若い頃からコーヒーの生豆を手網焙煎していた。たぶん数十回程度だから、たいした経験値ではないが、市販コーヒー豆のひどい値上げにうんざりして、生豆焙煎を再開することにした。
昨年、家庭用ロースターを買った。
https://www.amazon.co.jp/dp/B082KG526S?tag=mybest_presses_2112-22
今見たら、昨年買ったときより千円くらい高くなっている。
しかし、安いので、たぶん中国製だと思う。もう20回くらい使ってみて普通に使えるが、問題点としては、そのままでは振動によって蓋が勝手にスライドしてしまい、豆がこぼれだしてしまうので、ナイフを使って蓋板を重ね合わせるように押し込むと、なんとか開かないように使うことができる。
中国製は100%完璧を求めるのは無理なようだ。
生豆は最初、名古屋の大須にある老舗の松屋から通販で買った。
https://matsuyacoffee.shop-pro.jp/
モカが好きなので、エチオピア・シダモG2=5Kg、7506円を購入したが、いろいろな焙煎方法を試しても、どうしても苦味が取れない。イタリアンまで焼いても苦味が取れないので、農薬のせいではないかと疑って松屋にメールしたら、ロットのせいだと回答があった。
実は、コーヒーは農薬を多用することで知られていて、モカは特にひどく、虫食いのほとんどない豆は、たぶん大量の農薬を使っているはずだ。
http://coffee-chikara.jp/archives/173
モカの生豆は本来、物凄い虫食いが普通で、30年くらい前のことだが、風味を求めてハンドピックという「より分け」をすると、3割くらい捨てなければならないことも珍しくなかった。
ところが、エチオピアシダモでは虫食いがほとんど見当たらなかった。だから、こんな豆は選ばないほうが安全だ。
そこで、農薬を使わないタテマエのオーガニック栽培の生豆を探して、「豆の木」という販売店をネットで見つけた。
https://www.mvcoffee.net/
モカに似た風味で、やや酸味があり、高所での無農薬栽培を探したのだが、かなり前だが、東チモール産コーヒー豆が優れているという情報を聞いたことが記憶にあった。
https://coffee.ooaks.co.jp/coffee-beans-from-east-timor
東チモールはインドネシアの一部といってもいい地域だが、日本と決して無縁ではなく、今から十数年前、長浜市にお住まいのSさんから、東チモールにおける農業援助の詳細を伺ったことがあった。
Sさんは、当時すでに80歳代だったので、今生きていれば100歳近いはずだが、その後の連絡は途絶えている。
http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5992016.html
Sさんは、東チモールでの無農薬無肥料無耕起栽培によるマンゴーなどの果樹栽培に成功され、素晴らしい成果を挙げたのだが、うまくゆき始めると、現地の権力者が強引に介入してきて、農園を乗っ取られて、成果をむしり取られて追放された。
同じことを、若い頃から移民したサンパウロでも経験されていたので、淡々と語られていた。Sさんの親は、芦屋の苦楽園を最初に開発された方だと聞いている。
何一つ不自由のなかった大金持ちのボンボンが、冒険を求めてブラジルに移民したのだ。
奇しくも、ブラジルも東チモールも、ポルトガルの侵略者によって苛烈な奴隷的植民地支配を受けていて、Sさんの本当の敵は、ポルトガル支配だった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AB
その東チモールにおけるコーヒー豆栽培も、1815年に、ポルトガル人提督がブラジルから持ち込んだものだったので、元株はたぶんブラジル豆だったと思われる。
https://pwshop.ocnk.net/page/30
1000m以上の高所は住みやすい気象で、アラビカ種が栽培されていて、ほぼモカやキリマン、超高級種のブルーマウンテンに生育条件が似ている。夢見るように素晴らしい香りと軽い酸味が特徴だ。
私のような嗅能力が劣化した者でも、何か特別な雰囲気を感じる。
私のような貧乏人にとって、いろいろな豆を調べることはカネがかかるので、実は私の焙煎経験のある豆は、モカやブラジル、マンデリンなど数種類にすぎないから詳しいわけではないが、東チモール産の豆には、なんともいえないさわやかな香気を感じる。
昔あった香り高いコーヒーアメに感動したときの記憶が蘇った。
私の購入した豆は、110457320 EAC005 東ティモール コカマウ組合 5kg農薬不使用 8,911円 だから安い方なので、それが良いのか悪いのかは分からないが、自分での焙煎後、飲んでみて、ほぼ満足している。
焙煎は、人によってずいぶん違いがあり、また気象条件などでも差が激しいので、これといったマニュアルは、自分で経験的に見つけ出すしかない。
私の場合は、上の方で紹介したロースターに200グラム前後の生豆を入れて、約40~100分ほど中火で焙煎する。
昔は手網で、30分以上揺らし続けていたので、ロースターは楽ちんでいい。それに焼ムラがほとんど出ないので、もう手網には戻れない。
強火で焼くと、最期には煙が上がって豆が焦げて苦味がひどいので、ゆっくり中火で焼くが冬場は時間がかかる。凄い臭いが出るので、室内で焼くのは無理だ。部屋中に臭いがこびりついてしまう。
春になれば、たぶん40分前後で焼き上がる。
https://dig-it.media/lightning/article/594837/
コーヒー焙煎のプロセスには、二段階のハゼ音が出る。
火入れから10分程度でチャフという薄皮が飛び出してくる。20~30分くらいで最初の1ハゼ音がブチブチという感じで鳴る。30~40分程度(冬場は一時間以上かかることもある)で大量のチャフとともに、バチバチと音が出て、2ハゼが始まるが、このとき、すでに中煎り段階であり、アメリカン・ミディアム・ハイ・シティロースト段階に達してしまっていることもある。
https://www.alt-coffee.com/coffee8roast.html
煙が出てくると、すでに豆は焦げ茶色になっていて、フルシティローストに近く、これ以上焼かない方がよい。ただしイタリアンやフレンチは別だ。
名古屋の水主町にあるブチョーコーヒーは、フレンチローストになるまで2ハゼを過ぎても焼く。
シティ・フルシティで飲むことが多いが、この場合、2ハゼ音が収まって煙が出ていたら、ただちに火を止め、うちわで扇いで、豆を冷やさないと、どんどん焙煎が進行してしまう。
私は、火を止めてロースターを回転させた状態で、ハンド送風機を使って10分ほど空冷する。
その後、付属品のステンレス容器に移して冷ます。
他人にあげるときは、100円ショップで、プラスチック製の2リットルくらいのツボ容器を買ってきて入れてから送ってあげればよい。宅急便でも壊れることがない。
まだ、ロースター焙煎を始めて20回くらいの経験しかないので、偉そうなことは言えないが、自家焙煎の良さは、焼き上がり鮮度にある。
私は以前は、購入した豆を電動ミルで挽いて出していたが、今は、3000円くらいのハンドミルに換えた。電動ミルは不均一な挽き豆になることが多く、手挽き豆の方が均一になる。何よりも、回すときの抵抗で、焙煎具合が手にとるように分かるから成否を確認しやすい。硬すぎるときは焙煎不足だ。
もちろん粗挽きにする。細かいとドリッパーの目が詰まって降りにくいし、雑味渋味が出て美味しくない。ホテルコーヒーは、相当な粗挽きが多い。
粗挽きでも、自分焙煎では必ずドリッパーに大きな饅頭ができる。この饅頭の盛り上がり具合がコーヒーの良し悪しを定める。
饅頭の大きなコーヒーは切れ味が素晴らしく、おもわず「うまい!」と叫んでしまう。
市販の挽き豆は、時間が経っているので饅頭が小さいものが多く、なかには、まったく饅頭ができないものさえある。こんなコーヒーにはまるで切れがない。
自家焙煎の妙味は、ドリッパーにこの大きな饅頭を成立させることである。
湯は、85度程度が良い。90度以上だと、やはり雑味渋味が出やすく、香り落ちも早いので美味しいコーヒーにはならない。日本茶を出すのと同じだ。
私は温度計で85~90度を守るようにしている。水はうちの井戸はうまいがヒ素の心配があるので、市販ペット水(長良川河畔)を使っている。
加温は、専用ポットをIHヒーターにかける。時間調整ができるので一定の湯温を得やすい。それに直火だとカリタポットは銀蝋が溶けてしまった。今は三条パール製だ。
ドリップは、湯口から細く出した湯を、ぐるぐる回すようにゆっくり注ぐ。
このとき、静かに入れないと、やはり雑味が出やすい。
飲むときは、ブラック専門だ。コーヒー屋では砂糖を入れるが、それは切れがないからだ。自分で焼いた新鮮な饅頭コーヒーは、何より喉奥の切れ味を楽しみたいので、砂糖もミルクも入れない。
コーヒーは心臓病をはじめとする成人病に著効があるといわれる。
https://www.youtube.com/watch?v=Fo8y26r-tVM&ab_channel=DrIshiguro
https://www.youtube.com/watch?v=9OabHljZO0A&t=497s&ab_channel=%E3%81%82%E3%81%BE%E3%81%8C%E5%8F%B0%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%9F%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF
実は、私が、このブログを書いていられるのも、コーヒーのおかげだと思っている。コーヒーを飲まなければ、頭がぼーっとして回転せず、とてもじゃないが文章など書けない。
毎朝、新鮮な自家焙煎コーヒーを飲むことで、はじめてパソコンに向き合って、いろいろなアイデアが湧き上がってくる。
問題としては、夜、目覚めるともう寝られなくなることが多く、もしかしたらコーヒーのせいかもしれないと思う。
こんなときは酒や葛根湯の力を借りて寝る。漢方の芍薬成分も効果がある。
これは、私にとって数少ない人生の贅沢かもしれない。毎日2~3杯ほどのコーヒーのおかげで、心臓の調子も悪化せずにすんでいる。
腎臓や肝臓も悪いのだが、これに効いているかは分からない。間質性肺炎の回復には、残念ながら寄与していないような気がする。
帯状疱疹後遺症が一向に治らないのは、もしかしたら癌細胞があるのかもしれない。
まあ、コーヒーの自家焙煎も、認知症対策として効果がありそうな気がしているので、暇な人はやった方がいいかもしれない。

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