今国会で、ほとんどまともな審議もないまま、日本を破滅に導く恐ろしい法案が次々に可決されている。

 野党といっても、維新も公明も、立憲も国民もすべて第二自民党ばかりであり、社民党やれいわも抵抗する実力を持たないから、やりたい放題だ。



 原発政策の大転換なのに…拙速な審議、再生エネなど5本の「束ね法案」が衆院で可決 東京新聞 2023年4月28日

 https://www.tokyo-np.co.jp/article/246711?rct=politics

 以下引用



 原発の60年超運転を可能にする束ね法案「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法案」が27日、衆院本会議で自民、公明、日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決された。

 法案は原子力規制や再生可能エネルギーに関係する5本の法律をまとめて改正するもの。原子力政策の大転換となるのにもかかわらず、審議は不十分なまま1カ月足らずで衆院を通過した。参院で議論が深まるかも見通せない。



 ◆原発「60年超運転」にも答弁あいまい

 焦点となった原発の60年超運転。束ね法案のうち経済産業省が所管する電気事業法で、新たに運転期間の規定を定めた。「原則40年、最長60年」とする枠組みは維持した上で、再稼働審査や行政指導などによる停止期間を運転年数から除外、その期間分について60年を超えて運転ができることになる。どういうケースが除外に該当するのか。衆院経済産業委員会で質問が相次いだが、政府側はあいまいな答弁に終始した。



 審査が長期化している原発のほとんどは、電力会社側の説明不足や資料不備が指摘されている。電力会社の能力不足で停止期間が長くなっても、将来的な運転期間が延びるのか。この疑問に、政府側は「具体的な運用は、法改正後に決める」「電力会社からの申請内容を踏まえ、個別に判断する」などと述べるにとどめた。



 ◆委員会の議論は25時間 課題の掘り下げは…

 新制度では、延長運転の可否や期間は経産省が審査し認可するようになる。どのような基準で審査し、その過程は公開されるのかについても「今後の検討」とされた。

 束ね法案になったことで再エネや廃炉、放射性廃棄物の最終処分など広い分野で多岐にわたる質問が出たが、経産委での議論は計7日間の25時間余り。一つ一つの課題を掘り下げることはなかった。



 ◆「法改正の中身を分かりにくくすることが本質」

 原発の60年超運転のほか、原発活用による電力安定供給を「国の責務」と原子力基本法に明記するなど、東京電力福島第一原発事故後に抑制的だった原子力政策は、一気に推進へとかじを切る。昨年7月に岸田文雄首相が原子力政策で「政治決断」が必要な項目の検討を指示してからわずか9カ月で、参院での議論を残すだけになった。



 17日には、環境や法律の専門家ら20人が記者会見した。礒野弥生・東京経済大名誉教授は5本の法案を束ねた手法に対し「国民にとって法改正の中身を分かりにくくすることが、政府の意図の本質だ」と批判。

 「福島事故後、国民は原発推進に重きを置くことを納得していない。それなのに対話や議論することもなく、国民を無視して政策転換をする政府の姿勢は許されない」と憤った。

*******************************

 引用以上



 政府が今国会で「束ね法案」とするのは、原子力基本法、電気事業法、原子炉等規制法(炉規法)、再処理等拠出金法、再生可能エネルギー特別措置法の改正案5本。



 電気事業法の改定中身は、原発新設や維持について、地元住民の意思だけでなく、消費地住民の意思を採用するということで、この意味は、地元でどんなに反対運動が強まろうと、消費地の自治体が認可すれば強行できるということだろう。

  https://www.jaif.or.jp/journal/japan/17577.html#:~:text=%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E6%B3%95%E3%81%AB%E6%96%B0,%E3%81%9B%E3%81%A6%E5%8F%AF%E6%B1%BA%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%80%82



 大都市住民には、原発事故被害の実態や被曝の恐ろしさを隠蔽し、「核利用による明るい未来」のような幻想を与えておけば、原発新設も容易に進むという思惑が見える。



 原子力基本法の改定は、本格的な改悪で、【政府が閣議決定した法案には、原子力利用の基本方針を定めた「原子力基本法」の改正案も含まれ、原子力発電を活用して電力の安定供給や脱炭素社会の実現に貢献することを初めて「国の責務」とした。】

 原子力基本法は、1955年に定められた『原子力の憲法』で、目的を平和利用に限ると定めている。

 この第2条に「国の責務」という項目が新たに設けられ、原発を選択肢として活用することによって電力の安定供給の確保や脱炭素社会の実現に向けた非化石エネルギーの利用促進などに貢献できるよう「国は、必要な措置を講ずる責務を有する」とした。

 つまり、原発利用を「国の義務」として恒久的に保証するという改悪である。

 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230228/k10013993401000.html



 原子炉等規制法改定は、日本を滅亡させる超改悪と呼んでもいい。

 原発の運転期間を原則40年、最長60年とする「40年ルール」を削除し、60年超の運転を可能とするものだ。

 https://mainichi.jp/articles/20221221/k00/00m/040/019000c#:~:text=%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E8%A6%8F%E5%88%B6%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A,%E9%AA%A8%E5%AD%90%E3%82%92%E4%BA%86%E6%89%BF%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82



 再処理等拠出金法というのは、1993年から30年間に3兆円の国税を投入しながら、いまだに一度もまともに稼働したことのない超危険な六ケ所村再処理工場を、これからも延命させるための資金根拠を設定した、これも超悪法である。

 https://www.jaif.or.jp/japan/160511-1/#:~:text=%E9%9B%BB%E6%B0%97%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E3%81%AE%E5%B0%8F%E5%A3%B2%E5%85%A8,%E5%8F%AF%E6%B1%BA%E3%80%81%E6%88%90%E7%AB%8B%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82



 再生可能エネルギー特別措置法というのは、原発推進に主舵を切った自民党政権が、「再生可能エネルギーにも手をつけてますよ」と弁明するためのアリバイ証明法といえるだろう。

 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=423AC0000000108



 実質は、これまでどおり、再生可能エネルギーには、まともな補助金は与えず、原発よりも経済的に不利であるかのような演出をして、原発推進の論拠とする目的の改定にすぎない。



 いずれも、岸田政権による原発推進、新設=再稼働を促進するための閣議決定や立法である。なぜ五本束ねたかといえば、それは中身を国民に周知させないように、わかりにくくすることが理由である。

 この絵に描いたように姑息卑劣な法改悪に対する批判が湧き出しているが、それを理解できている若者たちは非常に少ない。



 社説:原発推進法制 反省置き去りの回帰だ 京都新聞4/27(木)

https://news.yahoo.co.jp/articles/334b489341ab7ca7f44cbd27f7ada7621c67c777



 結局、今の若者たちが政治に無関心で、新自由主義自民党政権の恐ろしさをまるで理解できていないことにより、政権がやりたい放題に突っ走っているのである。

 このままにしておけば、間違いなく、再びフクイチ事故が再現される。

 政権には、利権しかなく、まともに日本の未来を考えられる人材が皆無になっていることを意味している。

 日本が滅亡する前には、こんなことが起きるのだと私は落胆している。



 国会には、共産党の吉井秀勝元議員のような原発問題の専門家は、すでに皆無である。現在の国会議員を見渡しても、放射能問題を理解できそうな人物は見当たらない。

 1994年、社会党、村山内閣が「原発容認」に転じてから自己批判していないので、たぶん革新派議員でも、まともに問題意識を持っている人物はいないだろう。



 ほとんどの議員が、原発の核廃棄物処理能力が日本に存在しないことを知らない。そして、原発を60年間運転すれば、中性子脆性劣化という現象が累積して、大爆発が起きる可能性があることも知らない。

 原発運営側が主張する年間1ミリシーベルトの許容量によって、日本国民全体が被曝させられたなら、年間8000~16000名の発癌や心筋梗塞などの死者が出て、さらに数千名の重度知的障害者が登場することも知らない。



 日本政府は、この真実を、これまで隠し続けてきたし、1990年には医師養成カリキュラムからも削除して、被曝知識のある医療専門家を作らないようにしたのだ。

 だから、大半の医師が「X線を常用しても被曝被害など出ないから、放射線は危険なものでない」と勘違いさせられている。

 ICRPが内部被曝のリスクを隠蔽し、外部被曝と同様のリスク評価しかしなかったことを知る者も少ない。実は、原発事故で発生する内部被曝は、外部被曝の600倍~1000倍恐ろしい結果を招くのだ。

 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5828352.html



 私は、これから、今月にも起きるであろう宝永南海トラフ地震と同規模のスーパー地震によって、伊方や川内、それに若狭湾の原発群が無事であるとは、とても思えない。

 西日本原発の大半が「加圧式=PWV」なので、事故が起きれば大爆発を起こして全地球を汚染する巨大放射能事故になる。

 一番の問題は、今の若者たちに、それが何をもたらすのか理解できる知見が存在せず、何をすればよいのかも分からないことだ。



 私は、過去半世紀にわたって、原発の危険性を訴え続けてきたが、今それは私への嘲笑という結果しかもたらしていないように思える。

 私は、もうすぐ死んでしまうからいいが、若者たちは、放射能汚染のなかで生きてゆかねばならない。残酷すぎて、とても想像もしたくないのがホンネだ。

 ちょうど、マッドマックスの第一作を想像すればいい。若者たちは、「面白い社会が来る」と喜ぶだろうか?