昨年2月末のロシアによるウクライナ侵攻以来、いわゆるリベラル、左翼系のメディアで、「ウクライナの正体はクリミアで残酷な虐殺を繰り返すネオナチ=ゼレンスキーはCIAのスパイ」という見てきたようなウソを書き続けている自称評論家連中がいる。

 私は、阿修羅掲示板に、このブログを転載しはじめていたのだが、大半の論者が、ウクライナ=ネオナチ説を主張し、私の文章を攻撃したので、うんざりして阿修羅と縁を切ることにした。

 ウクライナ=ネオナチ説を一貫して主張しているリベラル系論者は、
 植草一秀
 http://www.asyura2.com/22/senkyo287/msg/165.html
 https://www.data-max.co.jp/article/48008

 桜井春彦
 http://www.asyura2.com/19/warb23/msg/409.html

 赤カブ
 http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/332.html

 副島隆彦
 http://www.asyura2.com/22/cult37/msg/123.html

 あっしら(阿修羅掲示板主宰者)
 http://www.asyura2.com/21/kokusai31/msg/598.html

 田中宇
 https://tanakanews.com/220124ukraine.htm

 IWJ 岩上安身
 https://iwj.co.jp/wj/open/azov-neonazis-special

 以上、まだうじゃうじゃいるのだが、私は、これらの主張を見て、日本の左翼リベラルの奇っ怪なロシアびいきの実態、恐ろしい思想的劣化と異常な洗脳を見せつけられて愕然とした。
 私の掲示板にさえ、とんでもないプーチン賛美のデマが書き込まれた。

 上の主張に共通するのは、「ウクライナ戦争は、ロシアに正義がある」
 ウクライナのネオナチ(ウクライナ軍)が正義のロシア軍によって壊滅させられたなら、ウクライナに平和が戻る というようなものだ。
 戦禍を拡大しないため無条件停戦に応じよ、とテレ朝の玉川徹まで主張したのには驚かされた。
 ブチャの大虐殺の直後だ。停戦に応じれば、どれだけ膨大なウクライナ国民がジェノサイド=皆殺しに遭うか一目瞭然だったときだ。
 
 ほぼ唯一、身一つでウクライナに渡って、現地で真実の取材を重ねた田中竜作だけが、ウクライナ戦争を色眼鏡なしに直視できてるので、紹介する。

 ヘイトと化したウクライナ叩き 2023年7月17日
 https://tanakaryusaku.jp/2023/07/00029200

 家康の正室・築山は武田方に内通したかどで、嫡男信康と共に、信長から自害を強要される。いわゆる築山事件である。1579年。
 築山を唆(そそのか)して家康と信長の同盟関係を引き裂こうとしたのは、米国CIAだった・・・

 太陽が西から昇ってもありえないことを真顔で説かれたら、誰しも噴き出すだろう。
 それが起きているのがウクライナ戦争をめぐる情報戦だ。デマをもとにゼレンスキー大統領や欧米を批判する。

 「NATOの東方拡大」「ネオナチ」説などは、一見もっともらしいが、まっとうに調べればウソだと分かる。
 在日特権などありもしないことを持ち出し特定の民族を叩く。これとまったく同じだ。「ウクライナヘイト」である。

 国際刑事法廷による虐殺現場の検証。親露派が言い募るウクライナ軍による自作自演は、証拠らしきものがない。=昨年4月、ブチャ 撮影:田中龍作=
 中国や朝鮮半島に対するヘイトを批判してきたリベラルやインテリ層が、今度はウクライナヘイトに回っているのだ。

 ベトナム戦争の際、彼らは米軍の侵攻を厳しく批判し、日本でベトナム反戦デモや集会を繰り広げてきた。
 ところがベトナム戦争終結から半世紀経った今、一部のリベラルとインテリ層は「ホーチミンは外交に失敗した」「ソンミ村虐殺事件はベトコンの自作自演だ」と叫び始めたのである。

 反米がすべての原理である。多くの日本人はそれで得心が行くのだ。
 あやしげな反米親露サイトを翻訳ソフトにかけて日本語にしてアップロードする。それで結構な収入をあげているメディアもあるくらいだ。

 岸田政権はこれからもウクライナへの援助を湯水のごとく注ぎ込んでいくだろう。(もちろん、それはそれで問題である)。
 「日本がこんなに困っているのに、ウクライナに金をつぎ込むとは何事かっ!」。これまた東アジアへのヘイトと同じ構図である。
 とはいえ国民の反感は募るばかりだ。

 先にウクライナに攻め込んだロシアに「侵略を止めろ」というのが筋なのだが、一部のリベラルやインテリ層は、そうは言わない。
 彼らは、ヘイトの現場でカウンターに立っている人たちに「君たちが大人しくしていればヘイトはなくなるんだよ」と言っているに等しいのだが。
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【ウクライナ報告】「アゾフ大隊=ネオナチ」説の荒唐無稽 2022年6月5日↓
 https://tanakaryusaku.jp/2022/06/00027248

【キーウ発】「ネオナチ説」「自作自演説」のウソを教えます 2022年5月14日
https://tanakaryusaku.jp/2022/05/00027150

 独裁者は秘密をばらした奴を消す 2023年6月26日
 https://tanakaryusaku.jp/2023/06/00029078

 ワグネル創設者プリゴジン氏が明かした「非ナチ化はウソ」 2023年6月25日
 https://tanakaryusaku.jp/2023/06/00029067

 プロパガンダを信じて分裂する日本 容易に侵略される国 2023年3月6日
  https://tanakaryusaku.jp/2023/03/00028458

 【ウクライナ発】即時停戦したらどうなるか 2022年11月22日
  https://tanakaryusaku.jp/2022/11/00027963

私は、父親が社会党や総評の有力者だったので、子供の頃からソ連や中国の情報と触れる機会が多かった。
 ソ連コミンテルンが生きていたときは、社会党にもコミンテルンから資金援助があっただけでなく、さまざまな人的交流もあった。

 1970年代だが、ソ連から日本の社会主義関係者に、モスクワ大学の特別留学枠が与えられたとき、親族のまじめで優秀な青年が実父のコネでモスクワ大学に留学した。彼は、卒業後、ロシア人の妻を伴って帰国した。
 しかし、後に、彼女がFSB(KGB)のスパイであったことが発覚した。
 日本の左翼関係者との人的接触を利用して、日本の情報をモスクワに流すために送り込まれていたのだ。

 私は、その頃から、ソ連KGBの恐ろしい実態について、たくさんの情報を得ていた。
 ソ連は、まるでオーウェルの1984を地で行く国だった。別の知人が、発売されたばかりのプログラム電卓をソ連旅行に持参したとき、スパイ罪で逮捕され、長期拘留された。

 私は、ソ連や中国という国家の異常性、非人道性について、この頃から思い知らされていた。
 共産主義国家には、民主主義の合理性が存在しない。独裁の利権のための体制であることに確信を持った。
 そこには真実は存在しない。あるのは、権力の利権だけだ。

 1986年のチェルノブイリ事故を契機に、ソ連体制が自己矛盾によって崩壊してからも、エリツィンに代わって登場したプーチンの恐ろしい正体について最初から、私は気がついていた。
 そもそもKGB大佐出身、FSB局長というだけで、そんな人脈のなかで生きてきた人物は、正義ではなく陰謀と恐怖支配を呼吸し食べて育ってきた悪魔のような人物に違いないと思い、調べてみると、まさにその通りだった。

 プーチンが大統領選に当選した理由も、何から何まで残酷な陰謀に満ちていた。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%A4

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E9%AB%98%E5%B1%A4%E3%82%A2%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88%E9%80%A3%E7%B6%9A%E7%88%86%E7%A0%B4%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 プーチンは、自国民同胞を数百名をアパートごと爆破して殺し、それをチェチェン人のテロに見せかける十八番の偽旗作戦を行い、報復と称してチェチェンに攻め込み、凄まじい民族ジェノサイドを実行した。
 この報復軍事作戦の「強いソ連の復活」に熱狂したロシア国民の圧倒的な支持により大統領選に勝利したのだ。
 このとき、プーチンを支持したエリツィンは、その後、一切プーチンに相手にされず不遇のうちに死んだ。一説によれば病死に見せかけて殺されたともいわれる。

 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5930943.html

 私は、最初からプーチンが、頭のてっぺんからつま先まで陰謀殺人で染め上げられた、この世で、もっとも恐ろしい悪魔であることに気づいていた。
 だから、その後のプーチンロシアの世論操作や偽旗作戦も手に取るように理解していた。
 ウクライナに侵攻したときも、クリミア侵攻の段階から、何もかも偽旗作戦の陰謀であることを理解していたので、最初から、アゾフ連帯ネオナチ説の嘘を信じていなかった。

 田中龍作は、現地を取材し、プーチンが主張するウクラナ軍、アゾフ連隊のネオナチ、ジェノサイドの事実を確認して回ったが、古くから駐在している西側ジャーナリストも含めて、誰一人、ネオナチ大虐殺の事実に同意しなかった。
 ただ、もちろんヤヌコビッチ前大統領が数兆円といわれる汚職を摘発されてクリミアに逃げ込んだとき、ロシア系住民とアゾフ連隊との間に、深刻な軍事対立があったことは報道されていた。
 しかし、ネオナチによるジェノサイドなど存在しなかった。

 これを、冒頭に紹介した、日本のリベラリストたちは、ウクライナ軍ネオナチ大虐殺説に固執し、いまだにロシア側に正義があると言い張っているのである。
 ロシアの陰謀独裁体制の恐ろしさを、まるで理解していないことに、私は呆れ果ててしまい、植草や副島、桜井らが、現地にも行かず、日本の書斎で妄想に浸っている現実に怒りを覚えた。
 彼らのオツムは、この程度のものだったのかと驚かされた。

 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5934356.html

 ウクライナが、ヤヌコビッチのような腐敗政治家に操られ、上から下まで、国家腐敗の極地にあったことは事実だ。
 ただ、そうした腐敗人脈の大半が、ロシア系の官僚たちだった。
 ゼレンスキーが腐敗人脈のなかで利権を享受していたという植草一秀の論評があるが、それは間違っている。

 ウクライナにはティモシェンコも含めて腐敗政治家しかいなかった。もしも利権政治家を追放すれば、誰もいなくなってしまったのだ。
 だから、ゼレンスキーは妥協して、一定の利権政治家を容認してだましだまし使うしかなかった。
http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6018153.html

 だが、今は違う。ウクライナは、かつての腐敗人脈も含めて、国家存亡の危機を前に、ロシアの侵略大殺戮に怒り、一丸となって戦っている。
 我々がウクライナ戦争を見るとき、それは人道的立場から、人々の人権と平和な生活を破壊する者に対する怒りをぶつけるしかない。
 我々は、強固な意志で戦いを続けるゼレンスキーを支持するしかない。

 もしも、植草や桜井のいうようにゼレンスキーが腐敗政治家であったなら、侵攻後、数ヶ月も持たなかっただろう。
 それは正義の戦いだから、モチベーションが維持されているのだ。
 我々は、人類の敵、プーチンロシアを悪とみなし、ウクライナ民衆を支持しなければならない。何がネオナチだ、ふざけるな!