2011年3月11日の震災を受けて、電力供給が切断したため3つの原子炉が次々にメルトダウンを起こし、莫大な放射能を環境に放出してしまった。
 人類史上最大最悪の放射能事故だった。

 このうち、3号機と4号機に、未だに解明されていない謎が残っている。
 3号機の場合は、炉心過熱で核燃料被覆管ジルカロイが水素解離を起こして、水素爆発に至ったと説明されているが、水素爆発では白い煙しか放出されない。ところが、3号機は異常に大きな激しい爆発で、真っ黒な煙を上げた。
 だから、この爆発は水素解離によるものではなく、核反応による臨界爆発であると、米国原子炉専門家アーニーガンダーセンが指摘した。
 
ガンダーセンは3号機の爆発は即発臨界と推測する。
  https://www.youtube.com/watch?v=LPiyVSdQnRE

 数年前からグーグルは、ガンダーセンによる数十本の3号機爆発解析コンテンツを検索エンジンから排除してしまったので、通常の検索から上の動画に到達することはできない。

 要は、3号機で最初水素爆発が起きたのは事実だが、このとき3号機だけで使われていたMOX核燃料が圧縮されることで臨界が発生し、即発臨界核爆発が起きたというものだ。
 プルトニウムMOX核燃料は、プルトニウム240という自発核分裂性の非常に強い危険な核種が生成されることで、爆発で燃料が圧縮されると、容易に核爆発を起こしてしまう。

 もちろん広島のような大規模な核爆発ではないが、原発をまとめて吹っ飛ばすくらいの威力はある。中の放射能が大量に環境に飛散するので、むしろ被曝危険性が高い。
 これがあるから、世界の原子力産業は不安定さ、危険性を懸念して、MOX利用から手を引き、日本だけが性懲りもなく使い続けている。

 東京電力も政府も、「原発が核爆発を起こす」という事実を認めたくないので、必死になって3号機即発性臨界を隠蔽している。電通子会社の管理している検索エンジンから、3号機即発臨界問題はすべて排除され、資料を見つけるのは大変だ。
 ネットでは、ファイヤフォックスなどで検索エンジンをエコシアあたりに設定すると出てくる。 

福島第一原発──真相と展望 アーニー・ガンダーセン著/岡崎玲子訳 2012/04/04
 https://toyokeizai.net/articles/-/8884/

 実は、3号機の臨界爆発よりも、さらに深刻な問題が4号機にある。
 4号機は定期点検中で、原子炉から核燃料が抜き取られていたはずだった。ところが、米軍が事故後のフクイチ原発を撮影すると、4号機の原子炉に臨界熱が写ってしまったのだ。つまり、核分裂が起きていたことを示し、あるはずのない核燃料が存在したのだ。
 
 さらに、原子炉近傍にあった核燃料の数量がおかしかった。
 米軍は、事故後、4号機について以下の発表を行った。
 http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/545.html

 本来、核燃料プールに移動しているはずの原子炉装填核燃料がプールに存在しなかった。米軍は、核燃料が燃焼蒸発してしまったと報告したのだが……。
 後に、東電は、存在しないはずの4号機プールの核燃料を全量回収したと報告したのだが、どうにも疑わしい。東電は、平気で嘘をつく体質だからだ。
 https://www.tepco.co.jp/decommission/progress/removal/unit4/index-j.html

 いったい、4号機プールの核燃料は、どうなっていたのか?
 東電と政府は、4号機核燃料プールに奇跡的な水の流入があったので、熱崩壊(核燃料火災)が起きなかったと苦しい説明をしている。
 http://www.asyura2.com/12/genpatu22/msg/121.html
 しかし、どう曲解してみても、4号機核燃料プールには謎が残る。
 一連の不可解な事象を見て、物理学者の槌田敦氏は、ある仮説を立てた。

02日9月2023 槌田敦氏が4号機原子炉で核兵器用プルトニウム生成の可能性を指摘
 http://www.asyura2.com/14/genpatu40/msg/681.html
 魑魅魍魎男 2014年10月16 日
 https://bisha-monten.jimdofree.com/2023/09/02/%E6%A7%8C%E7%94%B0%E6%95%A6%E6%B0%8F%E3%81%8C4%E5%8F%B7%E6%A9%9F%E5%8E%9F%E5%AD%90%E7%82%89%E3%81%A7%E6%A0%B8%E5%85%B5%E5%99%A8%E7%94%A8%E3%83%97%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%83%A0%E7%94%9F%E6%88%90%E3%81%AE%E5%8F%AF%E8%83%BD%E6%80%A7%E3%82%92%E6%8C%87%E6%91%98/

 「20140130 UPLAN 槌田敦 福島原発事故3年・データに基づき再検証する【2】」
 (YouTube 2014/1/30 1時間20分から4号機の解説)
 http://www.youtube.com/watch?v=4ZQNOYh3bO0

 [要約]
* 4号機は数回爆発。4階で水素爆発があったようだが、何度も水素爆発は起きない。
* 使用済み燃料プールもDSピット(機器借置きプール)も損傷なし。爆発原因は原子炉にしかない。
* 公表された原子炉内部の写真はニセもの。
 海水を入れたため、燃料プールは泥で真っ黒でガレキも落ちているが、
 隣の原子炉内があれほどきれいであるはずはない。

 https://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/genkyo/fp_reactor/fp_no04/index.html
 (アマ註=上の写真は2013年東電公開、まるで新設原発で、事故の痕跡が見えない)
* 写真にはシュラウド(原子炉中心部を覆う筒)が写っていない。
 新・旧シュラウドともDSピットにあるのか?

* 4号機の定期検査工程表が公表されていない。定検ではなかった可能性大。
(アマ註=工程表は法定であり、省略できない。非公開なら存在しなかったことを意味する)
* 4号機爆発以降のTV会議は未だに非公開。

* 防衛庁撮影の放射温度写真では、原子炉が28度、その他が22度。
 燃料プールよりも原子炉のほうが温度が高かった。燃料が原子炉内にあった証拠。
 (アマ註=米軍撮影の事故直後4号機にも臨界熱が写っていた)

* 米国サンディエゴ校で硫黄35を大気から検出。塩水(海水)と中性子が反応した。
 3号機は爆発後海水を注入したので、4号機由来である。
 (アマ註=S35は関東一円に降下した黄色い粉、海水と中性子によって生成されるので、爆発後に海水を入れた3号機由来ではありえない。)

* 炉内で臨界になり熱水が吹き上がり、天井と壁を徐々に破壊した。
* 東電は燃料プール内の燃料集合体の数を2度も訂正。管理がデタラメだ。
 最終的に使用済み燃料1331体、新燃料204体、合計1535体と発表。
 (アマ註=燃料集合体の数を間違えれば、臨界が起きてしまう可能性があるので、燃料管理は絶対的に重要のはず。数量間違いは絶対にありえない)

* 新燃料のうち180体は交換用。取り出した24体は天然ウランで、プルトニウム生成・ 中性子照射実験用だろう。
* 天然ウランに中性子を照射するとプルトニウム239ができる。
 (アマ註=ウラン238→劣化ウランに中性子を照射することでプルトニウム239が生成される)

 4体ずつ炉心に入れ、3日ほど中性子を当て交換、プルトニウム239生成の実験をしたのだろう。
 (3日以上照射すると、プルトニウム240の割合が増え純度が落ちる)
 (アマ註=この場合、兵器用の純度94%プルトニウム239を製造していた可能性が強い。通常の原発用核燃料で生成されたプルトニウム239の純度は60%程度なので、「汚い核爆弾」には使えるが、核ミサイル弾頭には使えない)

* プルトニウム239は、ガス炉(東海原発)、高速増殖炉(もんじゅ)のほか、実は軽水炉でも生成可能。
 (アマ註=もんじゅ、常陽、東海第一黒鉛炉は高純度兵器用プルトニウム製造目的のため作られた。しかし通常原発でも高純度プルトニウムの製造が可能だった)

 ただし3日ごとに燃料交換が必要。その度に圧力・格納容器上蓋を開閉しなければならず面倒。出力が小さいので、蓋は開けたまま行なった。冷却も不要。
 (アマ註=4日以上も中性子を当てると自発核分裂を起こすプルトニウム240が生成され、勝手に臨界を起こしてしまうので、間欠的に照射する必要がある)

* IAEAの指示に従いプルトニウム生産を行なっているかも知れない。
 (アマ註=IAEAは汚染水問題でも、わざわざ日本に来て無理矢理安全と決めつけ、極めてダークで不可解な姿勢。隠している裏側があるとしか思えない)
* 天然ウラン燃料棒は海外、たとえば英国で製造されたものかも知れない。
 中性子だけ照射して返送し、英国が核兵器を製造している可能性もある。
* 軽水炉で核兵器材料が作ることができるなら、当然、輸出はできなくなる。
* 東電はテレビ会議をすべて公開すべきだ。
 [要約ここまで]

 東電は4号機爆発の情報を徹底して隠していますが、1-3号機の大爆発で沸騰水型原子炉の致命的欠陥はすでに明らかになっており、今さら隠すことは何もないはずです。
 原子炉に燃料が装荷されていたのなら、そう発表すればいいわけで、隠す理由がありません。国民に絶対に知られたくないことがあるからこそ、必死で隠蔽するわけで、

 それは核兵器用プルトニウムの生産以外には考えられません。
 なぜ政府が原発再稼動に異様なほど執着するのかもよくわかります。
 全原発を廃炉にしたら二度とプルトニウムが生産できなくなってしまうからです。
 原発の正体、真の顔がここにあります。

 発電は単なる見せかけであり、本当の目的は核兵器用プルトニウムの生産でした。
 おそらく、A・ガンダーセン氏、小出裕章氏などの専門家や元東電関係者の間では、こんなことは常識なのでしょうが、絶対のタブーであり、うかつに話せば殺されてしまうので、黙っているのでしょう。

 ここまで追及されても東電は沈黙している。認めたも同然です。唯一の被ばく国として、世界に核兵器反対を訴えるべき立場の日本が、実は原発を隠れ蓑にして、こっそり核兵器用プルトニウムを製造していた。
 その結果として、福島原発事故が起き、広島原爆数千発分の汚染が拡がり、国民は何百年も被ばく被害に苦しむことになってしまった。

 第二次大戦の反省もなく、広島・長崎の犠牲者をないがしろにし、核兵器に手を出した日本に恐ろしい天罰が下ったのだと思います。

[関連リンク]
「20140130 UPLAN 【抜粋】衝撃!!四号機爆発は原子炉内燃料の核暴走という仮説・槌田敦」
(YouTube 2014/1/30 抜粋版)
 http://www.youtube.com/watch?v=c-CvNCAcvSs

 「福島原発4号機破壊の謎→DSピットの爆発説(4号機プルトニウム生産炉説)」
(世界の真実の姿を求めて! 2012/8/3)
 http://oujyujyu.blog114.fc2.com/blog-entry-2169.html

 「プルトニウム生産炉」(ATOMICA)
 http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=03-04-11-04
 「東電よ、観念して4号機爆発の原因を公表しなさい」 (拙稿 2013/7/2)

 http://www.asyura2.com/13/genpatu32/msg/365.html

 「フクイチ4号機ミステリー 消えた548本の謎を解く」
(憂いの果てに 〜次男坊のアフォリズム〜 2011/11/12)
 http://hatajinan.blog61.fc2.com/blog-entry-340.html

 「反原発派も触れようとしない原子力最大のタブー 槌田敦氏が追及」 (拙稿 2013/7/1)
 http://www.asyura2.com/13/genpatu32/msg/357.html
***********************************************************
 引用以上

 私が不可解なのは、CNICがこのことに触れないことだ。東電の発表を鵜呑みにして公表している。
 https://cnic.jp/51689

 一番怪しいのは、定期点検前に必ず提出しなければならない、「4号機検査工程表」がどこにも存在しないことだ。本当に定期点検を行っていたのなら法定書類である工程表が公開されていなければならない。
 これがない以上、すなわち、定期点検が行われておらず、なんらかの臨界発熱を伴う作業が秘密裏に行われていた証拠となる。

 この「プルトニウム純化工程」と推測される作業は、完全に非合法なもので、IAEAが世界各国のプルトニウム在庫状況を把握する条約レベルの管理体制に真正面から違反するものであり、国連で追及されるなら、世界的な大問題になってしまう。

 これを行うためには、東電だけでなく、原子力規制委員会とIAEAそのものの秘密裏の認可が必要である。東電1社の不正だとすれば、会長以下、関係者全員が懲役10年になってしまう。しかも、それは原子力基本法など、あらゆる原子力法令違反であるとともに、国際条約違反でもある。
 だから、これまで誰も、そんな非合法なことが行われていると想像さえしなかった。
 しかし、世界の原子力関係組織は徹底した虚偽に貫かれているのが実情だ。

 だが、巨大事故を起こしたフクイチ事故の原因を究明する過程で、原子炉格納容器や外壁の不可解な熱を見て、プルトニウム純化工程の存在を前提にしなければ説明できないと槌田敦教授が指摘したのである。
 国家ぐるみどころか、国連ぐるみの違法行為が行われていると考えるしかないのだ。
 国連ぐるみというのは、後に新型コロナ禍のワクチン問題でも指摘された。

 そもそも、岸信介と正力松太郎が、最初に作らせた1966年営業運転の東海第一黒鉛冷却炉は、すでに1960年からBWRが普及していた時代に、ありえない炉型だった。
 世界最大の巨大地震常襲地帯に、耐震性に乏しい黒鉛ブロック原子炉を作らせたのだ。これは黒鉛炉が兵器用プルトニウム239製造に適していたからである。
 つまり、原発政策は、「平和利用」を口実にしていたものの、最初から核ミサイル弾頭を目指していたことになる。
 それは世界中で、同じだった。

 通常原発の使用済み核燃料からは純度50%程度のプルトニウム239しか精製できないので、核兵器開発国家は、高速炉に走ったが、技術的に困難で危険だった。
 また核兵器に転用することも困難なので、高速増殖炉や黒鉛炉など高純度プルトニウム生産に踏み切った。
 だが、高速炉は非常に技術的に高度で、ときに国家を滅ぼすほどの危険性がある。世界中が手を引いたなかで、日本だけもんじゅを続けたが、これまで一度たりとも正常に稼働しないまま、ナトリウム事故で廃炉を決定するしかなかった。

 そこで大量生産はできないが、高純度プルトニウムを求めて通常原発で純化工程の模索を始めた。主役は、自民党の御用発電所である東京電力だ。経産省が再稼働原発にMOX燃料を強制している本当の理由も、生成された高純度プルトニウムの存在をごまかすためではないかと私は思う。