福島第一原発事故にともなう放射能汚染水の海洋投棄は、すでに今年3月18日頃から試験的に開始されている。夏頃には、本格的に放出を開始するスケジュールだ。もしかしたら「試験放出」と銘打って、すでに本格放出しているかもしれない。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000291978.html
https://www.tokyo-np.co.jp/article/225143
政府と原子力産業は、この汚染水が「トリチウム処理水」であるかのように装って、トリチウム排水に伴う問題であるかのようにメディアを利用して、人々を騙してきた。
もしも、本当にトリチウム汚染の問題だとすれば、たしかにフクイチ事故処理水より、韓国・中国の原発群や、英仏の再処理工場(ラ・アーグやセラフィールド)の放出トリチウム量よりも少ないため、問題がないように見える。
だが、私がこのブログで繰り返し告発しているように、実は、政府はトリチウムが主役であるかのように宣伝していながら、その実態はセシウムの300倍の生物毒性を持つといわれるストロンチウム90や、他の有害化学物質の問題の方が大きい。
http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5887277.html
「メルトダウン=チャイナ・シンドローム」を起こした福島第一原発は、実は12年を経た今でも、溶融沈降した核燃料の正確な位置は分かっていない。
未だに、やっと「原子炉の底に穴が開いて核燃料が沈降した」ことを報道している。こんなことは、事故直後から分かりきっていた。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230424/k10014047621000.html
理由は、凄まじい放射線のため、ロボットやカメラなどが瞬時に破壊されてしまうためとされている。しかし、これまで隠し続けているだけで、実際には数百メートルの地下水盆まで達している疑いが持たれている。
これを公表すれば、関東東北の巨大な地下水盆を直接汚染している可能性が暴露され、ますます原発そのものが窮地に追い込まれるため隠蔽しているのである。
メルトダウンして地下深く沈降した核燃料は、事故後、数年間、フクイチ敷地全体から、ものすごい水蒸気放射を起こしていた。これが、地下水脈汚染と再臨界の証拠画像となっている。

ネット上で、この画像がほとんど削除されていたことに今回気づいた。やっとの思いで見つけ出したのが上の画像だ。政府はメルトダウン再臨界の証拠隠滅を図っている。
私のアップしてきた画像を、FC2ブログはすべて削除したようだ。ライブドアも無断削除していた。
だが、地下水盆が沈降核燃料によって汚染を受けているとするなら、数十年先に、もしかしたら関東東北の地下水が飲用できなくなる可能性さえあることを知って置く必要がある。
http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6026840.html
今回、放流汚染水問題について、1月の中央日報の記事を見つけたので紹介する。
韓国はメンツのために平気で嘘をつく習性がまん延している国だが、報告は原発推進のアメリカ研究者によるものだ。
米国核物理学者「福島汚染水放流は危険…コンクリート建てて使おう」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.01.26
https://japanese.joins.com/JArticle/300310?servcode=A00§code=A00
「タンクの中にある水(汚染水)には何が入っているでしょうか。答えは『分からない』です」
米国ミドルベリー国際大学院のフェレン・ダルノキ・ベレス教授は福島第1原発事故以来、発生した汚染水の危険性についてこのように話した。核物理学者であるベレス氏はPIF(太平洋諸島フォーラム)科学者諮問団の委員として活動しながら、東京電力で約4年間調査した汚染水データを受け取ってこれを分析した。
ベレス氏は「小型原子炉を研究している。原発を賛成したり反対したりする立場ではない」とし「科学者として偏りのない客観的見解を持とうと努力した」と強調した。
フィジー・オーストラリア・ニュージーランドなど太平洋地域17の島国で構成されたPIFは最近、福島原発汚染水放流が魚類に悪影響を及ぼすだろうとし、安全性が立証されるまで放流を延期するよう求めた。だが、日本政府は処理過程を経た汚染水の放射能水準は海洋生物や人間に脅威にならないほど低いとし、今年の春か夏には放流を強行するだろうという立場だ。
汚染水は日本政府の言葉通り、本当に安全なのか。直接汚染水データを分析したベレス氏を25日、インタビューした。
◇「汚染水情報、不完全で一貫性ない」
−−福島原発汚染水データを直接分析したとのことだが。
「タンク内に正確にどのような汚染水が入っているのか分からないというのが問題だ。我々は答えを探すために努力しているが正確な把握が難しい状況だ。東京電力の汚染水抽出データを分析した結果、不完全で不正確で一貫性がないと判断した」
−−東京電力の汚染水調査では安定性を立証するには不十分ということなのか。
「東京電力で測定したタンクの汚染水の情報が代表性を持つのは難しいと感じた。東京電力では64の放射性核種を測定していると明らかにしたが、共有された資料を見ると9つの核種しか検査していなかった。
また、タンクの4分の1だけで測定したが、主にタンク底にある高水準のスラッジ(カス)廃棄物の濃度に対しては情報が一切ない」
◇「放流時、漁業に影響が懸念される…影響は急速に広がる」
−−日本政府は米国と韓国でも原発運営過程で三重水素(トリチウム)が含まれた水を海に放流しているとし、基準値以下に薄めて放流すれば問題がないと主張しているが。
「中国と米国、韓国の原発は正常運転中に放流しているが、福島の場合、事故後の放流なので正常な運転状況と見ることはできない。事故がまだ続いているのに放流するのは不必要な危険行動を行うことだ」
−−予定通りに汚染水を放流した時、最も憂慮される点は何か。
「最も憂慮する点は漁業産業への影響だ。太平洋諸国は漁業に依存している。ところでセシウム−137が検出されたマグロが、福島事故後、まだ1年も経たない内に米サンディエゴ海域に到達した。
魚類が放射能を吸収して動く速度は海流の移動速度よりも速いので急速に影響が広がるだろう」
◇放流の代わりに提示した3つの解決法は?
べレス氏は海洋放流の代わりに3つの解決策を提案した。(1)耐震設備が施されたタンクに汚染水を長期保存し、放射性物質が崩壊する時まで待って(2)放射性物質ろ過能力を備えたカキなど生物学的方式で汚染を浄化して(3)コンクリートを製作するのに汚染水を活用しよう−−というものだ。
−−汚染水でコンクリートを作れば海洋放流よりも安全なのか。
「(汚染水に含まれた)三重水素は測定するのが難しいほどコンクリート中に吸収される。これを人の接触がほぼない橋梁建築などに使おうというものだ。このようにすれば国境を越える問題を引き起こすこともないだろう。だが、日本は最も費用がかからない『放流』を選択した」
−−韓国政府は日本の汚染水放流に対してどのように対応するべきか。
「汚染水を放流した時は日本だけでなく他の国々にも影響を及ぼすことになるため、日本にもっと積極的な姿勢で対処しなければならない。韓国政府側では東京電力に追加で多くの情報を要請して、そうでない場合なぜデータを提供しないのか、その理由を尋ねなければならない」
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引用以上
日本政府と東電が、64核種中、9種のデータしか公開していないと話している。確かにベータ核種は測定困難なものが多いが、できないわけではない。とりわけ問題なのは、超猛毒半永久的核種であるマイナーアクチノイドのデータが非公開になっていることだ。アクチノイドも、大量にあるはずのプルトニウムXなどのデータが見えない。
原発側は、公開すれば原発反対の世論を招くことを恐れて、事実を隠蔽しまくっているといっていい。
また、指摘されている「タンク底のスラッジ」に関する情報は、私も見たことがない。重いアクチノイド系列核種は、このなかに隠れているはずだ。
この毒性は凄まじく、数十年前は、プルトニウム粒子が指に付着しただけで、部分切除手術を行ったほど危険なものなのだ。
これらが、膨大な量、海洋投棄され、魚介類に蓄積してゆく。場合によっては、放流後、太平洋の魚が食べられなくなることも覚悟する必要がある。
メルトダウン事故を起こした汚染水の放流は、通常原発運転の廃棄よりも桁違いに「制御されない毒性」が高まっていると考えなければならない。
ましてや、東電はうそつき王国なので、真実は公表された事態の一割程度しかないと考える必要がある。
何よりも、自分たちの利権を最優先させる「死んでも悔いない」体質なのだ。
そもそも「毒物を薄めて放流する」という発想は、1972年のロンドン条約で明確に禁止されている。
https://skazuyoshi.exblog.jp/29028830/
【低レベル放射性廃棄物を、陸上保管可能な代替案があるにもかかわらず、意図的に海洋放出して海を汚染するのはロンドン条約とその議定書に違反し、国連海洋法条約にも違反します。
1993年3月30日に閣議決定した平成5年度原子力開発利用基本計画の「低レベル放射性廃棄物の海洋投棄については、関係国の懸念を無視して行わない」との方針に違反し、1993年11月2日の原子力委員会決定にある「低レベル放射性廃棄物の海洋投棄は、国際原子力機関の基準等に則って行えば、公衆の健康に特段の影響を与えるものではないと考える。
しかし、・・・我が国としては、今後、低レベル放射性廃棄物の処分の方針として、海洋投棄を選択肢にしない」との方針にも違反します。
ところが、原子力委員会は5月13日の回答で、この低レベル放射性廃棄物は「固体廃棄物や固化した廃棄物を海洋に投棄して処分することを指すことから、福島第一原発トリチウム汚染水の海洋放出は、『海洋投棄』に該当しない。」としていますが、ロンド ン条約は第三条4項で、海洋投棄が禁止される「『廃棄物その他の物』とは、あらゆる種類、形状又は性状の物質をいう。」と定義し、第四条第1項で「廃棄物その他の物の投棄(その形態及び状態のいかんを問わない。)を禁止する。」と明記しています。
固体以外の液体なら除外されるという理解そのものがロ ンドン条約違反なのです。
1993年原子力委員会決定の10日後、同年11月12日の第16回ロンドン条約締約国協議会議では、「放射性廃棄物およびその他の放射性物質」の海洋投棄の原則禁止等が採択され、1996年11月にロンドン条約の議定書が採択されました。
その附属書一(投棄を検討することができる廃棄物その他の物)では、「国際原子力機関によって定義され、かつ、締約国によって採択される僅少レベル(すなわち、免除されるレベル)の濃度以上の放射能を有する」しゅんせつ物・下水汚泥・魚類残さ又は魚類の工業的加工作業から生ずる物質等8種類の物質は「投棄の対象として検討してはならない」とされていますが、そもそもトリチウム汚染水などの放射能汚染水は「投棄を検討することができる対象」ではなく、「高度濃度放射性廃液を免除レベル未満へ海水で希釈すれば海洋投棄してもよい」という規定もないのです。
船等で投棄禁止されたものを海洋放出できるのか
トリチウム汚染水の海洋放出法には、(a)タンクか らパイプラインで大型タンカーなどの船に積み替えて沖合で放出、(b)パイプラインを伸ばして沖の海上または海底で放出、(c)パイプラインの排出口を沿岸部に設置して放出の3つが考えられます。このうち、(a)は明らかに海洋投棄で、ロンドン条約に違反しますが、(b)と(c)はロンドン条約・議定書による規制対象とは言え、現時点では必ずしも明確に禁止されているわけではありません。
「パイプライン」がロンドン 条約第三条第1項の「船舶、航空機又はプラットフォームその他の人工海洋構築物」に該当するかどうかは国際海事機関IMOでも議論が続いており、今後、一層の規制強化が図られ、議論次第で投棄の定義に繰り入れられて禁止される可能性もあります。
ただし、ロンドン条約前文で「海洋汚染が投棄並びに大気、河川、河口、排水口及びパイプラインを通ずる排出等の多くの原因から生ずる」として、パイプライ ン排出と投棄が区別されていること、国際海事機関 IMO報告で「パイプラインによる鉱滓の海または河川への放出は投棄とは考えられていないが、ロンドン条約・議定書の総合的な目的は、すべての汚染発生源から海洋環境を保護し保全することである。」(IMO Report, International Assessment of Marine and Riverine Disposal of Mine Tailings, p.17, May 2013)と記され、ノルウェー、チリ、仏、英、ギリシア、トルコ、イ ンドネシア、パプアニューギニアでの沿岸近くの金・ 銅・鉄等の鉱山14ヶ所でのパイプラインによる30~4,000m海底への鉱滓放出例が海洋汚染の危惧と共に示されていることを考慮すれば、現時点では、(b)と(c)は海洋投棄として禁止されていないと言えます。
とはいえ、(a)で禁止されるトリチウム汚染水の海洋放出が、排出方法を(b)や(c)に変えただけで禁止されないというのも理が通りません。海洋汚染防止の総合的な目的から言っても、結果が同じであれば、方法が違っても禁止すべきです。世界に先行して日本で禁止することはロンドン条約の趣旨でもあります。
ところが、経産省は2018年説明・公聴会で「タンカー船や配管を引くことによる沖合での海水希釈・海洋放出」の可能性を問われ、「海上からの放射性廃棄物の海洋投棄は、ロンドン条約及び原子炉等規 制法により禁止されている。」と回答しただけで、ロンドン条約等で海洋投棄が禁止されている放射能汚染水を、なぜ、(c)の方法でなら海洋放出しても良いのか、説明していません。
別の意見に対しては「(ロンドン条約は)陸上からの排出を禁止していないと解される」とも回答していますが、国連海洋法条約では(b)も(c)も海洋放出の規制対象になっています。
陸にある発生源からの海洋汚染も規制すべき
1982年の国連海洋法条約では、1972年ロンドン条約の「投棄」の定義をそのまま条文化し、第210条で「投棄による海洋環境の汚染を防止し、軽減し及び規制するため法令を制定」し「必要な他の措置をとる。」と定めると同時に、第207条で「陸にある発生源(河川、三角江、パイプライン及び排水口を含 む。)からの海洋環境の汚染を防止し、軽減し及び規制するための法令を制定」し「必要な他の措置 とる。」と、「投棄」と同じ表現で定め、さらに、第213 条で「第207条の規定に従って制定する自国の法令を執行するものと」すると、法令の執行まで強く求めています。
ロンドン条約と国連海洋法条約の間に壁はないというのが国際的な常識なのです。
ロンドン条約・議定書と国連海洋法条約の海洋汚染防止の趣旨を踏まえるなら、海洋投棄が禁止されているものを、放出手段を変えて「投棄」するのは、 国際的な信義にもとる違反行為だと言えるのです。
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一部引用以上
「日本政府の汚染水海洋投棄の論拠は、ロンドン条約で禁止しているのは固体放射能物質であるから、液体は規制されない。また船舶による海上投棄は禁止されているが、陸上からの海洋投棄は禁止されていない」という、詐欺師丸出しの詭弁で強弁している。
こんな屁理屈が、もし裁判にかけられたなら、これを認める裁判所は、もはや「詭弁所」と名前を換えなければならなくなる。
1972年のロンドン条約は、国際条約であるゆえに、日本国憲法よりも上位法であり、これを破ることは、世界のなかでの日本の地位を犯罪者に貶めるものである。
これによってもたらされるものは、もしかしたら、魚食日本人が半永久的に魚食を放棄させられること、あるいは世界中の漁業国からとてつもない超巨額の賠償責任を負うことになる可能性がある。
東電も政府も、目先の安上がり対策として海洋投棄を選択しているが、実際には、我々が事故後主張しているように、廃棄タンカーをフクイチ沖に係留して、そのなかで半世紀以上保管し、その間に、はるかに有効で安全な汚染処理技術を開発した方が、おそらく何万分の一も安上がりになるのだが、自民党政権も東電も、そんな単純な問題を理解する能力が見えないのだ。

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