社会のAI化が人間社会にもたらすものは、天国なのか、地獄なのか?
ホーキング博士の警告 ロボットや人工知能(AI)がもたらすのは天国、それとも地獄 木村正人 2014/12/5
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/b5641f9e82cb0ecbefbc42375f810cb2b0e6ae71
(1)完全なる人工知能の危険性
(2)仕事は増える、増えない わかれる見方
(3)今後20年で消えていく仕事とは
「人工知能は人類に終わりを告げる」
近未来映画『ターミネーター』に出てくる人工知能(AI)スカイネットは殺人ロボットを指揮し、人類を絶滅の危機に追いやろうとする――。
女性を抱きかかえるロボット(著作権Mike_kiev、Dreamstime.com)
こんな未来が現実にやってくると、筋萎縮性側索硬化症の宇宙物理学者スティーブン・ホーキング博士が英BBC放送や英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューに対して警鐘を鳴らした。
「人類が開発に成功している人工知能は非常に役に立つことがわかっている。しかし、完全なる人工知能は人類に終わりを告げる恐れがある」
「ムーアの法則では、コンピューターは1年半ごとに処理速度と記憶容量を2倍にすることができる。コンピューターは自分で能力を向上させ、人間の手を離れて自らを管理する存在になる」
「生物学上ゆっくりとしか進化できない人類は(ものすごいスピードで進化する)人工知能とは競争にならず、取って代わられるだろう」
「プロ棋士」と「コンピューターソフト」が対決する将棋「電王戦」でも、人間のプロ棋士がコンピューターに勝つのは次第に難しくなっている。コンピューターの進歩は日進月歩だ。
航空管制システム、誘導ミサイルなど人間がコンピューターに及ばない分野が増え、人工知能の発達で「グーグルカー」など自動運転の自動車も出現した。こうした技術は人間に幸福をもたらすのか。
それともホーキング博士が言うように、人類を滅ぼす恐れのある存在なのか。
ロボットや人工知能の未来
人工知能が『ターミネーター』のスカイネットのように人類を攻撃し始めるかどうかは別にして、ロボットや人工知能が身近になる日はそんなに遠くない。
米シンクタンク、ピュー・リサーチ・センターが今年8月に発表した報告書によると、ロボットや人工知能は2025年ごろまでに、医療、交通、ロジスティクス(物流管理システム)、顧客サービス、ホームメンテナンスなど日常生活に浸透してくる。
同センターが1896人の専門家にインタビューしたところ、48%が、ロボットやデジタル・エージェント(ユーザーを代行してネットワーク内での処理を自動的に行うプログラム)がブルーカラーやホワイトカラーの労働者から劇的に仕事を奪うと予想した。
ロボットや人工知能の普及は貧富の格差を拡大し、労働者の失業や神経衰弱を引き起こすと指摘するなど、暗い未来、ディストピアを思い描いていた。
これに対し、残り52%は今の仕事は本質的にロボットやデジタル・エージェントによって取って代わられるが、産業革命の時と同じように新しい仕事が創出されると楽観的に考えていた。
小規模で職人芸的な生産方式が見直され、ロボットや人工知能の普及は労働時間を短縮し、生活の質を向上させる。しかし、旧態依然とした教育制度は時代遅れとなり、知的産業革命に備える新しい教育が必要になるという。
「歴史的にも技術的にも技術革新は仕事を奪う以上に多くの仕事を生み出してきた。今回だけ違うと考える理由がない」(インターネットの父と呼ばれるヴィントン・サーフ氏)
なくなる仕事、生き残る仕事は?
1500年、英国の労働力の75%が推定で農業に従事していた。1800年までにその割合は35%まで減少した。
米国では1950年代に工業に携わる労働者は全体の約30%だったにもかかわらず、今では10%未満まで縮小。一方、サービス産業の労働者は全体の50%未満から約70%にまで拡大した。
人類は時代の変化にしたたかに、たくましく順応してきた。未来を悲観する必要はないが、過去にとらわれ、変化を拒む種は淘汰される。
経済産業省は、成長戦略を支える「ものづくり」人材を強調するが、果たして「ものづくり」だけで日本は21世紀を生き残れるのか。
英名門オックスフォード大学のカール・フレイ氏とマイケル・オズボーン氏が昨年、発表した研究によると、これから20年間に、会計事務や法務など47%の職種でオートメーション化が進む可能性があるという。
なくなっている可能性が0.0028と一番小さかった職種はレクリエーション・セラピスト。
手芸、音楽、動物との触れ合いなどを通じて患者を心身ともにサポートし、日常生活を送れるようにしていく治療法の従事者だ。レクリエーション・セラピストは、高齢化が進む日本の得意分野になるかもしれない。
危機管理ができる管理職も0.003と、ロボットや人工知能に取って代わられる可能性は低かった。
なくなる可能性が0.99と最も高かったのは、電話でモノを売るテレマーケター、時計の修理工、数学の専門家など。
産業革命が人間の筋肉に取って代わったように、知的産業革命は人間の頭脳に取って代わる。日本で大量生産される受験秀才は人工知能が普及すれば、バッサリ切り捨てられる恐れがある。
ホーキング博士が警告する「スカイネット」の出現を心配する前に、「コンピューターにはできない、人間にしかできない仕事」に徹底的にこだわることこそ日本が21世紀を生き抜くカギになりそうだ。(おわり)
**********************************************************
引用以上
私は、AIに関するさまざまな論説を見ていて、すべて、決定的に重要な視点が欠落しているように思えた。だから致命的な欠陥がある。
それはAI化社会を支配する勢力と体制の視点がないことだ。
我々の人間社会は、「階級社会」である。強い立場の者が弱い立場の者を利用し、管理する弱肉強食の社会である。
我々が今いる社会体制は、資本主義であり新自由主義である。だから、コンピュータとAIを支配管理する主体は、資本家であり超大金持ちたちであって、決して労働者、市民ではない。
AI化社会は、誰の利益のために作られるのか?
それは、資本家と超大金持ちたちのためであって、決して労働者、市民のためではない。
それは、過去半世紀の機械化労働の進化と同じ意味を持っている。AIは労働機械の延長にすぎず、だから、そこから産み出される合理化による利益は、すべて体制の管理者と支配権を持っている大金持ちの懐に納まることになっている。
私が底辺の労働者だった時代、荷役は「手積み手降ろし」で、50Kgもの梱包を肩に乗せて運搬する、いわゆる「苦力」だった。
それで1970年代にフォークリフトが普及して、トラックから直接、荷物を置き場まで運べるようになり、もの凄く楽になった。
AIも、フォークリフトの延長として考えられているのだが、我々の仕事が直接の苦役から解放されたとはいえ、合理化、利便化によって生じた利益は、我々、現場労働者のものではなく、企業のものであり、企業経営者のものにすぎなかった。
フォークリフトもAIも企業の利益のために導入されているのである。それは労働者の救済のためではない。
冒頭に紹介したような、「AI社会が人類の未来を変える」という類いの論調は、AI社会が、「資本家=企業の儲けを増やすために導入される」という視点が欠落していて、それが、あたかも全人類のライフスタイルを変えてしまうかのように宣伝しているが、実は、AIを導入させる者たちは、自分たちの利権のためにAIを利用するのであって、全人類のライフスタイルを合理化するために利用するのではないという現実をまるで見ていない。
底辺の労働者にとて、AIはフォークリフト以上の意味を持つものではない。雇傭され、搾取され、利用される本質は何一つ変わらないのだ。
AIは、あらゆるシステムを最適化し、合理化するというが、それを望まない人々もいるのだ。
富士山に登るのに、私は自分の足で苦労して登って達成感を味わいたい。だが、山梨県や富士急グループは、「交通機関を作れば簡単に上れるじゃないか!」と、電車とケーブルカーの設置に邁進している。
「余計なお世話だ!」、我々は自然に自然との交流を求めている。人為的手段を利用したって、満足感が得られないのだ。
AI化を求めている人は、富士山ケーブルカー登山を求めている人と同じ発想なのだ。
リニア中央新幹線で、名古屋と品川間が40分で結ばれる。だが、品川駅も名古屋駅も大深度なので、地上との出入りに往復30分かかる。すると現行1時間半の新幹線と、ほとんど実質移動時間が変わらない。
人口減少と所得減少で、利用者が拡大する可能性も少ない。電気代は新幹線の4倍で、原発を増設再稼働しなければ、システム起動電力の確保が不可能だ。
こんな奇っ怪なシステムに数十兆円の血税が投入されている。
私はAI化社会を推進している人の発想と、リニア新幹線推進の発想は似ていると思う。
AI化社会は、合理化で一部の企業には大きな利権をもたらすにちがいない。しかし、それが、本当に労働者の人間解放につながるのかといえば、極めて疑わしい。
AI化社会で最大の恩恵を受けるのが農業だという。田植え、耕耘、種まき、水やり、収穫が完全自動化されるのだという。もう農民が腰を痛めて、かがんで歩かなくとも良くなる。だが、それによる利益は、誰の懐に入るの?
私たちは、小さな農園を、自分で耕し、種を蒔き、自然とやりとりしながら植物の生長を見守って、収穫の喜びを味わいたい。楽をすれば、楽しいわけではない。
だが、AI化農業は、それを許さなくなるのだ。
AIなんて偉そうに言うが、それは単にプログラムの延長にすぎない。ホーキンスは、やがてプログラムが自分をプログラムするようになり、自律的存在になると、意味がまったく変わってくるといった。そこには人格が生じるというわけだ。
だが、それを管理し、支配するのもまた、AIを導入した資本家=企業なのだ。
だがら自然的悪人やOSO18のような人間社会に害悪をなす存在に変化する確率は限りなく低い。
AIを導入する意思、計画のなかに、それが秘められていたなら話は別だが。
私がAI化社会を否定する最大の理由が、その脆弱性にある。
それは、まるでEVカーを見ているようだ。EVカーの場合は、充電インフラや、電池の温度特性、電池のエネルギー密度が化石燃料の30分の1しかない決定的脆弱性に加えて、化石燃料自動車が150年の歴史と経験則を持っているのに対し、EVは10年程度の経験則しか持っていない。
AIも同じで、AI化社会の構想が始まって、まだ20年しか経ておらず、実用は10年ほどの経験則しかない。ホーキンスが心配した自律AIなど、どこにも存在しない。
AIの致命的弱点は、それが電気的特性に依存しているということだ。
地球には、電気インフラを壊滅させる可能性のある事象が存在している。
たとえば、太陽黒点活動による強力なフレア、荷電粒子が地球軌道に巻き付くことで、地表のあらゆる金属に誘導電流を発生させ、キャパシティを超えたサージ電流によって、ICチップ回路が破壊される問題だ。
X100級フレアは20年に一度、発生しているとNASAが発表しているが、これまで問題にならなかったのは、その軌道が地球を外れていたからにすぎない。
https://boppo.main.jp/?p=5141
もしも、地球軌道を直撃すれば、想像を超える被害が出るが、それが人工的に行われる可能性も強い。ロシアや中国、北朝鮮は、EMP核爆弾を実戦配備しているといわれる。
これはアメリカのスターフィッシュ大気圏核実験のなかで、宇宙水爆実験を行い、ハワイジョンストン島周辺の電力インフラを破壊し、修復に3年を要した経験から始まっている。当時はICがなく、変電所の変圧器や電気機器のコイルの修復だけですんだ。
https://en.wikipedia.org/wiki/Starfish_Prime
だが、アメリカに敵対する各国が、ハワイの被害をみて、一斉にEMP核爆弾の開発を始めたのだ。
この水爆は、最初死者を出さないので、第三次世界大戦のはじめに使われるといわれている。
https://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6115139.html
このとき、IC回路の塊といえるAIシステムは、真っ先に破壊される。事実上復旧不能くらいまで叩き壊されるだろう。実は、電気水道ガスなど、生活インフラの大半にICチップが使われるようになっていて、その被害は、EMPが爆発すれば、地域住民の9割がインフラ崩壊によって死滅すると米軍が報告しているほどだ。
世界中のコンピュータが二度と使いものにならないほどサージ電流によって回路を焼かれてしまう。
問題は、現在の航空機、兵器、自動車、船舶で、IC回路のお世話にならないものは皆無ということだ。人々はICを使っていない1970年代以前の車を使わねばならなくなるが、そんなものはすでに存在しない。
これらが、一斉に粗大ゴミになることで、人間社会は19世紀に戻らなければならなくなる。
どういうことかというと、まずは食料を生産するために、畑をスコップや鍬で耕さねばならなくなる。そして散水、収穫まで全部手作業になる。
このとき、AIに依存していた人々は悲惨な事態になるだろう。そもそも、ろくに歩かずに無人自動車を喜んでいた人たちが、本当に畑を耕せるのか?
大切なことは、車に頼らず歩ける能力、畑を耕せる能力、収穫できる能力なのだ。
AI化を喜ぶよりも、前世紀のこうした人間力を確保してゆくことが、地球で生き延びるために本当に必要なことだ。
AIが人間社会を救うなんてのは、幻想にすぎない。
それは資本家の利益を増すためにのみ必要なものなのだ。
我々、人間解放を求める者は、AIなど見向きもせずに自然力、人間力を確保し、鍛えてゆくことが必要であり。自然的人間の価値観のなかに生きてゆく必要がある。
AIのバックボーンは、あまりにも脆弱である。たかだか70年程度の歴史しかない技術に幻想を抱いてはならない。
AIは人類史のなかで、線香花火のように光って消えてゆく運命なのだ。
ホーキング博士の警告 ロボットや人工知能(AI)がもたらすのは天国、それとも地獄 木村正人 2014/12/5
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/b5641f9e82cb0ecbefbc42375f810cb2b0e6ae71
(1)完全なる人工知能の危険性
(2)仕事は増える、増えない わかれる見方
(3)今後20年で消えていく仕事とは
「人工知能は人類に終わりを告げる」
近未来映画『ターミネーター』に出てくる人工知能(AI)スカイネットは殺人ロボットを指揮し、人類を絶滅の危機に追いやろうとする――。
女性を抱きかかえるロボット(著作権Mike_kiev、Dreamstime.com)
こんな未来が現実にやってくると、筋萎縮性側索硬化症の宇宙物理学者スティーブン・ホーキング博士が英BBC放送や英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューに対して警鐘を鳴らした。
「人類が開発に成功している人工知能は非常に役に立つことがわかっている。しかし、完全なる人工知能は人類に終わりを告げる恐れがある」
「ムーアの法則では、コンピューターは1年半ごとに処理速度と記憶容量を2倍にすることができる。コンピューターは自分で能力を向上させ、人間の手を離れて自らを管理する存在になる」
「生物学上ゆっくりとしか進化できない人類は(ものすごいスピードで進化する)人工知能とは競争にならず、取って代わられるだろう」
「プロ棋士」と「コンピューターソフト」が対決する将棋「電王戦」でも、人間のプロ棋士がコンピューターに勝つのは次第に難しくなっている。コンピューターの進歩は日進月歩だ。
航空管制システム、誘導ミサイルなど人間がコンピューターに及ばない分野が増え、人工知能の発達で「グーグルカー」など自動運転の自動車も出現した。こうした技術は人間に幸福をもたらすのか。
それともホーキング博士が言うように、人類を滅ぼす恐れのある存在なのか。
ロボットや人工知能の未来
人工知能が『ターミネーター』のスカイネットのように人類を攻撃し始めるかどうかは別にして、ロボットや人工知能が身近になる日はそんなに遠くない。
米シンクタンク、ピュー・リサーチ・センターが今年8月に発表した報告書によると、ロボットや人工知能は2025年ごろまでに、医療、交通、ロジスティクス(物流管理システム)、顧客サービス、ホームメンテナンスなど日常生活に浸透してくる。
同センターが1896人の専門家にインタビューしたところ、48%が、ロボットやデジタル・エージェント(ユーザーを代行してネットワーク内での処理を自動的に行うプログラム)がブルーカラーやホワイトカラーの労働者から劇的に仕事を奪うと予想した。
ロボットや人工知能の普及は貧富の格差を拡大し、労働者の失業や神経衰弱を引き起こすと指摘するなど、暗い未来、ディストピアを思い描いていた。
これに対し、残り52%は今の仕事は本質的にロボットやデジタル・エージェントによって取って代わられるが、産業革命の時と同じように新しい仕事が創出されると楽観的に考えていた。
小規模で職人芸的な生産方式が見直され、ロボットや人工知能の普及は労働時間を短縮し、生活の質を向上させる。しかし、旧態依然とした教育制度は時代遅れとなり、知的産業革命に備える新しい教育が必要になるという。
「歴史的にも技術的にも技術革新は仕事を奪う以上に多くの仕事を生み出してきた。今回だけ違うと考える理由がない」(インターネットの父と呼ばれるヴィントン・サーフ氏)
なくなる仕事、生き残る仕事は?
1500年、英国の労働力の75%が推定で農業に従事していた。1800年までにその割合は35%まで減少した。
米国では1950年代に工業に携わる労働者は全体の約30%だったにもかかわらず、今では10%未満まで縮小。一方、サービス産業の労働者は全体の50%未満から約70%にまで拡大した。
人類は時代の変化にしたたかに、たくましく順応してきた。未来を悲観する必要はないが、過去にとらわれ、変化を拒む種は淘汰される。
経済産業省は、成長戦略を支える「ものづくり」人材を強調するが、果たして「ものづくり」だけで日本は21世紀を生き残れるのか。
英名門オックスフォード大学のカール・フレイ氏とマイケル・オズボーン氏が昨年、発表した研究によると、これから20年間に、会計事務や法務など47%の職種でオートメーション化が進む可能性があるという。
なくなっている可能性が0.0028と一番小さかった職種はレクリエーション・セラピスト。
手芸、音楽、動物との触れ合いなどを通じて患者を心身ともにサポートし、日常生活を送れるようにしていく治療法の従事者だ。レクリエーション・セラピストは、高齢化が進む日本の得意分野になるかもしれない。
危機管理ができる管理職も0.003と、ロボットや人工知能に取って代わられる可能性は低かった。
なくなる可能性が0.99と最も高かったのは、電話でモノを売るテレマーケター、時計の修理工、数学の専門家など。
産業革命が人間の筋肉に取って代わったように、知的産業革命は人間の頭脳に取って代わる。日本で大量生産される受験秀才は人工知能が普及すれば、バッサリ切り捨てられる恐れがある。
ホーキング博士が警告する「スカイネット」の出現を心配する前に、「コンピューターにはできない、人間にしかできない仕事」に徹底的にこだわることこそ日本が21世紀を生き抜くカギになりそうだ。(おわり)
**********************************************************
引用以上
私は、AIに関するさまざまな論説を見ていて、すべて、決定的に重要な視点が欠落しているように思えた。だから致命的な欠陥がある。
それはAI化社会を支配する勢力と体制の視点がないことだ。
我々の人間社会は、「階級社会」である。強い立場の者が弱い立場の者を利用し、管理する弱肉強食の社会である。
我々が今いる社会体制は、資本主義であり新自由主義である。だから、コンピュータとAIを支配管理する主体は、資本家であり超大金持ちたちであって、決して労働者、市民ではない。
AI化社会は、誰の利益のために作られるのか?
それは、資本家と超大金持ちたちのためであって、決して労働者、市民のためではない。
それは、過去半世紀の機械化労働の進化と同じ意味を持っている。AIは労働機械の延長にすぎず、だから、そこから産み出される合理化による利益は、すべて体制の管理者と支配権を持っている大金持ちの懐に納まることになっている。
私が底辺の労働者だった時代、荷役は「手積み手降ろし」で、50Kgもの梱包を肩に乗せて運搬する、いわゆる「苦力」だった。
それで1970年代にフォークリフトが普及して、トラックから直接、荷物を置き場まで運べるようになり、もの凄く楽になった。
AIも、フォークリフトの延長として考えられているのだが、我々の仕事が直接の苦役から解放されたとはいえ、合理化、利便化によって生じた利益は、我々、現場労働者のものではなく、企業のものであり、企業経営者のものにすぎなかった。
フォークリフトもAIも企業の利益のために導入されているのである。それは労働者の救済のためではない。
冒頭に紹介したような、「AI社会が人類の未来を変える」という類いの論調は、AI社会が、「資本家=企業の儲けを増やすために導入される」という視点が欠落していて、それが、あたかも全人類のライフスタイルを変えてしまうかのように宣伝しているが、実は、AIを導入させる者たちは、自分たちの利権のためにAIを利用するのであって、全人類のライフスタイルを合理化するために利用するのではないという現実をまるで見ていない。
底辺の労働者にとて、AIはフォークリフト以上の意味を持つものではない。雇傭され、搾取され、利用される本質は何一つ変わらないのだ。
AIは、あらゆるシステムを最適化し、合理化するというが、それを望まない人々もいるのだ。
富士山に登るのに、私は自分の足で苦労して登って達成感を味わいたい。だが、山梨県や富士急グループは、「交通機関を作れば簡単に上れるじゃないか!」と、電車とケーブルカーの設置に邁進している。
「余計なお世話だ!」、我々は自然に自然との交流を求めている。人為的手段を利用したって、満足感が得られないのだ。
AI化を求めている人は、富士山ケーブルカー登山を求めている人と同じ発想なのだ。
リニア中央新幹線で、名古屋と品川間が40分で結ばれる。だが、品川駅も名古屋駅も大深度なので、地上との出入りに往復30分かかる。すると現行1時間半の新幹線と、ほとんど実質移動時間が変わらない。
人口減少と所得減少で、利用者が拡大する可能性も少ない。電気代は新幹線の4倍で、原発を増設再稼働しなければ、システム起動電力の確保が不可能だ。
こんな奇っ怪なシステムに数十兆円の血税が投入されている。
私はAI化社会を推進している人の発想と、リニア新幹線推進の発想は似ていると思う。
AI化社会は、合理化で一部の企業には大きな利権をもたらすにちがいない。しかし、それが、本当に労働者の人間解放につながるのかといえば、極めて疑わしい。
AI化社会で最大の恩恵を受けるのが農業だという。田植え、耕耘、種まき、水やり、収穫が完全自動化されるのだという。もう農民が腰を痛めて、かがんで歩かなくとも良くなる。だが、それによる利益は、誰の懐に入るの?
私たちは、小さな農園を、自分で耕し、種を蒔き、自然とやりとりしながら植物の生長を見守って、収穫の喜びを味わいたい。楽をすれば、楽しいわけではない。
だが、AI化農業は、それを許さなくなるのだ。
AIなんて偉そうに言うが、それは単にプログラムの延長にすぎない。ホーキンスは、やがてプログラムが自分をプログラムするようになり、自律的存在になると、意味がまったく変わってくるといった。そこには人格が生じるというわけだ。
だが、それを管理し、支配するのもまた、AIを導入した資本家=企業なのだ。
だがら自然的悪人やOSO18のような人間社会に害悪をなす存在に変化する確率は限りなく低い。
AIを導入する意思、計画のなかに、それが秘められていたなら話は別だが。
私がAI化社会を否定する最大の理由が、その脆弱性にある。
それは、まるでEVカーを見ているようだ。EVカーの場合は、充電インフラや、電池の温度特性、電池のエネルギー密度が化石燃料の30分の1しかない決定的脆弱性に加えて、化石燃料自動車が150年の歴史と経験則を持っているのに対し、EVは10年程度の経験則しか持っていない。
AIも同じで、AI化社会の構想が始まって、まだ20年しか経ておらず、実用は10年ほどの経験則しかない。ホーキンスが心配した自律AIなど、どこにも存在しない。
AIの致命的弱点は、それが電気的特性に依存しているということだ。
地球には、電気インフラを壊滅させる可能性のある事象が存在している。
たとえば、太陽黒点活動による強力なフレア、荷電粒子が地球軌道に巻き付くことで、地表のあらゆる金属に誘導電流を発生させ、キャパシティを超えたサージ電流によって、ICチップ回路が破壊される問題だ。
X100級フレアは20年に一度、発生しているとNASAが発表しているが、これまで問題にならなかったのは、その軌道が地球を外れていたからにすぎない。
https://boppo.main.jp/?p=5141
もしも、地球軌道を直撃すれば、想像を超える被害が出るが、それが人工的に行われる可能性も強い。ロシアや中国、北朝鮮は、EMP核爆弾を実戦配備しているといわれる。
これはアメリカのスターフィッシュ大気圏核実験のなかで、宇宙水爆実験を行い、ハワイジョンストン島周辺の電力インフラを破壊し、修復に3年を要した経験から始まっている。当時はICがなく、変電所の変圧器や電気機器のコイルの修復だけですんだ。
https://en.wikipedia.org/wiki/Starfish_Prime
だが、アメリカに敵対する各国が、ハワイの被害をみて、一斉にEMP核爆弾の開発を始めたのだ。
この水爆は、最初死者を出さないので、第三次世界大戦のはじめに使われるといわれている。
https://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6115139.html
このとき、IC回路の塊といえるAIシステムは、真っ先に破壊される。事実上復旧不能くらいまで叩き壊されるだろう。実は、電気水道ガスなど、生活インフラの大半にICチップが使われるようになっていて、その被害は、EMPが爆発すれば、地域住民の9割がインフラ崩壊によって死滅すると米軍が報告しているほどだ。
世界中のコンピュータが二度と使いものにならないほどサージ電流によって回路を焼かれてしまう。
問題は、現在の航空機、兵器、自動車、船舶で、IC回路のお世話にならないものは皆無ということだ。人々はICを使っていない1970年代以前の車を使わねばならなくなるが、そんなものはすでに存在しない。
これらが、一斉に粗大ゴミになることで、人間社会は19世紀に戻らなければならなくなる。
どういうことかというと、まずは食料を生産するために、畑をスコップや鍬で耕さねばならなくなる。そして散水、収穫まで全部手作業になる。
このとき、AIに依存していた人々は悲惨な事態になるだろう。そもそも、ろくに歩かずに無人自動車を喜んでいた人たちが、本当に畑を耕せるのか?
大切なことは、車に頼らず歩ける能力、畑を耕せる能力、収穫できる能力なのだ。
AI化を喜ぶよりも、前世紀のこうした人間力を確保してゆくことが、地球で生き延びるために本当に必要なことだ。
AIが人間社会を救うなんてのは、幻想にすぎない。
それは資本家の利益を増すためにのみ必要なものなのだ。
我々、人間解放を求める者は、AIなど見向きもせずに自然力、人間力を確保し、鍛えてゆくことが必要であり。自然的人間の価値観のなかに生きてゆく必要がある。
AIのバックボーンは、あまりにも脆弱である。たかだか70年程度の歴史しかない技術に幻想を抱いてはならない。
AIは人類史のなかで、線香花火のように光って消えてゆく運命なのだ。

コメント
コメントする