福島第一原発のメルトダウン事故で、環境に放出された放射能は、セシウム・ストロンチウム・ヨウ素・テルル・ウラン・プルトニウムなど多彩で、厳密に区分すれば数千種類の核種が環境を汚染した。
このうち、人間生活に長期的に関与するのは、いわゆる「長寿命核種」で、セシウム137・ストロンチウム90が、もっとも量が多く、半減期が30年ながら、ほぼ消える(千分の一減期)のに300年を要する。
これまでは、セシウム137が最大の問題であり、事故から10年後の現在量は当初の80%存在している。
これは土壌の泥質に取り込まれる性質があり、泥質は遮蔽能力が大きいため、取り込まれたセシウム137は、見かけ上、放射線量が大幅に減って見えることになる。
しかし、実際には放射能はそのままで存在していて、地表から深さ20センチ程度にとどまっていて、ちょうど作物の根に相当する深さにあるため、イモ類など移行係数の高い作物がカリウム代替として吸収して、作物自体が汚染される。
セシウムは、土壌中の泥質・ゼオライトに吸着されたなら、それ以上(20センチ程度)、深くは沈降しないが、例外的に、砂礫質、砂質では、浸透性が高く、深くまで汚染される。
ところが、カルシウムと同じ二価の化学的性質を持つストロンチウム90の場合は、セシウムとは様相が異なる。
カルシウムの性質で特徴的なものは「水に溶ける」ということだ。つまり、ストロンチウムの場合は、雨水に溶け出して、地下深くまで浸透してゆく。
ストロンチウム90は、雨水や河川水に溶けて海洋にまで向かうものと、地下水脈に達するものとがある。
海洋に向かった場合、海水に含まれて、カルシウムを多量に摂取する甲殻類や貝類が選択的に摂取する。そして、それを生態系の上位捕食者が食べて、どんどん濃縮されてゆく。
http://nucleus.asablo.jp/blog/cat/kaiyou/
これまでの調査では、100万倍にまで濃縮されることが分かっている。
だから、絶対に東京電力の汚染水海洋投棄を許してはならない。東電や政府は、汚染水のなかのトリチウムだけを問題にして、目くらましに使っているが、実は、汚染水の本当の主役は、ストロンチウム90なのだ。
https://www.asahi.com/articles/ASL9X6HQ3L9XULBJ014.html
東電も政府も「薄めれば問題ない」と吹聴しているが、実際には百万倍の生物濃縮が起きて、上位捕食者に深刻な致死的ダメージを与えることが分かっている。
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/452.html
もし、東電が本当にフクイチ汚染水を海洋放出すれば、何が起きるのか?
http://www.asyura2.com/19/genpatu52/msg/765.html
それは、太平洋漁業の死滅である。もう人類は、数百年にわたって太平洋の魚介類を口にすることができなくなるかもしれない。
https://www.greenpeace.org/japan/sustainable/story/2019/07/23/9618/
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39176
北米では、東電事故以降、海洋生物の極端な減少、死滅が明らかにされていて、東電が汚染水を太平洋に流せば、漁業が死滅すると深刻に危惧している。
もしやれば、超巨額の損害賠償が提起されるのは確実で、太平洋を取り巻く沿岸漁業各国が一斉に訴訟を提起すれば、おそらく日本政府は数百兆円の賠償を迫られるだろう。
汚染水海洋投棄を認可するのは日本政府なのだから。
さて、膨大なストロンチウム90汚染水を海洋投棄したり、地下浸透させたりすれば何が起きるのか?
すでに莫大な量のストロンチウム90が、東日本一帯の土壌に降り注いでいて、これがカルシウムのように、少しずつ雨水に溶け出して、地下水脈を汚染しているのである。
今回、2014年と、少し古いが、地下水脈に関する記事があったので、ここで考察をお願いしたい。
放射能汚染 東京新聞が東日本の地下水脈を取り上げる!関東の地下水は東京湾に集中!地下水に注意! 赤かぶ 日時 2014 年 9 月 29 日
http://www.asyura2.com/14/genpatu40/msg/500.html
放射能汚染】東京新聞が東日本の地下水脈を取り上げる!関東の地下水は東京湾に集中!地下水に注意! 真実を探すブログ
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-4006.html
以下引用
東京新聞が2014年9月27日に「地下水流 列島走る血液」という興味深い記事を公開しました。この記事には東北南部から関東地方の地下水脈が記載されており、福島第一原発の表記もあります。地図を見てみると、福島第一原発と関東の地下水脈は繋がっていないようですが、関東圏の水脈が東京湾に集中しているのが分かりました。
これは東京湾に関東中の放射性物質が流れ込んでいる事を示していると言え、東京湾に放射性物質が蓄積されている可能性が高いと推測されます。
数年前にNHKが特集した番組では、東京湾の一部から福島沖に匹敵するような高線量が検出されていましたが、この地図を見ると納得です。関東中の放射性物質が雨で流されて、東京湾に辿り着いているのでしょう。
東京湾では子供達が潮干狩りなどをやっているようですが、それも危ないと私は思います。もちろん、福島や茨城、宮城等の沖合も論外です。地上の放射線量が高い場所はその地下も汚染が進行している恐れがあるため、海と合わせて注意してください。
☆東京新聞 地下水流 列島走る血液
URL http://www.tokyo-np.co.jp/feature/visual-ep/20140927.html
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引用以上
ストロンチウム90が地下に浸透してゆくには、相当な時間がかかるが、上に紹介した地下水脈の画像を見れば分かるように、江戸時代の利根川(現在の、江戸川・荒川・隅田川を含む)に沿って大量の地下水脈が流れている。
利根川の上流は群馬県で、フクイチ事故のとき、莫大な放射能汚染を被った地域である。これが、地下水として東京湾に流れ下る。
途中の自治体は、利根川から直接給水するより、どうしても水質問題から地下水を水道水源として使うことが多い。
このため、長い時間をかけてストロンチウム90に汚染された地下水が、関東の住民の飲料水として利用されることになり、その濃度は際限なく高まってゆく。
私は、池江璃花子が白血病に冒された原因として、プールに供給される地下水に含まれたストロンチウム90を強く疑っている。
地下水脈の説明には出てこないが、地球上には「コリオリの力」があって、北半球では地下水脈には右回りに回転する力が働く。(台風は左回り)
このため、地下水脈の汚染が、水盆のなかで隣接する水脈に拡大する力が働くので、汚染は、どんどん拡散していってしまう。
ストロンチウム90汚染が核崩壊して自然消滅するには300年以上かかるので、少なくとも、今後、数十年は深刻な汚染が続くわけだ。
もう一度、ストロンチウム90の生物毒性を振り返ろう。
ストロンチウム90がやってくる! 2019年11月19日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-939.html
セシウムとストロンチウム 2016年01月04日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-107.html
上のリンク中で説明しているが、ストロンチウムを長期摂取すると、骨部とともに膵臓に選択的に蓄積され、骨癌・白血病・糖尿病・膵臓癌などを引き起こす。
いずれも、極めて治癒困難といわれる難病ばかりだ。おまけに、ストロンチウム90をい人間がカルシウムと間違えて体内摂取すると、それは骨に沈着した場合、(半分程度が骨に移行する)、ほとんど排泄されず、死ぬまで骨の成分として、骨髄などを被曝させ続ける。
このため、ストロンチウム90の生物毒性は、セシウム137の300倍と評価されている。
https://news.livedoor.com/article/detail/5961845/
この恐ろしい猛毒を、政府(原子力寄生いいんかい)が海洋投棄すると言っている。
http://www.asyura2.com/19/genpatu52/msg/765.html
現在、自民党政権を支持している阿呆が50%を超えている以上、政府は、数の力で押し切って海洋投棄を実行するだろう。
そして、数百兆円の海洋汚染賠償請求を抱えることになり、それも国民に負担を押しつければいいとタカをくくっている。
だが、大半の国民は、消費罰金税10%によって、すでに青息吐息、瀕死の状態であり、もしも海洋汚染賠償まで押しつけられたなら、生きてゆくことも厳しくなる。
一方で、東電幹部はぬくぬくと高給生活を送り、株価の心配だけをしながら上級国民として、高額の退職金をもらう人生だけを夢見ている。
もう、こうなれば、我々は、暴力的な反乱を起こすしかない。
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