トランプと言えば、アメリカ第一主義を口にしながら、法外な関税などで相手国をびびらせて、言いなりにさせる「コケオドシ」で有名な人物だ。
 三度の飯よりも「ディール=取引」が好きであることも世界に知られている。

 大統領選挙に勝ってからは、まさにやりたい放題。アメリカの強大な軍事力を背景に、世界をびびらせるコケオドシを連発してきた。
1月27日、トランプの移民排除政策により、「不法移民」をコロンビアに送り込むことを表明し、これを拒否したコロンビア政府に対し、25%→50%の関税をかけると脅した。
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250127/k10014704681000.html

 これにびびってしまったコロンビア政府は、ただちに拒絶を撤回し、トランプの言いなりになった。これでトランプの「タリフマン=関税男」の恫喝主義がアメリカ保守層の喝采を浴びた。
 https://mainichi.jp/articles/20250127/k00/00m/030/302000c

 トランプが移民排除政策でコロンビアを標的にした理由は、中国人を含む大半の密入国者がコロンビアと中南米、メキシコを経由してアメリカに入国するからだ。
 https://www.bbc.com/japanese/articles/c247r092v2ro

 本来、中南米は、15世紀まで、インカやアステカなど文明の宝庫で、豊かな暮らしが営まれていたことが分かっている。ところがAD1500年前後にコロンブスが南米を「発見し」、この地域を武力制圧して領土化を試みた。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%A4%A7%E9%99%B8%E3%81%AE%E6%A4%8D%E6%B0%91%E5%9C%B0%E5%8C%96

 南米は、スペイン帝国主義によって侵略され、先住民は奴隷化されていった。スペインによる軍事支配は200年以上続いたが、その間に、本来モンゴロイドだった人種までコーカソイド化され、言語もスペイン語に変わっていった。
 人々は帝国主義の圧政と奴隷化によって、ひどく貧しくなり、人口も激減したことで、スペインは黒人奴隷の移送を始めた。
 https://sekainorekisi.com/world_history/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E3%81%AE%E6%88%90%E3%82%8A%E7%AB%8B%E3%81%A1/

 ちなみに、南北アメリカ大陸の先住民は、7300年前に鬼界カルデラ噴火で絶滅したとされる日本縄文人が、太平洋を渡って南米の先住民になったとの説がある。また、数万年前に北に向かって凍結したベーリング海を渡って北米に入ったモンゴロイドが、インディアンになったともいわれる。

 中南米諸国の貧しさは、スペインやポルトガルの残酷な帝国主義侵略によって起きた問題であり、彼らさえ(コロンブスやピサロ)来なければ、今でも幸福で豊かなままだったと思われる。南欧の子孫たちも、搾取に夢中で、南米諸国を豊かに回復させることはできなかった。
 中南米の人々は、最低限の豊かさを求めてアメリカに移住を望んできた。

 北米大陸、アメリカ合衆国は、「移民国家」である。現在人口の99%が移民の子孫といえる。ネイティブ先住民の人口比率は0.8%にすぎない。
 トランプでさえドイツ系移民だ。先住民は、西欧人が上陸してくるまで、おそらく2000万人程度が自然と調和した豊かな生活を送っていた。

 アメリカへ植民地への移住者の中核となったのは、イギリスからの新教徒で、彼らは後にWASP、つまり「白人・アングロ=サクソン・プロテスタント」と言われ、アメリカ社会の中核となっていった。
 しかし、イギリス植民地時代以来、それ以外の多くの民族が新天地での生活を求めて移住してきた。彼らはイギリス人以外にも、フランス人、オランダ人、ドイツ人、それに北欧人など西ヨーロッパ諸地域からの移民であった。
 https://www.y-history.net/appendix/wh1203-078.html

 彼らは、先住民の持たない「銃」という武器を持っていた。この威力を最大限に発揮し、先住民を片っ端から虐殺して、自分たちの領地を拡大していった。
 17〜18世紀に殺戮された先住民は、1000〜2000万人と言われている。それはナチスのホロコーストはるかに上回る「民族浄化殺戮=ジェノサイド」といってもいい。
 https://iirou.com/native-american/

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%B3%E6%88%A6%E4%BA%89

 トランプは、西欧移民の子孫として、アメリカ先住民でさえ、中南米移民と同じように排除しようとしている。
 https://www.nishinippon.co.jp/item/o/1309305/
 これは、中南米移民に外見が似ているから間違えたのではなく、トランプ自身が、「先住民はアメリカ国民ではない」と発言している。
  https://www.yahoo.com/news/excluding-indians-trump-admin-questions-164312466.html?_guc_consent_skip=1737880456

 どうやら、トランプは、米大陸を西欧系移民(白人)の子孫で独占したいようだ。
 つまり、半世紀前までの「白豪主義」、白人優越主義を再現したい下心に満ちているように思える。

 トランプは黒人のオバマ政権を激しく憎悪しており、オバマの行政実績をことごとく否定し、「オバマケア=国民健保政策」や「環境保全合意」などを片っ端から排除している。
 トランプは、白人以外の人々が大嫌いなのだ。だから、移民排除の先に、先住民や黒人の排除が見えているともいえる。
 https://www.huffingtonpost.jp/entry/trump-racism-history_jp_5f9f53f8c5b616c2f31603d0

 トランプの発言は、あまりに傲慢で、権力と武力を背景にした上から目線で、他者への協調性がまるでなく、自分の利権のためなら、どんなホラも吹いて見せるようだ。
 もちろん、根底にバクチ取引主義=ディールがあるので、脅したことすべてを実現させるわけではない。

 たとえば、習近平中国の利権を封じる目的で、大統領就任前には、中国に対し60%の関税をかけると脅した。
 https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/900015849.html

 しかし大統領就任後、突然、カナダとメキシコに対し25%の関税をかけるとともに、中国への追加関税を10%にとどめると発言した。
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250129/k10014706451000.html
 だから、大統領就任前の脅しは、単なるコケオドシにすぎず、何か中国と取引をしたのだろうと推測するしかない。

 トランプの発言は、必ず最初に大袈裟な脅迫的コケオドシがあり、それによって相手をびびらせながら取引をし、結局、たいしたことのない結果に落ち着くのだ。
 トランプの姿勢は、利己的な自己主張と恫喝、上から目線の傲慢さに貫かれていて、他者とのトラブルを起こさない平和的協調は一切含まれていない。
 たぶん17世紀の西欧帝国主義者たちも、同じような傲慢さだったのだろう。

 ただ、問題は、コケオドシによる取引の成果がなんだったのか? ということだ。
 トランプは、中国・習近平やロシア・プーチンとも取引をすると公言してきた。
 とりわけ、ロシアに対して、「自分は就任後、1日でウクライナ戦争を終わらせる」と発言していた。
 大統領就任後、1日ではなく6ヶ月以内と訂正した。
 https://news.yahoo.co.jp/articles/dab1c9c0e4800b1ee72045fd4ce09a269f1ef127

 トランプは、大統領就任前、クリミアやドネツクなど、ロシアの占領地域を、そのままロシア領としてウクライナに認めさせる。
 ウクライナへの資金援助を完全停止する。武器も供給しないと言った。これはウクライナ側の息の根を止めるに等しい。しかし、アメリカ国家を背景にされるなら、ウクライナにはなすすべもない。
 https://www.youtube.com/watch?v=q_JrAbBqIxw&ab_channel=%E6%97%A5%E3%83%86%E3%83%ACNEWS

 トランプのこの発想は、尖閣諸島の領有についても、中国に譲り渡す可能性を意味している。
 トランプは、相当以前から、台湾・尖閣と習近平と取引し、台湾の保全と引き換えに、尖閣諸島を中国に譲渡させる可能性を示唆してきた。
 https://www.sankei.com/article/20160530-ME2T6SHB45IH3NQZBQQIT4IJWU/

 https://www.sankei.com/article/20170508-MBVXZN6KM5NGJKPSO7QHVJEH3Q/

 また、日本や韓国、NATO諸国の米軍基地についても、防衛負担額を一気に増やすことを発言してきた。
 
 日本の防衛費、GDPの3%を要求?第2次トランプ政権でどうなる日米関係 トランプ2.0と日米関係 2024.11.12
 https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/84322?page=1

 日本のGDPは608兆円だから、3%は約18兆円、現在の日本側負担金は、0.8兆円程度といわれているので、約22倍ということになる。防衛費総額でいえば現在日本は9兆円で、約2倍ということになる。
 日本政府は、実は、どれくらいアメリカに安保分担金を支払っているのか隠してしまっているので正確には分からないが、トランプ政権によって一気に数倍以上に膨れ上がるのは確実である。

 同じことを韓国や欧州NATO諸国にも分担金の増額を要求している。だから、各国の対アメリカの経済的負担が激増することは間違いなく、国家財政破綻を来している韓国にはとうてい無理であり、韓国を東側に追いやることになるだろう。
 日本も、財務省の悪質な増税路線のせいで国家経済が破綻寸前なので、防衛費増額は、確実に日本国民の激怒と反乱を招くにちがいない。

 これで何が起きるかといえば、これまでのアメリカの同盟国、協力国のアメリカ離れであり、もうアメリカの強欲に迎合すれば、あらゆる国が経済破綻を免れないほど追い詰められ、結局、NATO条約を廃棄し、アメリカ抜きの新たな軍事同盟を作り出すしかないということになる。
 トランプの上から目線の命令に、喜んで従う国など存在しなくなるということだが、ポチといわれる米従属国の日本が、どのような姿勢で臨むのかが注目される。

 なお、ウクライナについては、中国共産党がロシア側に兵士を送り込んでいる事実が確認された。
 https://www.youtube.com/watch?v=Ut1z_cRFsfk

 これをトランプが、どのような姿勢で臨むのか? このままウクライナを見捨てて、(お友達の)プーチンに迎合する姿勢を続けるなら、アメリカ国内からも激しい批判が巻き起こるに違いない。
 トランプも78歳と高齢であり、印象としては人生最後の残り火を燃やしているように見える。つまり、トランプの余命は短いように見える。
 すると、トランプ死後の米国政策はバンス副大統領にかかってくる。

 【米大統領選2024】 ヴァンス副大統領候補はどんな人物か かつてトランプ前大統領を酷評 BBC 2024年7月16日
 https://www.bbc.com/japanese/articles/clly1r601rqo

 https://www.bbc.com/japanese/articles/c3gvy7ky327o

 バンスは、「子供のいない猫おばさんたちに米国が牛耳られている」と発言した。
 「子供を作る」という米国の保守的な秩序を強く主張しているので、プロテスタント福音派の思想を踏襲しているのは間違いない。
 つまり、生粋の共和党思想のなかにいる。

 トランプは、「ディープステートと戦う」と口走ったが、ディープステートの本体は、FRB(ユダヤ人による中央銀行)であり、その武力装置としてFBIやCIAがある。共和党は、FRBと一体である。
 2018年にユダヤ教徒に改宗したトランプは、ユダヤ人の総本山であるFRBと戦えるはずがない。だからトランプの発言は、単に「陰謀論者」たちの票をもらいたいにすぎなかった。

 バンスはどうかといえば、「ディープステート」など一切口にしない。古いアメリカの福音派秩序の上に居座っている。
 トランプ・バンスともに、結局、アメリカの人々を封建的思想に回帰させて縛ることしかしないだろう。
 それは女性差別の思想である。女性を男のための道具としてしかみない。LGBTなど、価値観の多様化を排除して、古い秩序に回帰させることだ。

 トランプは、世界を中国・ロシアとアメリカの三分割支配下に置きたいのではないか?
 習近平とプーチンを相手にしたテーブルの上で、トランプ・ディールを続けたいようにしか見えないのだ。
 その視界には、台湾も日本も、もちろん韓国も含まれていない。それらはトランプがディールに利用する駒でしかない。

 だが、上の三人は、もう時間の問題でこの世から消え去る運命だ。その後、どんな秩序が生まれるのだろう。私には、もの凄い大殺戮社会が訪れるようにしか見えないのだが……。