敦賀半島の敦賀原発は、ほぼ同じ敷地に隣接して、もんじゅ、ふげん、美浜原発などを抱えている。
turugahantou


















私も20年ほど前、半島中央の山歩き(蠑螺ヶ岳登山道)を行って、核施設を視察した。
 私は原子力産業のブラックリストに登録されているので、もし知られたら面倒なことになるため、なるべく見つからないよう行動したが、当時は警備が手薄だったように思えた。もし北朝鮮工作員が来たとしても、易々と侵入できそうだった。

 もんじゅとふげんは、世界でもっとも危険な核施設である「高速増殖炉」である。あまりにも危険なため、世界が手を引いたが、日本だけが開発を続け、しかし最悪のナトリウム漏出事故を起こしたことで、結局、ただの一度もまともに稼働しないまま、廃炉にするしかなかった。
 もんじゅとふげんに注ぎ込まれた血税は、20兆円を超える(公表は数兆円程度だが、それは機材関連だけ)といわれている。
 勤労者を6000万人とすれば、一人33万円の血税をドブに捨てたことになる。
  https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/shin-monju-2

 もんじゅが廃炉に決定されたのは、2016年だが、国と原子力産業は、30年もあれば廃炉作業を始められると公表していた。
 これが真っ赤なウソであることは、8年後の現在でも、何一つ廃炉作業が進展しておらず、もしかしたら、もんじゅの再稼働を狙っているのではないかと疑うほどだ。

 高速増殖炉の廃炉が非常に困難である理由は、冷却剤の金属ナトリウムの取り出しが事実上不可能に近いからだ。設計時に、解体や廃炉は一切考慮されず、「数十年後の未来に核技術が発展すればなんとかなるだろう」と、まだ見ぬ未来に希望を託して解決の見通しもないまま強行したのだ。
 金属ナトリウムは、いつでも100度以上に加熱して流動性を保っていなければならない。それ以下では固形化してしまうので、抜き取りが非常に難しい。もしも、高温の金属ナトリウムが漏れてコンクリートや土壌に接触したなら、瞬時に大爆発を起こすのだ。

 もんじゅ(高速増殖炉)は、プルトニウムMOXや劣化ウランに中性子を当てて、高純度の兵器用プルトニウムを抽出する目的で計画された。
 プルトニウム239の純度が94%でなければ、核ミサイルの弾頭にできないのだ。
 ところが、MOXは高い純度を保つため20%程度しか核分裂を利用できないので、取り出したMOXは励起されていて、もの凄い崩壊熱を出す。

 これを100度以下の安定温度にして恒久保管場に移動するには500年間の強制冷却が必要である。
 だから、もんじゅにあったMOX核燃料は、地表のプールに入れられて超長期間の冷却が続けられている。この巨大な熱量が、廃炉を妨げている。何が「30年で解体」だ! 300年だって困難なはずだ。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%82%E3%82%93%E3%81%98%E3%82%85

 敦賀半島のMOX保管場は、もんじゅとふげん、美浜と敦賀原発の核廃棄物の強制冷却プールで覆われることになる。世界でもっとも危険な場所といっていい。
 もしも何らかの事故や天災で冷却が止まれば、キャスクから放射能が漏れ出して、とてつもない恐ろしい事態が予想される。
 福井県は永久に人が住めなくなるだろう。たぶん京都府も、私の住む岐阜県や関西全域も危ない。

 しかも、この敦賀半島は、記録されたものだけで、歴史上最大級の内陸被害地震が三つも起きている。
 慶長地震、寛文若狭近江地震、濃尾地震だ。とりわけ慶長地震と若狭地震は敦賀市付近が震源である疑いが強い。
 敦賀市というのは、木村政昭教授が指摘したように、地球上最大級の地震の巣である「日本列島断層」の真上にあるのだ。

能登半島で起きた巨大地震と木村政昭氏の「日本列島断層」2024年01月02日
 https://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6099828.html

メディアも地質地震専門家も誰一人、巨大断層の存在を発言しない? 2024年01月24日
 https://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6105731.html

誰一人、何一つ語られず隠蔽され続ける「日本列島断層」 2024年02月09日
 https://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6110331.html

地震学会や政府が、木村教授の日本列島断層論を無視している本当の理由は、おそらく、この断層上に日本の原発の半分が存在するからだろう。
 柏崎・能登・若狭原発群・伊方・川内である。これを認めれば、自民党の原発稼働、増設政策は完全に否定されてしまうからなのだ。

 もとより、自民党の原発政策の真実は、決して原子力の平和利用ではない、第一号、東海原発から戦争利用一途だったのだ。つまり高純度兵器用プルトニウムを蓄積したかった。
 でなければ、黒鉛炭酸ガス炉の採用や、もんじゅや六ヶ所村再処理工場計画などありえないものだった。
 このため、必死になって日本列島断層の存在を隠したかった。隠すと言うより、徹底的に無視したのだ。

 今朝の、東京新聞に、敦賀原発2号機が活断層の真上にある事実を直視して、再稼働を拒否した石渡明委員が、満期を理由に原子力規制委員会から追放される。
 もう二度と、科学的知見を前提にした安全審査は行われないだろう。
 たぶん敦賀2号機の審査を見直す原子力推進派委員が登場して、再稼働を容認することになるのではないか?
 
  原子力規制委が問われる「安全側」の姿勢 政権が「原発活用」に傾く中で 「60年超運転」反対した委員が退任 東京新聞 2024年9月19日
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/354983

  原子力規制委員会の石渡(いしわたり)明委員(71)が18日、任期満了で退任した。石渡氏は、岸田文雄政権が進めた原発の60年超運転を可能にする法改正に伴う規制制度の変更に一貫して反対した。

 地震・津波の審査を担当し、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)を巡っては、原子炉直下の活断層の存在を否定できないとして「再稼働不可」の結論を導いた。

◆就任前に日本原燃から報酬を得た田中知委員「独立してやってきた」
 石渡氏は東京・六本木の原子力規制庁(規制委事務局)で記者会見し「原子力基本法、原子炉等規制法といった法律を守ることが、使命だと思って就任した。
炉規法の柱だと思っていた『40年ルール』を外してしまうことに納得できなかった」と振り返った。

毅然と「反対」貫いた胸中は
原子力規制委員・石渡明氏 退任記者会見で何を語った? 「悪魔の証明」批判に切り返す<詳報>
https://www.tokyo-np.co.jp/article/354728

 同じく退任する田中知(さとる)委員(74)も会見。使用済み核燃料の再処理工場などの審査を担当する一方で、就任前に運営する日本原燃から報酬を得ていた。
中立性を問われると「明確に仕事の目的とか意味を理解してやってきた。独立してやってきたかと思う」と述べた。
 石渡氏は東北大大学院理学研究科教授や日本地質学会長を経て、2014年9月に就任。2期10年務めた。24年9月19日付で、石渡氏の後任に山岡耕春名古屋大名誉教授、田中氏の後任にカナダ・マクマスター大の長崎晋也元教授が就く。
   ◇   ◇
 ◆石渡明氏が主張し続けた「安全側」の論理
 老朽化した原発の長期運転などに異議を唱えたり、活断層の存在を否定できないとして敦賀2号機の再稼働を認めなかったりと、原発推進勢力にとっては障壁ともなってきた石渡明氏が規制委から退く。

 自民党を中心に原発活用の声が高まる中、今後、規制委が事故のリスクなどに対し、「安全側」に沿った判断を示していけるのかが問われる。
 「筋の通らないことは、しっかりと言う人だった。素直に『自然の声』を聞き、審査していたのではないか」。石渡氏と接してきた規制委の幹部はそう評価する。この幹部が例として挙げたのが、規制委が原発の60年超運転に向けた規制制度案を審議した時だった。

 石渡氏は昨年2月の臨時会合で「この改変は科学的、技術的な新知見に基づくものではない。安全側への改変とも言えない」と一貫して反対した。
 原発の運転期間は、法改正で規制委の審査などで停止した期間分の運転延長を認め、60年超運転を可能とした。石渡氏は「審査を厳格にすればするほど、より高経年化(老朽化)した炉を運転することになる」と苦言。だが、他の4人は賛成し、規制委は多数決で認めた。規制委の決定は全会一致がほとんどで異例の決着だった。

 敦賀2号機を巡っては、石渡氏は現地で地質に直接触れて精力的に調べた。まとめた審査書案では「(原電の)評価は安全側とは言えない」との文言を繰り返し原電の主張を退けた。
 とはいえ、石渡氏によると再稼働を認めなかったのは敦賀2号機の1基だけで、ほかの12基は認めた。石渡氏は退任会見で「9基が審査中で、心残りはある」と話す。

 能登半島地震が起きた北陸電力志賀2号機(石川県)や、南海トラフ地震の影響が懸念される中部電力浜岡3、4号機(静岡県)などの審査が続く。電力会社や政権からの圧力に屈せず、規制委が独立性を持って判断するのか、さらに厳しい目が注がれることとなる。(荒井六貴)

【関連記事】原発「60年超運転」法が成立 自公維国などが賛成 電力業界の主張丸のみ 福島事故の反省と教訓どこへ
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/253622
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 引用以上

 もしも、敦賀市に寛文若狭近江地震か慶長地震(複数の震源の一部が若狭だった可能性がある)が再発したなら、ほぼ元旦能登震災と同規模なので、志賀原発構内で50センチの段差が生まれたのと同じ事態になる。原子炉が再稼働していたなら、ほぼ確実に、フクイチ事故と同規模の巨大原発破局が発生する。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%9B%E6%96%87%E8%BF%91%E6%B1%9F%E3%83%BB%E8%8B%A5%E7%8B%AD%E5%9C%B0%E9%9C%87

  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%85%B6%E9%95%B7%E5%9C%B0%E9%9C%87

 そうなれば、京都府全域、福井県全域、岐阜県の一部、関西地方全体に壊滅的な放射能汚染が生じるだろう。
 若狭原発群の大半がPWR加圧式なので160気圧で運用されている。その破壊力はフクイチ事故の数百倍と予想されている。
 多くが40年超の老朽原発なので、PWR独特の耐圧容器の脆性劣化が進行しているため、ECCSが作動しただけで、原子炉が巨大爆発する可能性があるのだ。

 ほとんどの人は、国や学会に欺されて、それが、どれほど恐ろしい結末をもたらすのか理解していない。高市早苗のように、「フクイチ事故では一人も死んでいない」と語る馬鹿もいる。
 放射能事故は、何十年にもわたって人々の遺伝子を破壊し、癌を発生させ続けるのだ。人類の滅亡を目の前に引き寄せるのだ。
 遺伝子の劣化によって、半世紀後に日本民族が失われてしまう可能性さえある。