人権侵害・無視の嵐が吹き荒れる日本・アメリカ : 東海アマのブログ

　ドナルド・トランプといえば、アメリカ人の強欲・独善を代表する共和党の人物で、大統領在任中には、移民・難民の家族をバラバラに引き離して強制送還するなど、「血も涙もない政治家」といわれ、死刑推進派、利権にしか興味のない人権侵害政治家の代表として知られた。
　彼は、在任中、冤罪の疑いを持たれて死刑執行が中止されていた囚人も含めて、片っ端から死刑を執行した。

　
「政治の道具」になる死刑、潜む危うさ　積極性で支持拡大　大統領選控え競う、トランプ氏ら共和党候補　2023年7月30日　東京新聞
　https://www.tokyo-np.co.jp/article/266506

　＜連載　命の償い　米国～第5部　死刑と政治＞㊤
　米ワシントンに真夏の太陽が照り付けた7月2日、連邦最高裁の前で開かれた集会に50人ほどが集まっていた。健康な参加者は3日前から飲み物以外を口にせず、死刑の問題点を挙げて廃止を訴えた。冤罪えんざいの危険や不公正な裁判、巨額のコスト…。

　1976年のこの日、最高裁は、その4年前に出した全米の死刑を停止する判決を撤回。毎年恒例の集会は、それから半世紀近く途切れなく続く死刑制度に反対してきた。ただ今年は大統領選を来年11月に控え、参加者には別の懸念があった。「あの恐ろしい男が戻ってくるかもしれない」

　◆半年で13人処刑のトランプ氏　バイデン氏攻撃にも利用
　大統領への返り咲きを狙う前職トランプ（77）。機密文書持ち出しなどで刑事責任を問われているが、共和党の候補者指名レースを快走する。集会の運営者スコット・ラングレー（46）は「死刑への彼の姿勢には気分が悪くなる」と憤った。

　かねて死刑推進派だったトランプは在任中の2020年、17年間止まっていた連邦政府による処刑を再開。新型コロナウイルス禍に多くの人員を必要とする執行の強行には死刑への賛否を超えた批判が起きたが、本人は意に介さず半年で13人を処刑した。

　次期大統領選に向けた公約では、宿敵の現職大統領バイデン（80）を「わが国を流血と犯罪のドブにした」となじり、「麻薬密売人や人身売買業者にも死刑を求める」と訴える。不法移民や国境問題とも関連する犯罪への強硬姿勢を鮮明にして保守派にアピールするトランプに、ラングレーは「死刑を政治の道具にしている」と言い切る。

　◆死刑判決のハードル下げたデサンティス氏
　懸念はトランプだけにとどまらない。共和党内で候補者指名を争うフロリダ州知事デサンティス（44）は4月、12人の陪審員の全員一致が必要だった死刑判決を、8人の賛成で下せるようにした。5月には児童への強姦ごうかんに対し「適切な罰が与えられるべきだ」として、死刑を適用できる法案に署名した。

　トランプと決別して出馬した前副大統領ペンス（64）も死刑執行の迅速化に取り組む考えを示している。
　銃乱射による大量殺人や子どもを狙った犯罪がやまない米国。国民の治安への不安を背に、大統領選の共和党候補者は死刑への積極性で支持拡大を狙う。

　◆保守派の一部に抵抗感　政治利用はもろ刃の剣
　だが、その政治的効果には疑問符も浮かぶ。デサンティスのフロリダ州で廃止運動に取り組む弁護士マリア・デリベラト（44）は「死刑反対運動の現場には保守派も少なくない」と明かす。
　共和党は死刑制度を容認する。だが、支持層である保守派の一部には、「命の尊重」を理由に人工妊娠中絶に強く反対するのと同様、命を奪う刑罰に抵抗があるという。

　市民団体「死刑を懸念する保守派」によると、全米で250人の保守派指導者が死刑廃止を支持している。「そうした人々は死刑を容易にするような治安対策を嫌悪するだろう」とデリベラト。大衆をあおり、究極の刑罰を政治利用する危うさは、トランプら候補者にも跳ね返りかねない。＝敬称略
　◇　
　日本と同様、先進国で死刑を続ける米国。民主、共和両党が激突する大統領選を来年に控え、死刑と政治との関係を探った。

　【第1部　死刑の現実】
㊤処刑室に歓声と「愛しているよ」の叫びが交錯した　アメリカの死刑執行に立ち会った宗教家が目にしたこと
　https://www.tokyo-np.co.jp/article/221518

㊥最期の言葉すら言えなかった…7人を殺害した黒人男性への「残虐な刑罰」は憲法違反の恐れも
　https://www.tokyo-np.co.jp/article/221737

㊦「100％の死刑支持者」だった刑務所長を反対派に変えた悪夢とは…　割れる世論、見えない死刑廃止への道筋
　https://www.tokyo-np.co.jp/article/221924

【第2部　死刑と冤罪】
㊤冤罪で死刑判決を受け、男は獄中で18年を失った　暴かれた「最優秀検事」の不正の数々
　https://www.tokyo-np.co.jp/article/239002

㊦トイレの配管が独房脱出のきっかけだった　死刑囚の4.1％に冤罪の可能性　差別、貧困、無知が背景に
　https://www.tokyo-np.co.jp/article/239201

【第3部　死刑囚の声】
㊤独房生活27年の死刑囚とガラス越しに向き合った1時間　「死刑は怖くないか？」　返ってきた答えは…
　https://www.tokyo-np.co.jp/article/247794

㊥27年前に事件が起きた街では今も「男は死刑に値する」　死刑囚本人に尋ねると、記者の思いを見透かしたように…
　https://www.tokyo-np.co.jp/article/247936

㊦強盗殺人事件で引き金を引いたのは誰なのか…司法取引した兄は出所し、無罪を主張した弟は死刑囚になった
　https://www.tokyo-np.co.jp/article/248096

【第4部　死刑とゆるし】
㊤母を殺害された女性はなぜ「終身刑への減刑」を願い出たのか　遺族の心を癒やすとは限らない「死刑」の意味
　https://www.tokyo-np.co.jp/article/256459

㊦「死刑はこの男への罰にならない」　死刑支持が多数派の陪審員が下した「生きて人生の痛みを知る刑罰」
　https://www.tokyo-np.co.jp/article/256669
*******************************************************
　引用以上

　死刑制度そのものについては、私も絶対に反対である。それは「死刑制度によって殺人犯罪を抑止できる」という法務省＝日本政府の主張が真っ赤な嘘だからだ。
　http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5827855.html

　「死刑が怖いから重大犯罪を犯さない」と考える犯罪者はほとんどいない。むしろ、秋葉原事件やジョーカー事件のように「死刑になりたくて重大犯罪を行った」者の方が多いのだ。
　この事情は、アメリカでも同じで、無差別銃撃事件の犯人のほとんどが、銃撃戦で警官に射殺されることを望んで自殺代わりの実行に及んだといわれる。
　https://shueisha.online/culture/65059

　人が本気で犯罪を行うとき、その行為によって死刑になるからやめると考える者はほとんどいない。怒り狂って我を失い、あるいは冷静に法治社会を嘲笑しながら犯罪を実行するのだ。
　私も、近所に住むAという男が、頻繁に我が家に盗みに入り、パンクなどの嫌がらせを繰り返し、その事実を目撃して地元の駐在に訴えたところ、虚偽か妄想と決めつけられた。（もしかしてAの親戚か？）
　それを彼が本署に伝えたことで、本署から来た警官も予断と偏見で私の主張を嘘と決めつけ、あろうことか私を精神病院に送り込もうとしたのだ。

　このことで私は我を失って激怒し、警察がアテにならないならAを個人的に処分するしかないと決意し、計画を練ったことがあるのだが、一時的な激怒が収まると、こんなクズのために残りの人生を獄中で過ごすのは割に合わないと考えるようになり、とにかくAが侵入した証拠を確保して、民事で数百万円取ってやろうと方針を変えた。

　今は、警察がメンツのため、Aに動かないよう説得しているようだが、Aの性格上、必ず、再び嫌がらせや窃盗を行うに決まっている（体質化している）と考えているので、今度こそ準備を整えているところだ。
　今、私が非常に冷静なので、証拠確保が成功すると確信している。激怒すると、冷静で正常な判断力を失ってしまうのだ。

　この一連の経過で、私は強固な死刑反対活動家だったものが、報復主義が顔を出してしまい、あまりに悪質なら死刑もやむなしと考えを変え始めてしまったのだが、今は、再び、死刑絶対反対派に戻りつつある。
（死刑反対を主張する私には、一度も裁判員裁判の招集が来たことがない）
　一番強く死刑制度の間違いを印象づけられたのは、久間三千年さんの飯塚事件だ。

　この事件では、物証が皆無であり、唯一の証拠であるDNA鑑定は、足利事件の菅谷さんを冤罪に仕立てたものと同じ欠陥だらけのデタラメ鑑定だった。
　久間さんは冤罪を主張して、再審請求をしている最中だった。事件の成り行きは、袴田事件に酷似した福岡県警のメンツのための強引な暴走、証拠ねつ造というしかないものだった。

　通常、死刑確定から執行まで10年以上が常識なのだが、1992年に起きた事件で、久間さんが逮捕されたのが1994年、死刑が確定したのが2006年、ところが、死刑が執行されたのが2008年と二年しかなく、日本の死刑制度史上、これほど短期間で、しかも冤罪が強く疑われる事件で、司法殺人が行われたのは、飯塚事件しかない。

　この死刑執行を指揮したのが森英介という当時法相だった自民党議員である。
　我々は、森英介が冤罪事件を処刑によって、世間の関心を断ち、うやむやに葬るために暴走したと考え、森英介こそ司法殺人犯であると断定している。
　久間さんの無罪を示す状況証拠は、処刑後も次々に明らかにされているが、裁判所は権力のメンツを優先され、再審を敗訴させ続けている。

　http://eritokyo.jp/independent/aoyama-democ14080...html

　http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-date-20090607.html

　久間三千年さんの飯塚事件は、現在、もし再審になれば確実に無罪にせざるをえない、DNA鑑定の本質的欠陥（足利事件の菅谷さんと同じ理由で）があるのだが、もし、死刑執行してしまった死刑事件が明らかになれば、死刑制度を根底的に崩壊させる可能性があるため、司法と自民党は、必死になって再審を阻止し続けている。

http://www.paonetwork.co.jp/2016/02/2016%E5%B9%B42%E6%9C%8817%E6%97%A5%E6%94%BE%E9%80%81%E3%80%8Cj%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A0%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%80%8D%E3%80%80%E7%96%91%E6%83%91%E3%81%AEdna%E9%91%91%E5%AE%9A%E2%91%A2%EF%BD%9E%E8%AD%A6/

　久間三千年さんと同じような死刑執行冤罪事件は、他にも五件以上あるといわれている。死刑は執行されたなら取り返しがつかない。また死刑制度に犯罪抑止効果がないことが明らかな以上、これ以上、死刑制度を維持する社会的意味は存在しないのである。
　私は、飯塚事件で本当に裁かれるべきは、森英介元法相と死刑執行に関与した法務省役人であると考えている。

　日本の法務省の人間性の崩壊ぶりを如実に示す入管法問題が今、死刑制度とともに厳しく問われている。

　入管法改悪問題　2023年06月01日
　http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6041658.html

　いわゆる難民申請を、原則として認めない方針を法務省が打ち出して、入管法改悪を行った。
　ただでさえ苛酷な難民審査の回数を2回までに制限するという。現在も、事実上、一回の書類審査だけで、複数回の申請を無視して取り合わない現状がある。
　NPO法人「難民を助ける会」の名誉会長を称する柳瀬房子という人物が、入管参与として、これまで大量の難民審査に携わってきて、「本当の難民などいなかった」と発言し、それを根拠として入管法難民審査の法改定が行われた。
　https://www.tokyo-np.co.jp/article/253697

　柳瀬房子は、どうやら法務省が難民救援団体に送り込んだトロイの木馬らしいが、今回「助ける会」を追放されたものの、難民審査の参与として、これまで通り、審査官として活動するようだ。

　【柳瀬氏は、05～21年に約2000件の対面審査をしたが、難民認定をすべきだと意見したのは6人と説明していた。認定率は1％に満たない。
　また、出入国在留管理庁が今国会に提出した資料で、柳瀬氏が21年度に1378件、22年度に1231件を担当し、全体の2割以上が同氏に集中していたことも明らかになった。
　一方、会見に応じた7人のうち3人は、2年ほどで5件に満たない。年間約50件審査してきた参与員もいるが、それでも柳瀬氏との差は歴然としている。】

　審査役111人いるのに1人に集中、全体の25％を担当　難民審査で入管庁公表　柳瀬房子参与員が昨年1231件　2023年5月25日
　https://www.tokyo-np.co.jp/article/252412

　
　つまり、法務省は、「難民を助ける意思のまったくない」柳瀬房子ら法務省の意のままになる参与に、難民審査を集中させ、書類審査だけで非認定させているのだ。
　 https://www.tokyo-np.co.jp/article/259284

　柳瀬房子らが難民を排除する法務省の尖兵として活動した結果、何が起きたのか？
　　
　同性愛は終身刑…拷問の末に日本に逃げたのに、書類審査のみで「信ぴょう性ない」難民不認定　そして…　2023年7月28日
　https://www.tokyo-np.co.jp/article/265944

　世界には、独裁権力により人権を迫害され、権力による殺害に怯えている人々が、数百万人以上いる。
　例えば、中国共産党によるウイグル弾圧。かれらは中国共産党に逆らえば、たちまち内臓を抜かれて売り飛ばされ、殺されるのだ。
　ロヒンギャ、イスラム諸国の同性愛者、戦争のウクライナ、シリア、アフガン、ミャンマー、南スーダンなどで、民衆が何の落ち度もないのに殺害の恐怖に怯えている。
　https://www.jica.go.jp/aboutoda/find_the_link/part1/refugees.html

　ところが、法務省は、こうした難民を救助せず、人権弾圧の母国に強制送還して無慈悲に殺害させているのだ。
　理由は、難民救助の実績や特例を作ると、これから国家破綻による巨大難民が予想されている中国からの難民を拒絶できにくいという思惑があるらしい。

　また統一教会の安倍晋三元首相が、移民を極端に緩和した（韓国人の移住を計画したらしい）ことで、何の技能を持たない単純労働者の移民を許容してしまい、その結果、日本に住んで日本人の家族を持って帰化するというパターンを許さず、5年で無条件強制送還してしまいたいとの思惑がある。
　https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_seisaku-houmushihou20181225j-01-w630

　そもそも、労働者として日本に移住したなら、その段階で、人間としての基本的人権が保障されなければならないが、外国人単純労働者には人権は与えられない。結婚も妊娠さえも許されず、5年で強制帰国させるのだ。
　入管法は、その法的根拠を作るために改悪されたのである。

　日本が、「人権を大切にする国」と世界に評価されていたのは、前世紀までのことだ。
　とりわけ安倍晋三政権が登場すると、外国人を人間としてではなく、単なる労働力としてのみ扱う功利的姿勢に変わった。
　だが、生身の人間が、実際に日本に来て居住する以上、もはや、日本の住民であって、あらゆる生活が生成されてゆく。人には生き抜く権利があるのだ。

　だから、安くこき使える労働力として、外国人技能実習制度や単純労働力制度を作って、日本に呼んだベトナム、インドネシア、ブラジルの人々は、ピンハネ地獄の悪質ブラック企業や農園を逃げ出して、同郷者コロニーを頼って自立生活に向かうしかない。
　そこにいるのは、一人の人類＝人間であり、何一つ我々と変わらない生活存在ということだ。
　それは自民党ごときの腐敗政治家の、ビジョンに収まるようなものではありえない。
　