ある技術者の死、追い込んだのは「ずさん」捜査 起訴取り消しの波紋 朝日有料記事 2021年11月4日
https://www.asahi.com/articles/ASPC374G6PBDUTIL03Q.html
一人の技術者が今年2月、病院で息を引き取った。機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の顧問だった相嶋静夫さん、72歳。胃がんだった。
この11カ月前、相嶋さんは社長の大川原正明さん(72)や元役員の島田順司さん(68)とともに警視庁に逮捕され、起訴されていた。
かけられた嫌疑は、兵器の製造に転用できる機械を無許可で輸出した、という外国為替及び外国貿易法(外為法)違反だった。ところが相嶋さんが亡くなってから5カ月たった今年7月、東京地検は大川原さんと島田さんの起訴を取り消した。機械が規制の対象外だった可能性が浮上したためだ。
相嶋さんは拘置所に勾留されている間にがんの診断を受け、生前に名誉回復を果たすことはかなわなかった。会社側の弁護士は捜査を「当局の暴走」と批判し、遺族は「責任を明確にしてほしい」と訴えている。
大川原化工機は、1980年代から開発・販売する「噴霧乾燥機」で国内シェアトップのメーカーだ。液体を粉に加工する機械で、カップラーメンのスープの粉や粉末コーヒーの製造工程で活用されている。
この機械が捜査対象になった。
外為法では、一定の要件(性能など)を満たす機械は生物兵器の製造に転用できるとして、輸出には国の許可が必要だとしている。
輸出規制の要件の一つに「装置の内部の滅菌または殺菌ができること」があった。噴霧乾燥機に備え付けられているヒーターを使えば装置内部を温めることができ、温度が90度以上に上昇するため滅菌や殺菌ができる、というのが警視庁の見立てだった。
2018年10月、警視庁は大川原化工機を家宅捜索した。
だが会社側は「装置は滅菌や殺菌をできる性能は備えていない。だから経産省にも許可申請をする必要もない」と考えていた。後に会社の代理人弁護士が実験したところ、内部が50度程度にしかならない部分が見つかったという。
「何を疑われているのかさえ分からなかった」。大川原さんは振り返る。
幹部や社員ら約50人が任意の事情聴取に計264回応じた。それにもかかわらず、3人は家宅捜索から1年5カ月後に逮捕された。
以下、有料記事
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引用以上
警視庁公安部は、全国の警察組織のなかでも、もっとも悪名高い部署で、どんな卑劣な証拠捏造や歪曲、人権侵害も平然と行うことで、一般の警察官からひどく嫌われていた。
https://www.news-postseven.com/archives/20190216_871453.html?DETAIL
その公安警察が、大河原化工機のラーメンスープ粉末化設備を、「細菌兵器転用可能」輸出規制=外為法違反として立件し、経営幹部を逮捕勾留した。
液体粉末化設備そのものは、真空乾燥機の原理であり、たぶん私でも自作できるくらいの代物だ。安価で小型の家庭用真空乾燥機を持っている人も多いはずだ。
https://www.amazon.co.jp/-/en/Milageto-Vacuum-Desiccator-Double-Bottle/dp/B0CMJ61QXC/ref=sr_1_4?crid=112RVEWSGDJL8&dib=eyJ2IjoiMSJ9.vhzCIn7uuDSzN-LgRQw2-oI01J9utbM6f5uGBt8QeAcwricto6H9rhhM9RCZraIx_nAL23OQtR_gFJLx5aHRYn8xErosR_HMN1lVrnQU4xVWdtF8NLvIZhSnOebTIsIDc_0FyUy8GcPHGQDJclVCO5ltfih3TBe1Uvojvk1X3yyS5-cmiIGE1nA5dEtXX2t2z4jGlNaxOCUfYs8F1ejI1ZluBTSF8hXOEl0xuzTZArfY7vvv9NscVb3z05CFtHi65VWvLP1IwpYc8loYaqhWM_F1FNlU5QGFka0pUuFYNlM.C9LCbiHEzTAe1uTYDA3W0DAHPYxP2kCZsGdAM3bxKpY&dib_tag=se&keywords=%E7%9C%9F%E7%A9%BA%E4%B9%BE%E7%87%A5%E6%A9%9F&qid=1750114196&sprefix=%E7%9C%9F%E7%A9%BA%E4%B9%BE%E7%87%A5%E6%A9%9F%2Caps%2C207&sr=8-4
それを無理やり、細菌兵器製造装置とみなし、言いがかりをつけて大河原化工機を狙い撃ちにして関係者を逮捕、1年半にわたって拘束した。
アマゾンで7000円で売られている真空乾燥機と細菌兵器製造装置との違いは、単純に内部滅菌装置の有無だけである。
(実は、戦時中、731部隊の兄弟部隊である陸軍登戸研究所が、アメリカに飛ばす目的で風船爆弾を作ったが、このとき、ペストや天然痘、炭疽菌を培養し、粉末化して休眠させるため真空乾燥機を製造していた)
こんなもの中国軍や北朝鮮なら朝飯前に作るだろう。
なぜ、無理やり、輸出犯罪としたのかというと、後の裁判で、警視庁公安部の責任者が、出世欲から摘発による表彰を狙って、罪を捏造したと、三名の捜査員が証言している。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20241009/1000109839.html
大河原化工機相談役の相嶋静雄さんが逮捕勾留されたのが、2020年3月、半年後の9月ころ、相嶋さんは東京拘置所内で体調を悪化させ、下血した。
弁護側は四回にわたって、勾留停止、専門医療機関での治療を求めたが、東京地検と裁判所によって、いずれも却下された。
2020年10月7日、拘置所内で内視鏡検査を受け、胃癌であることを告げられていた。弁護側は五回目の保釈請求を行ったが、「証拠隠滅の恐れ」を理由に却下された。
ところが、このころ警視庁公安部の捜査員のほとんどが、大河原化工機事件が証拠を捏造された冤罪事件であることを理解していた。
2020年11月5日、やっと勾留執行停止が認められ、相嶋さんは横浜の病院に入院できたが、このとき、すでに肝臓に転移して末期の状態だった。
2020年12月28日、裁判所は逮捕された3名の保釈を許可したが、東京地検が準抗告で異議を申し立て、数時間後、別の裁判官によって保釈は却下された。
2021年になると、もはや緩和ケア以外の治療手段がなくなり、2月7日に、相嶋静雄さんは死亡した。
これは司法による「冤罪殺人」と断定できる事件である。
相嶋さんの死後、2021年7月30日、突然、東京地検による大河原化工機に対する起訴が取り上げられ、完全な冤罪であったことを司法が認めた。
だが、司法のによる「未必の故意」によって殺害された相嶋さんの命は永久に戻ってこない。これは冤罪死刑執行に等しい!
2025年6月11日、東京地検は大河原冤罪事件の損害賠償訴訟の上告を断念し、地検と警視庁公安部の敗訴が確定した。
https://www.youtube.com/watch?v=7AtU7B-1O1g&ab_channel=TBSNEWSDIGPoweredbyJNN
問題は、相嶋さんが2020年3月に逮捕勾留され、その後、東京拘置所内で、体調不良を訴えても、7月に立つことも不可能になり、下血するまで検査や治療がまったく行われなかったことである。
この理由について、なるほど納得できる情報が公開された。
東京拘置所から医師が去って行く…現場が訴えた「医務部長の不当支配」 法務省へ5回も公益通報したのに 2025年6月16日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/412154
不当な人事異動やパワハラを受けたとして、東京拘置所(東京都)や金沢刑務所(金沢市)に勤務していた医師らが16日、法務省に公益通報による再調査や人事の撤回を求め、申し入れ書を提出した。
◆報復人事や強圧的な言動…法務省に調査を申し入れ
同日、医師や代理人弁護士計9人が記者会見した。申し入れ書によると、東京拘置所では医務部長の人事権の乱用を理由にこれまでに3人の常勤医師が退職。その結果、専門外の治療を求められた常勤内科医が適応障害を発症して休職するなど医師不足が深刻だという。
医務部長は、2カ月前に内示するとの慣例に反し、医師らに地方への異動を命じたほか、定年延長を希望する医師に対して「大丈夫」と説明しながら延長を認めなかった。「指示や方針に従えない者は辞めてもらう」と退職を強要するような発言もあったという。
さらに本年度、「予算不足」を理由に、非常勤内科医4人を雇い止めにした。
医務部長による不当な人事異動が続いているとして、昨年11月から今年2月に医師らが5回にわたって法務省に公益通報した。その後、医師らのうち一人は医務部長から異動を命じられ、退職せざるを得ない状況だという。代理人の上本忠雄弁護士は「異動は公益通報に対する不利益処分で、直ちに撤回を求める」と訴えた。
◆金沢刑務所でも公益通報後に異動命令
金沢刑務所では、医療スタッフの対立で糖尿病の受刑者へのインスリン投与を中止したほか、摂食障害の収容者に点滴を処方しないなどの事案があり、公益通報した女性医師(49)が異動を命じられた。
会見した医師は「不本意かつ不当な人事を受けたことで被った精神的苦痛や関連する公益通報の全容と放置の実態について、金沢刑務所の責任を明確にしたい」と訴えた。
法務省は「個別の人事について回答を控えている。申し入れはどのような意見があったかも、相手方がある話なので回答を控えている」とコメントした。
【関連記事】国に公益通報もダメだった…受刑者の医療を改善しようとした医師、金沢刑務所の幹部からパワハラを受けて
https://www.tokyo-np.co.jp/article/410288
【関連記事】「拘置所だから」医療の質が低くてもいいのか 冤罪と病に苦しみながら亡くなった男性の息子の涙と怒り
https://www.tokyo-np.co.jp/article/315858
受刑者には医薬品すら「超レアアイテム」という現実…拘禁刑が導入された今、こんな医療環境のままでいいのか 2025年6月17日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/412163
金沢刑務所(金沢市)や東京拘置所(東京都葛飾区)で勤務していた医師らが、相次いで「異常事態」を訴えている。16日にあった記者会見でも、名実ともに一般と同等の医療態勢を求めた。今月からは受刑者が更生を目指す「拘禁刑」が始まったばかり。心身ともに健康な状態こそ再犯防止の新たな一歩になるのでは。刑務所医療のあるべき姿を考えた。 (木原育子)
◆民間の医療現場とは別世界
カビだらけの壁や物品庫、穴が開いた天井。20年前の酸素ボンベが放置され、人工呼吸に使う救急バッグも劣化で使えない−。
2022年1月から金沢刑務所に勤務し始めた女性医師(49)が東京都内で会見に臨み、矯正医療の現状を切々と語った。民間医療機関で勤務した経験もあるこの医師は「慢性疾患がある人を計画的に診るには不足した状態だった。ミーティングも少なく、情報共有もできていなかった」と明かした。
2023年4月に自身が医務課長に就任すると、「医務課改善プロジェクト(PT)」を掲げ、ともに会見に臨んだ非常勤の女性医師(58)を新たに採用するなど改革を進めようとした。
◆予算に制約、改革は不要という空気感
だが、その壁を阻んだのは同じ職場の医療関係者。女性医師たちより長く矯正医療に携わってきた医師らが、受刑者に対して一般と同等の医療を講じることに抵抗し続けた。「医療より処遇を最優先すべきだ」などの訴えを繰り返したという。
代理人の海渡雄一弁護士は「被収容者の医療は劣等なものであって構わないとの根強い意識がある。そして、この予算では劣等なことしかやれないとの開き直りがある」と指摘する。
改革派と守旧派の溝は埋まらず、女性医師らが幹部に相談すると、今度は逆に「東京拘置所では医師を2人辞めさせてきた」などと言われた。昨年5月から5度にわたって実施した公益通報でも、抜本的な是正措置は講じられなかった。
◆「一般の医療水準に照らし適切な措置を講ずる」はずが
同じころ、東京でも異常な状況が続いていた。
東京拘置所で働く男性医師(50)は、矯正医療を束ねる医務部長(医師)が2023年7月に着任して以降、不当な人事異動やパワハラが続いてきたと証言する。
見かねて昨年11月から法務省に5回にわたって公益通報を実施。だが、「不措置」決定の結果に。一方で、その決定から1週間後の5月30日、通常は2カ月前の内示が、突然7月1日付で川越少年刑務所(埼玉県)への異動を命じられた。
先輩医師に誘われた2007年以降、18年にわたって矯正医療にささげてきたこの医師。「正直唖然(あぜん)とした。公益通報に対する報復としか思えなかった」と訴える。
刑務所の中の医療環境は2007年施行の刑事収容施設法で、「一般の医療水準に照らし適切な措置を講ずる」と定めているが、金沢刑務所でも東京拘置所でもそれらは「建前」で、一般の水準とはかけ離れた事態が続いてきたことがわかる。
「大川原化工機」の冤罪(えんざい)事件でも、元顧問相嶋静夫さん=当時(72)=が勾留中に適切な医療につながれず、命を落とした。
男性医師は「この状態で東京拘置所で措置し続けても対応できないと、多くの医師が心配していた」と当時の様子を明かす。
「刑務所の中では全ての薬がそろっているわけではなく、ある中でやるというのが実態だ」と語り、一方でこうも訴えた。「特殊な医療環境だが、一般医療ではあまり出会えない背景を持った方や、置かれてきた環境によって特殊な症状のケースもあり、医師として非常にやりがいのある現場だった」
◆「医師と話すのは至難の業」
実際、医療を受ける側はどう感じてきたのか。
関東圏の刑務所に2019年から3年半服役していた男性(56)は週に1度、准看護師資格を取った刑務官の巡回で、必要と判断されると、ようやく医師につながることができたという。「医師と話すのは至難の業。薬を所持できるのは受刑者の中で大変なステータスになる」
60代の女性は服役中に新型コロナに感染。「ろくな薬もなく、一人部屋に取り残され、このまま死ぬのかなと不安だった」と振り返る。
そんな出所者たちを受け入れる更生保護施設で働く女性(57)も「身体がぼろぼろになって出てくる出所者もいる」と語り、「特に口腔(こうくう)ケア。万病の元で、もう少し刑務所の中でケアしてほしい」と訴える。
◆刑務所内の医療費は一般の3分の1以下
そもそも受刑者は健康保険などが使えず、原則国庫負担。そのため法務省が発行した「矯正医療」に関するパンフレットにも「需要と供給のバランスを配慮し、治療的優先順位を決定しなければならない」と堂々と記されている。
長年刑務所医療の改善に取り組んできた龍谷大の赤池一将名誉教授(刑事法学)は「刑務所の外で医師は診療ガイドラインに沿って健康保険が適用される検査や治療を行うが、その普通の診療が国費で行う施設医療では難しい。国は予算を惜しまぬと言うが、刑務所の中の医療費は1人当たりで通常の3分の1以下。検査をさせず手遅れになる例は多い」と訴える。
刑務所で看護師として勤務経験がある新潟県立看護大の舩山健二講師も「一般社会では病院に行くことは仕事ができないなど損失の方が大きいが、刑務所では診察の間は刑務作業も免除され、無料で病気を治してもらうことができ、利点が勝る」とその特殊性を説く。
「矯正医療の現場はいつもデュアルロイヤルティー(二重の忠誠心)に悩まされている。国の治安を守る責務と患者を守る責務だ。例えば外部の医療機関を受診させる際、どちらを優先するか葛藤する場面があるが、医療職である限り、医師としての倫理的な判断が尊重されるべきではないか」と投げかける。
◆ボロボロの体で社会復帰させても…
そんな環境も相まって、刑務所の中の医療を担う「矯正医官」(医師)のなり手不足は深刻だ。少なくとも20年近く一度も定員に達していない。2014年には252人と定員の8割に満たない深刻な医師不足に。
2015年に解消策としてフレックス制勤務の導入などを盛り込んだ「矯正医官の兼業及び勤務時間の特例等に関する法律」が成立。定員の9割近くを満たすまで落ち着いたが、受刑者の高齢化率が高くなることで疾病も増えると予想される。
さらに今月1日からは、懲らしめるという意味合いの懲役刑などをなくし、拘禁刑が導入された。南山大の沢登文治教授(憲法)は「身体の自由を奪い、大多数を1カ所に収容して管理する発想自体、問題が起こらないはずがない」とし、「刑務所医療を改善充実させるのは当然で、そうでなければ、拘禁刑が始まっても社会復帰の効果は限定的になる。
心身の課題を解決せずに社会に戻っても、長く社会にとどまることはできないからだ。模索を続ける努力はますます重要になる」と訴える。
一橋大の本庄武教授(刑事法)は「現状では、本当に診察が必要な人を見落とす危険性がある。医師が所長の指揮命令下にあり、予算上の制約などで、必要な医療を提供することが困難な場合も出てくる。
医療を外部委託して指揮命令系統から外すなど、根本から考え直す時期に来ているのではないか」と話す。
前出の赤池氏もこう続ける。「公益通報を行う現場へのこうした仕打ちを行い続ければ医師不足は今後も続く。現場の医師の訴えに真摯(しんし)に耳を傾け、社会一般の医療水準を確保するために、この構造的な問題について抜本的な改革を検討すべき時期がきている」
◆デスクメモ
刑務所や拘置所の内情を知る機会は少ない。その閉鎖性から刑務官による暴行や虐待が問題に。公益目的で問題を指摘した医師を異動によって排除するのでは、施設の医療環境のさらなる悪化を招くだけだ。過去の反省から「開かれた刑務所」を目指していたのではなかったのか。(祐)
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引用以上
つまり、東京拘置所「医務部長」が、ひどいパワハラ体質で、担当医が治療を必要と診断した患者に対する治療をまったく認めなかったと告発されている。
この医務部長は、冤罪かもしれない未決勾留者の人権を一切認めず、犯罪者と見下して、家畜と同列視していたのである。
こんな極悪医務部長の氏名を明らかにしようと調べたが、一切公開されていない。まずは個人の氏名を公開して社会全体で責任追及することが必要だ。
ネット上でも、「犯罪者には人権がないから当然」と述べる者もいるが、それも身元を特定し、個人の責任を明らかにして発言させるべきだ。
自分の発言に自信があるなら、こそこそと身元を隠して発言するな!
https://www.asahi.com/articles/ASPC374G6PBDUTIL03Q.html
一人の技術者が今年2月、病院で息を引き取った。機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の顧問だった相嶋静夫さん、72歳。胃がんだった。
この11カ月前、相嶋さんは社長の大川原正明さん(72)や元役員の島田順司さん(68)とともに警視庁に逮捕され、起訴されていた。
かけられた嫌疑は、兵器の製造に転用できる機械を無許可で輸出した、という外国為替及び外国貿易法(外為法)違反だった。ところが相嶋さんが亡くなってから5カ月たった今年7月、東京地検は大川原さんと島田さんの起訴を取り消した。機械が規制の対象外だった可能性が浮上したためだ。
相嶋さんは拘置所に勾留されている間にがんの診断を受け、生前に名誉回復を果たすことはかなわなかった。会社側の弁護士は捜査を「当局の暴走」と批判し、遺族は「責任を明確にしてほしい」と訴えている。
大川原化工機は、1980年代から開発・販売する「噴霧乾燥機」で国内シェアトップのメーカーだ。液体を粉に加工する機械で、カップラーメンのスープの粉や粉末コーヒーの製造工程で活用されている。
この機械が捜査対象になった。
外為法では、一定の要件(性能など)を満たす機械は生物兵器の製造に転用できるとして、輸出には国の許可が必要だとしている。
輸出規制の要件の一つに「装置の内部の滅菌または殺菌ができること」があった。噴霧乾燥機に備え付けられているヒーターを使えば装置内部を温めることができ、温度が90度以上に上昇するため滅菌や殺菌ができる、というのが警視庁の見立てだった。
2018年10月、警視庁は大川原化工機を家宅捜索した。
だが会社側は「装置は滅菌や殺菌をできる性能は備えていない。だから経産省にも許可申請をする必要もない」と考えていた。後に会社の代理人弁護士が実験したところ、内部が50度程度にしかならない部分が見つかったという。
「何を疑われているのかさえ分からなかった」。大川原さんは振り返る。
幹部や社員ら約50人が任意の事情聴取に計264回応じた。それにもかかわらず、3人は家宅捜索から1年5カ月後に逮捕された。
以下、有料記事
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引用以上
警視庁公安部は、全国の警察組織のなかでも、もっとも悪名高い部署で、どんな卑劣な証拠捏造や歪曲、人権侵害も平然と行うことで、一般の警察官からひどく嫌われていた。
https://www.news-postseven.com/archives/20190216_871453.html?DETAIL
その公安警察が、大河原化工機のラーメンスープ粉末化設備を、「細菌兵器転用可能」輸出規制=外為法違反として立件し、経営幹部を逮捕勾留した。
液体粉末化設備そのものは、真空乾燥機の原理であり、たぶん私でも自作できるくらいの代物だ。安価で小型の家庭用真空乾燥機を持っている人も多いはずだ。
https://www.amazon.co.jp/-/en/Milageto-Vacuum-Desiccator-Double-Bottle/dp/B0CMJ61QXC/ref=sr_1_4?crid=112RVEWSGDJL8&dib=eyJ2IjoiMSJ9.vhzCIn7uuDSzN-LgRQw2-oI01J9utbM6f5uGBt8QeAcwricto6H9rhhM9RCZraIx_nAL23OQtR_gFJLx5aHRYn8xErosR_HMN1lVrnQU4xVWdtF8NLvIZhSnOebTIsIDc_0FyUy8GcPHGQDJclVCO5ltfih3TBe1Uvojvk1X3yyS5-cmiIGE1nA5dEtXX2t2z4jGlNaxOCUfYs8F1ejI1ZluBTSF8hXOEl0xuzTZArfY7vvv9NscVb3z05CFtHi65VWvLP1IwpYc8loYaqhWM_F1FNlU5QGFka0pUuFYNlM.C9LCbiHEzTAe1uTYDA3W0DAHPYxP2kCZsGdAM3bxKpY&dib_tag=se&keywords=%E7%9C%9F%E7%A9%BA%E4%B9%BE%E7%87%A5%E6%A9%9F&qid=1750114196&sprefix=%E7%9C%9F%E7%A9%BA%E4%B9%BE%E7%87%A5%E6%A9%9F%2Caps%2C207&sr=8-4
それを無理やり、細菌兵器製造装置とみなし、言いがかりをつけて大河原化工機を狙い撃ちにして関係者を逮捕、1年半にわたって拘束した。
アマゾンで7000円で売られている真空乾燥機と細菌兵器製造装置との違いは、単純に内部滅菌装置の有無だけである。
(実は、戦時中、731部隊の兄弟部隊である陸軍登戸研究所が、アメリカに飛ばす目的で風船爆弾を作ったが、このとき、ペストや天然痘、炭疽菌を培養し、粉末化して休眠させるため真空乾燥機を製造していた)
こんなもの中国軍や北朝鮮なら朝飯前に作るだろう。
なぜ、無理やり、輸出犯罪としたのかというと、後の裁判で、警視庁公安部の責任者が、出世欲から摘発による表彰を狙って、罪を捏造したと、三名の捜査員が証言している。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20241009/1000109839.html
大河原化工機相談役の相嶋静雄さんが逮捕勾留されたのが、2020年3月、半年後の9月ころ、相嶋さんは東京拘置所内で体調を悪化させ、下血した。
弁護側は四回にわたって、勾留停止、専門医療機関での治療を求めたが、東京地検と裁判所によって、いずれも却下された。
2020年10月7日、拘置所内で内視鏡検査を受け、胃癌であることを告げられていた。弁護側は五回目の保釈請求を行ったが、「証拠隠滅の恐れ」を理由に却下された。
ところが、このころ警視庁公安部の捜査員のほとんどが、大河原化工機事件が証拠を捏造された冤罪事件であることを理解していた。
2020年11月5日、やっと勾留執行停止が認められ、相嶋さんは横浜の病院に入院できたが、このとき、すでに肝臓に転移して末期の状態だった。
2020年12月28日、裁判所は逮捕された3名の保釈を許可したが、東京地検が準抗告で異議を申し立て、数時間後、別の裁判官によって保釈は却下された。
2021年になると、もはや緩和ケア以外の治療手段がなくなり、2月7日に、相嶋静雄さんは死亡した。
これは司法による「冤罪殺人」と断定できる事件である。
相嶋さんの死後、2021年7月30日、突然、東京地検による大河原化工機に対する起訴が取り上げられ、完全な冤罪であったことを司法が認めた。
だが、司法のによる「未必の故意」によって殺害された相嶋さんの命は永久に戻ってこない。これは冤罪死刑執行に等しい!
2025年6月11日、東京地検は大河原冤罪事件の損害賠償訴訟の上告を断念し、地検と警視庁公安部の敗訴が確定した。
https://www.youtube.com/watch?v=7AtU7B-1O1g&ab_channel=TBSNEWSDIGPoweredbyJNN
問題は、相嶋さんが2020年3月に逮捕勾留され、その後、東京拘置所内で、体調不良を訴えても、7月に立つことも不可能になり、下血するまで検査や治療がまったく行われなかったことである。
この理由について、なるほど納得できる情報が公開された。
東京拘置所から医師が去って行く…現場が訴えた「医務部長の不当支配」 法務省へ5回も公益通報したのに 2025年6月16日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/412154
不当な人事異動やパワハラを受けたとして、東京拘置所(東京都)や金沢刑務所(金沢市)に勤務していた医師らが16日、法務省に公益通報による再調査や人事の撤回を求め、申し入れ書を提出した。
◆報復人事や強圧的な言動…法務省に調査を申し入れ
同日、医師や代理人弁護士計9人が記者会見した。申し入れ書によると、東京拘置所では医務部長の人事権の乱用を理由にこれまでに3人の常勤医師が退職。その結果、専門外の治療を求められた常勤内科医が適応障害を発症して休職するなど医師不足が深刻だという。
医務部長は、2カ月前に内示するとの慣例に反し、医師らに地方への異動を命じたほか、定年延長を希望する医師に対して「大丈夫」と説明しながら延長を認めなかった。「指示や方針に従えない者は辞めてもらう」と退職を強要するような発言もあったという。
さらに本年度、「予算不足」を理由に、非常勤内科医4人を雇い止めにした。
医務部長による不当な人事異動が続いているとして、昨年11月から今年2月に医師らが5回にわたって法務省に公益通報した。その後、医師らのうち一人は医務部長から異動を命じられ、退職せざるを得ない状況だという。代理人の上本忠雄弁護士は「異動は公益通報に対する不利益処分で、直ちに撤回を求める」と訴えた。
◆金沢刑務所でも公益通報後に異動命令
金沢刑務所では、医療スタッフの対立で糖尿病の受刑者へのインスリン投与を中止したほか、摂食障害の収容者に点滴を処方しないなどの事案があり、公益通報した女性医師(49)が異動を命じられた。
会見した医師は「不本意かつ不当な人事を受けたことで被った精神的苦痛や関連する公益通報の全容と放置の実態について、金沢刑務所の責任を明確にしたい」と訴えた。
法務省は「個別の人事について回答を控えている。申し入れはどのような意見があったかも、相手方がある話なので回答を控えている」とコメントした。
【関連記事】国に公益通報もダメだった…受刑者の医療を改善しようとした医師、金沢刑務所の幹部からパワハラを受けて
https://www.tokyo-np.co.jp/article/410288
【関連記事】「拘置所だから」医療の質が低くてもいいのか 冤罪と病に苦しみながら亡くなった男性の息子の涙と怒り
https://www.tokyo-np.co.jp/article/315858
受刑者には医薬品すら「超レアアイテム」という現実…拘禁刑が導入された今、こんな医療環境のままでいいのか 2025年6月17日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/412163
金沢刑務所(金沢市)や東京拘置所(東京都葛飾区)で勤務していた医師らが、相次いで「異常事態」を訴えている。16日にあった記者会見でも、名実ともに一般と同等の医療態勢を求めた。今月からは受刑者が更生を目指す「拘禁刑」が始まったばかり。心身ともに健康な状態こそ再犯防止の新たな一歩になるのでは。刑務所医療のあるべき姿を考えた。 (木原育子)
◆民間の医療現場とは別世界
カビだらけの壁や物品庫、穴が開いた天井。20年前の酸素ボンベが放置され、人工呼吸に使う救急バッグも劣化で使えない−。
2022年1月から金沢刑務所に勤務し始めた女性医師(49)が東京都内で会見に臨み、矯正医療の現状を切々と語った。民間医療機関で勤務した経験もあるこの医師は「慢性疾患がある人を計画的に診るには不足した状態だった。ミーティングも少なく、情報共有もできていなかった」と明かした。
2023年4月に自身が医務課長に就任すると、「医務課改善プロジェクト(PT)」を掲げ、ともに会見に臨んだ非常勤の女性医師(58)を新たに採用するなど改革を進めようとした。
◆予算に制約、改革は不要という空気感
だが、その壁を阻んだのは同じ職場の医療関係者。女性医師たちより長く矯正医療に携わってきた医師らが、受刑者に対して一般と同等の医療を講じることに抵抗し続けた。「医療より処遇を最優先すべきだ」などの訴えを繰り返したという。
代理人の海渡雄一弁護士は「被収容者の医療は劣等なものであって構わないとの根強い意識がある。そして、この予算では劣等なことしかやれないとの開き直りがある」と指摘する。
改革派と守旧派の溝は埋まらず、女性医師らが幹部に相談すると、今度は逆に「東京拘置所では医師を2人辞めさせてきた」などと言われた。昨年5月から5度にわたって実施した公益通報でも、抜本的な是正措置は講じられなかった。
◆「一般の医療水準に照らし適切な措置を講ずる」はずが
同じころ、東京でも異常な状況が続いていた。
東京拘置所で働く男性医師(50)は、矯正医療を束ねる医務部長(医師)が2023年7月に着任して以降、不当な人事異動やパワハラが続いてきたと証言する。
見かねて昨年11月から法務省に5回にわたって公益通報を実施。だが、「不措置」決定の結果に。一方で、その決定から1週間後の5月30日、通常は2カ月前の内示が、突然7月1日付で川越少年刑務所(埼玉県)への異動を命じられた。
先輩医師に誘われた2007年以降、18年にわたって矯正医療にささげてきたこの医師。「正直唖然(あぜん)とした。公益通報に対する報復としか思えなかった」と訴える。
刑務所の中の医療環境は2007年施行の刑事収容施設法で、「一般の医療水準に照らし適切な措置を講ずる」と定めているが、金沢刑務所でも東京拘置所でもそれらは「建前」で、一般の水準とはかけ離れた事態が続いてきたことがわかる。
「大川原化工機」の冤罪(えんざい)事件でも、元顧問相嶋静夫さん=当時(72)=が勾留中に適切な医療につながれず、命を落とした。
男性医師は「この状態で東京拘置所で措置し続けても対応できないと、多くの医師が心配していた」と当時の様子を明かす。
「刑務所の中では全ての薬がそろっているわけではなく、ある中でやるというのが実態だ」と語り、一方でこうも訴えた。「特殊な医療環境だが、一般医療ではあまり出会えない背景を持った方や、置かれてきた環境によって特殊な症状のケースもあり、医師として非常にやりがいのある現場だった」
◆「医師と話すのは至難の業」
実際、医療を受ける側はどう感じてきたのか。
関東圏の刑務所に2019年から3年半服役していた男性(56)は週に1度、准看護師資格を取った刑務官の巡回で、必要と判断されると、ようやく医師につながることができたという。「医師と話すのは至難の業。薬を所持できるのは受刑者の中で大変なステータスになる」
60代の女性は服役中に新型コロナに感染。「ろくな薬もなく、一人部屋に取り残され、このまま死ぬのかなと不安だった」と振り返る。
そんな出所者たちを受け入れる更生保護施設で働く女性(57)も「身体がぼろぼろになって出てくる出所者もいる」と語り、「特に口腔(こうくう)ケア。万病の元で、もう少し刑務所の中でケアしてほしい」と訴える。
◆刑務所内の医療費は一般の3分の1以下
そもそも受刑者は健康保険などが使えず、原則国庫負担。そのため法務省が発行した「矯正医療」に関するパンフレットにも「需要と供給のバランスを配慮し、治療的優先順位を決定しなければならない」と堂々と記されている。
長年刑務所医療の改善に取り組んできた龍谷大の赤池一将名誉教授(刑事法学)は「刑務所の外で医師は診療ガイドラインに沿って健康保険が適用される検査や治療を行うが、その普通の診療が国費で行う施設医療では難しい。国は予算を惜しまぬと言うが、刑務所の中の医療費は1人当たりで通常の3分の1以下。検査をさせず手遅れになる例は多い」と訴える。
刑務所で看護師として勤務経験がある新潟県立看護大の舩山健二講師も「一般社会では病院に行くことは仕事ができないなど損失の方が大きいが、刑務所では診察の間は刑務作業も免除され、無料で病気を治してもらうことができ、利点が勝る」とその特殊性を説く。
「矯正医療の現場はいつもデュアルロイヤルティー(二重の忠誠心)に悩まされている。国の治安を守る責務と患者を守る責務だ。例えば外部の医療機関を受診させる際、どちらを優先するか葛藤する場面があるが、医療職である限り、医師としての倫理的な判断が尊重されるべきではないか」と投げかける。
◆ボロボロの体で社会復帰させても…
そんな環境も相まって、刑務所の中の医療を担う「矯正医官」(医師)のなり手不足は深刻だ。少なくとも20年近く一度も定員に達していない。2014年には252人と定員の8割に満たない深刻な医師不足に。
2015年に解消策としてフレックス制勤務の導入などを盛り込んだ「矯正医官の兼業及び勤務時間の特例等に関する法律」が成立。定員の9割近くを満たすまで落ち着いたが、受刑者の高齢化率が高くなることで疾病も増えると予想される。
さらに今月1日からは、懲らしめるという意味合いの懲役刑などをなくし、拘禁刑が導入された。南山大の沢登文治教授(憲法)は「身体の自由を奪い、大多数を1カ所に収容して管理する発想自体、問題が起こらないはずがない」とし、「刑務所医療を改善充実させるのは当然で、そうでなければ、拘禁刑が始まっても社会復帰の効果は限定的になる。
心身の課題を解決せずに社会に戻っても、長く社会にとどまることはできないからだ。模索を続ける努力はますます重要になる」と訴える。
一橋大の本庄武教授(刑事法)は「現状では、本当に診察が必要な人を見落とす危険性がある。医師が所長の指揮命令下にあり、予算上の制約などで、必要な医療を提供することが困難な場合も出てくる。
医療を外部委託して指揮命令系統から外すなど、根本から考え直す時期に来ているのではないか」と話す。
前出の赤池氏もこう続ける。「公益通報を行う現場へのこうした仕打ちを行い続ければ医師不足は今後も続く。現場の医師の訴えに真摯(しんし)に耳を傾け、社会一般の医療水準を確保するために、この構造的な問題について抜本的な改革を検討すべき時期がきている」
◆デスクメモ
刑務所や拘置所の内情を知る機会は少ない。その閉鎖性から刑務官による暴行や虐待が問題に。公益目的で問題を指摘した医師を異動によって排除するのでは、施設の医療環境のさらなる悪化を招くだけだ。過去の反省から「開かれた刑務所」を目指していたのではなかったのか。(祐)
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引用以上
つまり、東京拘置所「医務部長」が、ひどいパワハラ体質で、担当医が治療を必要と診断した患者に対する治療をまったく認めなかったと告発されている。
この医務部長は、冤罪かもしれない未決勾留者の人権を一切認めず、犯罪者と見下して、家畜と同列視していたのである。
こんな極悪医務部長の氏名を明らかにしようと調べたが、一切公開されていない。まずは個人の氏名を公開して社会全体で責任追及することが必要だ。
ネット上でも、「犯罪者には人権がないから当然」と述べる者もいるが、それも身元を特定し、個人の責任を明らかにして発言させるべきだ。
自分の発言に自信があるなら、こそこそと身元を隠して発言するな!
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