世界中の胎児に致命的障害を与え、死産・流産を発生させ、乳児などの若い細胞を破壊し、莫大なヨウ素131が福島のように若者たちの甲状腺に入って2000倍もの甲状腺癌を引き起こす。



 そして、セシウムなどの放射能が内部被曝によって人々の循環器に入って心筋梗塞や大動脈解離を引き起こして殺害し、癌白血病を激増させ、さらに7世代以上にわたる遺伝障害をも引き起こす。

 これほどの恐ろしい結果を招く発電システムは、原発以外に存在しない。



 原発は、核開発の隠れ蓑として「平和利用」を口実に行われているが、その本当の狙いは核兵器開発であるともいわれている。

 日本では、正力松太郎の導入した東海原発は、発電を口実にしていたが、実際には核兵器用プルトニウム生産を目的にしていた。

 原発核廃棄物からのプルトニウム精製のために六ヶ所村再処理工場が作られたが、失敗続きで稼働できる目処は未だに立たない。



 2.放射性廃棄物という「負の遺産」を発生させる。

 もし仮に大事故は防げたとしても、原発を動かしている限り、さまざまな放射能のごみが大量に発生し続けます。それら放射性廃棄物の中には10万年以上も隔離が必要なものも存在し、このままでは後世にゆだねる「負の遺産」がますます増える一方です。未来の負担、子孫の負担を少しでも小さくすることを、私たちは真剣に考えなくてはいけません。



 (アマ註)再稼働の原発すべてでMOXプルトニウム燃料が使われているが、これは極めて危険な核暴走事故を起こしやすい燃料で、だから世界で日本しか使っていない。正常運転と事故暴走との距離が近すぎて、制御不能になりやすいのだ。

 しかも、使用済み核燃料の「崩壊熱」が極めて高いので、地質処分といわれる100度以下での永久保管まで、500年間も地上の冷却施設で冷やし続けなければならない。



 500年間安定政権が続いた例は人類に存在しない。もし国が崩壊したなら、新しい政権が、前政権下での核廃棄物冷却事業を継続できる保証はまったくなく、放置されるなら、キャスク劣化によって、数ヶ月で莫大な放射能が環境を汚染し、人類の未来を閉ざすことになる。



 3.核拡散の危険性がある。

 原発も原爆も燃料は同じで、「ウラン」または「プルトニウム」です。原発の燃料である「低濃縮ウラン」をつくる作業を繰り返せば、原爆の燃料である「高濃縮ウラン」は容易に手に入ってしまいますし、また原発の使用済み燃料に含まれる「プルトニウム」は再処理工場で取り出すことが可能です。

 したがって原子力発電を続ける限り、新たに「核兵器国になろう」とする国や、「高濃縮ウランやプルトニウムを奪って核爆弾をつくろう」とする集団が現れることを防げません。またこれらの動きを封じ込める名目で「核管理社会」化が進めば、人権が制限され、危険を知るための情報も隠されて、充分な備えのないままに原発事故が起きてしまう可能性も否めません。



 (アマ註)原発核廃棄物で核爆弾が作れないという推進側の説明は悪意のデマである。実際には、臨界条件さえ揃えば核爆発が起きるので、威力は弱くとも、放射能汚染の巨大な威力を持った「汚い核爆弾」作ることができる。

 https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20211102/se1/00m/020/056000c



 もしも、ISISのようなテロ組織に、私程度の知識を持った人間がいれば、核廃棄物を奪うだけで、超絶的威力の「汚い核爆弾」を全人類を絶滅させられるだけの量、製造できる。

 (ただし、製作に携わった者は被曝死するが、「アラーアクバル」と叫んでいれば、天国に行けるのだから喜んでやるだろう)



 4.事故がなくても、労働者の被ばくをともなう。

 原発の中では、元請け−中請け−下請け−孫請け−ひ孫請けと何重にも差別された多くの労働者が働いています。そして被ばく全体の95パーセント以上が、「電力会社の社員以外」の人たちの身体で起きています(平常運転時)。

 原発だけでなく、ウランの鉱山や使用済み燃料の再処理工場においても、大勢の人たちが放射線を浴びながら働いています。労働者の被ばくなくして、原発は動かないのです。

 (私が放射線作業に従事していたとき、フィルムバッジは、すべて没収され結果も知らされなかった。ミスでX線を被曝させられたとき、私にその事実は知らされなかった)



 5.関連施設にも、大きな危険や問題がある。

 原子力発電では、ウラン鉱石を掘り出し燃料を製造する施設や、放射性廃棄物のあと始末をする施設など、いわゆる核燃料サイクルの関連施設が数多く必要となります。

 これらの施設も原発同様で、さまざまな事故の危険性を抱えており、労働者が被ばくし、また放射能のごみを大量に発生させています。



 (アマ註)人形峠再処理工場が稼働した周辺では、心筋梗塞・心不全・癌死が大きく増えていた。六カ所村再処理工場の周辺も、凄まじい結果になっている。私のブログに書いたが、肝心のデータが消されてしまったので、いずれ再アップする。

 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5828335.html

 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5349132.html



 6.地域の自立や平和をそこなう。

 原発の立地自治体では、電源三法交付金などにより財政が一時的にうるおうため、これに依存することにより地域の経済的な自立が妨げられます。また、地域住民の間にそれまで存在しなかった「賛成」「反対」の対立を持ち込むことも、たいへん大きな問題です。

 (アマ註)核廃棄物貯蔵施設をめぐっては、地元の金欲しいだけの馬鹿為政者の無知につけこんで、いずれ地域を取り返しのつかない放射能汚染にさらし、大熊町や双葉町のように永久に人が住めなくなるのに、札束で地元有力者をひっぱたいて、核廃棄物保管施設を誘致させようとしている。

 http://ksueda.eco.coocan.jp/waste0701-2.html

 核廃棄物の高レベルキャスクは、500年間地上冷却が必要だが、もし全電源喪失すれば、数十日で劣化して莫大な放射能を環境に放出し、地域を永久に居住不能にしてしまう。



 7.常に情報の隠ぺいやねつ造などが、つきまとう。

 原発をめぐる産・官・学の特定の関係者の間で「原子力ムラ」と呼ばれる風土が形成され、オープンな議論ができない環境ができあがっています。科学や技術の分野には批判的精神が不可欠ですが、研究費や人事を通してそれらが損なわれ、原子力の研究にかかわる大学や研究者には利益相反の疑いも生じています。



 (アマ註)、これまで電力会社が、原発について真実を述べたことが一度でもあったか?

 原発放射能は、すべての関係者をうそつきに変える。真実を話せば、存在できなくなるから。



 8.省エネルギーに逆行する。

 原子力自動車や原子力ストーブが存在しないように、原子力はほかのエネルギー源と違って、電気の形にしなくてはエネルギー利用ができません。しかも発電時のロスはきわめて大きく、発生した熱の65パーセント以上が温排水として海に捨てられてしまいます。

 また原発は、電力需要の変化に合わせて出力を変えられないため、出力調整用の発電所が必要となります。つまり原発を動かすために、火力、水力などの発電所が余分につくられてしまうのです。このように原子力はエネルギー源としてたいへん無駄が多く、省エネルギーに逆行する存在なのです。



 (アマ註)原発は定出力運用しかできないので、必ず出力調整用火力発電と揚水発電所が必要になる。巨大な送電インフラと併せて、その二酸化炭素放出量は、既存のいかなる発電システムより大きくなる。



 9.実は、温暖化をすすめる。

 上で説明したように原発を増やせば、ほかの発電所も増えてしまいます。したがって原発が火力発電所よりもCO2を出さないとしても、原発のある社会では火力発電所も必要とするため、最終的にCO2を減らすことは叶わず温暖化を止めることもできません。それどころか、CO2の削減に最も効果的な「省エネルギー」に逆行する原発は、むしろ温暖化をすすめる存在です。原発に膨大な予算が注ぎ込まれることで、私たちの社会は、より有効な温暖化対策に使うべきお金を失っているのです。



 (アマ註)国内54機の原発は、年間琵琶湖7杯分の7度高い温排水を海に流す。これがフクイチ事故まで30年間続いた。これだけの温排水は、完全に海水と温度平衡するまで10年以上もの時間がかかり、長期にわたって海水温上昇による気候変動を引き起こす。



 10.実は、大停電を起こしやすい。

 大きな地震などがあると、多くの原発がいっせいに止まってしまうことがあります。そしていったん停止した原発は、再稼働するまでに多くの時間がかかります。また電力消費地から遠く離れた場所にしか建てられない原発には、長距離の送電が必要となります。そのため電圧や周波数の維持が困難になり、送電が止められてしまうこともあります。このように原発は、安定的な電力供給どころか、大停電につながる要因を数多く抱えています。原発の占める割合が大きいほど、止まれば大停電になりかねません。



 以上、まだ書きたいことが山ほどあるが、長くなりすぎたので、いったん止める。