福島第一原発放射能汚染事故から12周年記念日を前にして、今回は、「放射能から子供を守る企業と市民のネットワーク」から引用する。

 http://hokinet.jp/69.html





 原発は、燃料のウランを掘り出すところから自然を破壊し、環境を放射性物質で汚染しています。放射能の怖さを知らされていないウラン鉱山労働者には肺がんが多発し、その子どもたちにも病気が多くなっています。



 (アマ註) 東電フクイチ事故で、莫大な放射能が環境に放出されたが、すべてのアイソトープが呼吸内部被曝によって肺癌のイニシエータとして作用する。とりわけ、プルトニウムXは強烈なアルファー線エネルギーによって肺胞細胞を激しく痛めつけるが、肺癌が宿主を攻撃して死に至らしめる潜伏期間は長く、10〜40年と考えられている。コロナ感染により間質肺炎を起こした人は早い可能性がある。

 12年を経たフクイチ事故で、放射能汚染の結果として肺癌が主役になるのは、これからであり、おそらく今世紀いっぱいは肺癌が激増する疑いが強い。



 さらに、ウラン鉱山からの廃液やウラン鉱石を掘り出した後の精錬や濃縮といった核燃料に加工する工程でも放射能汚染が広がって、周辺住民にさまざまなガンや白血病、先天性異常などが多発しています。ウラン鉱山の多くは先住民が住む地域にあり、カナダやアメリカ、オーストラリア、インド、アフリカなど世界各地で健康被害が広がり、その賠償やウラン採掘の中止を訴えています。



 原発は日常的に放射性物質を空や海に放出しているため、原発周辺の住民に健康被害が出ています。

 2007年にドイツ環境省と連邦放射線防護庁は、原発周辺5km圏内に住んでいる5歳以下の子どもは、小児がんの発症が全国平均の1.61倍、小児白血病は2.19倍という疫学調査の結果を公表しています。フランスや米国、韓国の研究所でも疫学調査が行われ、いずれの調査でも原発に近いエリアほど病気が増えていると報告されています。



 アメリカでは「原発が止まって乳児死亡率が54%減少した」という報告もあります。つまり、原発が稼働しているときは、赤ん坊がたくさん亡くなっていたということです。そして、日本でも年々増加している乳がんに関する疫学調査で、原発が多い地域と乳がん死亡者が増加している地域が重なっているという重要な報告があります。 

 下の図は、統計学者のJ.M.グールドがマッピングした調査結果で、色の黒い部分は乳がん死亡者が増加している地域





genpatu01



 High Risk Counties Within 100 Miles of Nuclear Reactors

 グールドはこの分布結果に、ある法則性が存在することに気づいた。それは次の図を見て頂ければ一目瞭然である。





genpatu02



 上図は、全米に設置されている原子力発電所104箇所の所在マップである。

 

 韓国では原発の周辺で甲状腺がんが多発していて(原発から5km以内の女性住民の甲状腺がん発生率は一般の2.5倍も高い)甲状腺がんになった女性が裁判を起こして勝訴し、甲状腺がんの発症に対する責任が原発にあるという判決が出ています。

 

 海の生態系 

 原発が稼働するとすごく高温になるため、海水を吸い上げて原子炉を冷やし、その結果7℃も熱くなった海水をまた海に戻すのですが、海の生き物にとって7℃温度が上がるというのは大変なことです。地上にいる我々にとっても気温が7℃上昇するというのは大問題ですが、海水温が1℃上昇するというのは気温の3〜4倍の影響を海の生物に与えるのに等しいそうです。

 しかもその温排水の量が驚くほど大量で、原発1基で1秒間に70トンもの温排水を海に放出します。

 

 原発事故以前は、日本にあった54基の原発全体から1年間に放出される温排水の量は1000億トン(日本全土に降る雨の総量が年間6500億トンで、そのうち河川に流れるのは4000億トン)。つまり原発は、日本の川から海に流れる水量の4分の1に相当する量を7℃温めて海に戻しているのです。そして、電力会社は決められた基準も守れないことが多く、温度データの改ざんを繰り返し行ってきました。

 

 もう一つ重要なのが、海水を吸い上げる時に一緒にプランクトンや魚の卵、稚魚などの生き物を吸い上げてその多くが死んでしまうという問題です。この問題もあまり報道されていませんが、原発事故のあと5年ほど原発を停止していたことで、周辺の海洋環境が劇的に改善されてきています。

 

 「使用済み核燃料」「放射性廃棄物」

 いま日本では、使用済み核燃料を再処理するやり方で進めてきています。幸いに、青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場がうまく稼働しないために、試運転したあとは止まったままですが、再処理工場が本格稼働し始めると、原発が一年間に放出する放射能の量を1日で放出すると言われてます。つまり、再処理工場は「原発365基分ほどの放射性物質を放出する」ということです。

 (アマ註)六ケ所村再処理工場が稼働すると何が起きるのか?

 2006年からわずか三年間の稼働で、青森県は日本一、癌と心臓病でたくさんの人が死ぬ県になった。工場周辺での心筋梗塞死亡率は、全国平均の2〜4倍である。

 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5349132.html



  米国でがんを引き起こしたと指摘されているトリチウムという放射性物質は、大気中に年間1900兆ベクレル、海には1京8000兆ベクレルも放出します。それ以上に放出するのが、クリプトン85という放射性物質で、大気中に年間33京ベクレルも放出します。ものすごい放射能の量です。

  (アマ註)クリプトン85は、使用済み核燃料キャスクが劣化すると最初に噴出するもの、普段でも原発からもっとも大量に出てくるβ線放射能だ。以前は、化学反応性のない気体だから無害と考えられていたが、今では、ホジキン病や皮膚癌の原因となると指摘されている。

 https://ameblo.jp/pochifx/entry-11351014913.html





genpatu03





 

 そして、100万年も毒性が残る放射性廃棄物の問題です。

 元京都大学原子炉実験所の小出裕章さんは、放射性廃棄物という言い方をされません。「廃棄できないものだから」放射性毒物とか廃物という言い方をされます。『10万年後の安全』という映画がありますが、アメリカのユッカマウンテンという廃棄物処理場をめぐる裁判の判決では、100万年の管理が必要だという判決がおりています。

 (アマ註)再稼働原発の燃料は、すべてプルトニウムMOXであり、廃棄燃料はウラン燃料に比べて桁違いの崩壊熱を持って、500年にわたる地上プールでの冷却が必要になるが、500年間の安定政権は、歴史上存在しない。

 100度以下の非沸騰温度になって、はじめて地層処分が可能になるが、そこから数十万年の管理が必要になる。だが、マントル対流による地殻変動のため、地球上に数十万年間安全を保てる地層は存在しない。

 被曝労働

 原発で働く人たちも被ばくしています。原発というものは被曝労働がなければ、稼働させたり検査したりすることはできませんが、原発で働く「被ばく労働者」の皆さんは、放射線の本当の怖さを知らないまま働いています。そして、被曝する放射線量は、電力会社の社員よりも下請け、孫請け、ひ孫請けといった会社に雇われた人たちの方が多くなっています。

              (画像は朝日新聞から拝借)

genpatu04





genpatu05







 

 2016年10月現在で13人が白血病や悪性リンパ腫で労災認定を受けています。被ばく線量が最も低くて労災を認定された人は、5ミリシーベルトで認定されています。2015年10月には、福島原発の事故処理作業員が白血病になり、事故処理作業員として初めて労災認定されています。



 安倍晋三政権は、日本国民への許容量を児童・乳児・胎児にまで年間20ミリシーベルトと定めた。これは、日本国民全部が被曝すると、年間32万人もの人々が被曝死するジェノサイド線量である。

 https://ameblo.jp/tokaiama20/entry-12715099579.html







 厚労省は、1976年に定めた原発労働者の白血病に関する労災認定基準の「年5ミリシーベルト以上被曝して、発症まで1年超経過していること」に適合しているとして、福島第一原発の事故処理作業員が白血病になったことを労災と認定しました。

 ここで、私たちが思い出さなければならないのは、原発事故前は「(放射線業務従事者ではない)一般人を年1ミリシーベルト以上被ばくさせてはならない」という法律があったにもかかわらず、そして、5ミリシーベルトの被ばくで白血病になった原発作業員が労災と認定されているにもかかわらず、原発事故から5年以上過ぎても国は 「年20ミリシーベルト 以下は健康に影響はない」と勝手に決めて、汚染地に住民を戻す政策をとっていることです。



  原子力規制委員会という原発を「規制」すべき組織が、安全基準を20倍にゆるめることで原子力を「推進」しています。

 赤十字社の原子力災害時における医療救護の活動指針でさえ、一般住民の年間限度 1ミリ シーベルトを超えない範囲で活動すると決めており、累積被曝線量が1ミリシーベルトを超える恐れがあれば、安全な地域に退避すると決めています。

 福島県では、甲状腺がんと心臓病が増え続けています。小児甲状腺がんは、これまで年間100万人に1〜2人の発症率でしたが、原発事故の後、福島県の子どもたち約38万人中135人が甲状腺がんで手術しており、がんの疑い39人も含めると174人にもなっています。(2016年6月現在)



 (アマ註)2022年12月現在、福島の未成年甲状腺癌患者は、30万人中320人を超えた。これは原発稼働前、1950年代の100万人中0.5名の2000倍に相当する。

 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5994252.html

 成人は未成年よりも甲状腺癌発症が遅れ、潜伏期間が10年以上なので、これから成人甲状腺癌が激増することになる。

 2016年9月の国際会議で、<福島県立医大で手術が行われた125例中、リンパ節転移が97例(78%)、肺などへの遠隔転移が3例、手術後の再発患者も出ている>と発表されています。

 甲状腺がんは、子どもだけの問題ではありません。大人を含む「甲状腺がんの手術数」が、福島県は全国で一番増えています。2010年度と2013年度の比較で九州1.1倍、関東1.6倍、東北 2.2倍、福島 2.8倍に増加しています。2014年度はさらに増えています。

 チェルノブイリで多発した心臓の病気も増えています。急性心筋梗塞と慢性リウマチ性心疾患の死亡率は、全国平均の2.5倍以上になっています。(どちらも全国ワースト1)

 





genpatu06




 こうした状況がある中で政府は、汚染地に住民を戻そうとしているのです。

チェルノブイリでは、原発事故から5年後に「チェルノブイリ法」を制定し、年間被ばく線量が5ミリシーベルト以上の地域は「強制移住区域」とされ、1〜5ミリシーベルトの地域は「移住選択区域」として住民に移住の権利が与えられ、移住しやすいように様々な補償がされました。



 (アマ註)ロシア・ウクライナ・ベラルーシ三国の「チェルノブイリ法」では、セシウム137が平米55万ベクレル(土壌1Kgあたり8500ベクレル)以上の汚染地では、住民は強制退去させられる。平米18万ベクレル以上では、移住権利が保証される。

 福島県の半分が、強制退去地域に該当するが、日本では「絶対安全」として、住民に帰還を強要している。



 日本は、未だに「20ミリシーベルト基準」を撤回せず、原発事故が起きる前の被ばく限度基準(年間被ばく量が1ミリシーベルト)を超える汚染地から移住した人を「自主避難」と位置づけ、「最後の命綱」である住宅の「支援」まで打ち切ろうとしています。

 ***************************************************

 引用以上

 私が2011年11月に、はじめて飯舘村を訪れたとき、4台持参したガンマ線測定器が全部、オーバーフローによってフリーズした。

 このときの土壌は、キログラムあたり、50万ベクレルを超え、空間線量は毎時100マイクロシーベルトを超えていた。

 2023年現在、放射能は76%残存しているが、20センチ沈降したので、土壌遮蔽によって、一見線量が減っているようにみえる。

 だが、その深さに植物が根を下ろしているので、作物がセシウムを吸収し続け、人々がそれを食べて被曝し続けているのだ。



 参考記事

 シェーナウからのメッセージ:原子力に反対する 100 個の十分な理由

 http://post-311.blogspot.jp/2012/04/100.html

 ウラン鉱山による巨大な被曝

 http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Ningyo-toge/Ugoki.html

 インド東部ジャドゴダ・ウラン鉱山の村

 http://www.morizumi-pj.com/jadogoda/jadogoda.html

 ウラン採掘の段階から、世界の先住民族は核被害を受け続けている

 http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-6885

 苦難の先住民 インド・ジャドゥゴダ・ウラン鉱山

 http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/genpatu/india/nnaf-ind.pdf

 燃料とウラン採掘

 http://100-gute-gruende.de/pdf/g100rs_jp.pdf

 原子力発電所周辺で小児白血病が高率で発症

―ドイツ・連邦放射線防護庁の疫学調査報告―

 http://www.cnic.jp/modules/smartsection/item.php?itemid=122

 「原発周辺で子どもの白血病が倍増」 フランス国立保健医学研究所

 http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-8961

 原発が止まると乳児死亡率が激減

 http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-3497

 原発が多い地域と乳がん死亡者が増加している地域が重なっている

 http://blog.goo.ne.jp/ha…/e/2fbf60a0c01ac3c3940fc632ae2a030b

 韓国では、原発の周辺で甲状腺がんが多発

 http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-18286

 甲状腺がんの発症責任が原発にあるという判決

 http://oklos-che.blogspot.jp/2014/10/

 原発を冷やすために海水を吸い上げる時、一緒にプランクトンや魚の卵、稚魚などの生き物を吸い上げてその多くが死んでいる

 http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-2136

 原発停止で温排水も止まって 周辺の海洋環境が劇的に改善

 http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-15842

 原発が一年間に放出する放射能の量を1日で放出する再処理工場

 http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2137.html

 米国でがんを引き起こしたトリチウム

 http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-8421

 10万年後の安全

 http://www.uplink.co.jp/100000/

 米国で環境保護庁がユッカマウンテン放射線防護基準の連邦規則最終版を公表−1万年から100万年までの放射線防護基準は1ミリシーベルト

 http://www2.rwmc.or.jp/nf/?p=1143

 原発労働者のガン 5ミリシーベルトで労災認定

 http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-5238

 原発労働被曝で労災認定、悪性リンパ腫では全国初

 http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-645

 福島原発事故の作業員が白血病 初の労災認定・厚労省

 http://hokinet.jp/22.htmlTwitter