私は医師と医療を信用できない。もちろん、なかには本当に患者を助けるための「赤ひげ医療」を実践している医者もいるので、ずいぶんと誤解を招く言葉かも知れない。

 しかし、子供の頃から、私が眺めてきた医師と医療を振り返ってみても、「本当に命を助けられた」と実感したことは、ほとんどない。



 私は、一人で中央アルプスの沢登りに行って、滝で10メートルほど滑落し、全身を4カ所、尺骨や肋骨などを亀裂骨折して動けなくなったが、数時間後に動けるようになり、一人で里に戻って無事、名古屋の自宅に帰り着いたことがある。



 このときは帰宅後、病院に行かず自家治療した。整復処置をしなかったので、尺骨や掌の外側の骨にこぶができて盛り上がり、わずかに動くので偽関節になったことが分かった。

 肋骨も放置したので、30年を経ても台風の通過時に激しく痛むことがある。

 それでも、放置したことが理由で、自分の人生に決定的悪影響を与えたということはない。



 後に交通事故で、救急車で運ばれた東濃厚生病院の磯部という医者が手術を拒否して私を強制退院させたため、治癒できず左肩の鎖骨が大きな偽関節になっているので、私の体は、全身数カ所の偽関節、大量の打撲痕で見るも無惨だ。

 強制退院になった理由は「院長に口答えした」というものだった。



 何度も書いたが、2014年には、ユスリカ死骸アレルギーから間質性肺炎、肺線維症になった。さすがに医療の世話になることも考えたが、調べてみると、「X線CTスキャンと、肺穿刺細胞診」をしなければ診断確定できないことになっているので、私は病状を悪化させることが確実な確定診断など御免被りたく、医者に行くことを諦めた。



 私が、医者に行くくらいなら死んだ方がマシだと思った最大の理由は、肺疾患のエラーいセンセイが、「医療用被曝は被曝ではない」と宣って、一回50ミリシーベルトのX線CTを数回撮影しても問題ないと書いていたのを見たことだった。



 私は若い頃から放射線技師になるつもりで放射線生物学を学んでいたので、仮に間質性肺炎で3回CT撮影すれば、X線撮影も含めて200ミリシーベルトを超えることが分かった。

 これだけの被曝を炎症で弱っている肺胞細胞に照射すれば、何が起きるのか容易に想像がついた。

 呼吸能力を補完しようとして再生してくる細胞というものは、古い細胞に比べて電離放射線被曝への耐性が著しく弱い。だから、新生肺胞細胞は被曝で大きなダメージを受ける。200ミリの被曝なんてのは、とんでもなく恐ろしい線量なのだ。



 もう一つは、確定マニュアルで、間質性肺炎の種類が多いため、確定診断に肺穿刺細胞診が明記されていた。これを受けねば間質性肺炎と認めてもらえず、酸素が必要になっても、手配もしてもらえない。

 現在、医療の独占化が極めて進んでいて、医療用酸素などは、医師の承認がなければ、ほとんど手に入らない。



 だが、肺穿刺細胞診は、背中から細いナイフを肺に突き立てて細胞を採取するのだが、間質性肺炎患者の場合、これが原因で急性増悪を起こして死んでしまう事例が極めて多い危険な検査なのだ。

 急性増悪というのは、サイトカインストームと呼ばれる免疫系の異常反応で、「劇症反応」と呼ばれるものの多くがそうだ。

 https://gan911.com/column/2542/



 こんな恐ろしい検査をしなくとも、8種類ある間質性肺炎の治療に必要な診断は可能である。まず、呼吸器音にブツブツ・バリバリが聞こえれば肺の内部でサイトカインが進行中であり、繊維化が始まっているということが分かる。

 細胞診をしなければステロイドによる抗炎症治療ができないというが、他にも、いくらでも良い方法がある。(ここでは割愛)

 検査がマニュアル化されているからといって、負荷の大きな無理な検査を強行するよりも、抗炎症治療の方法はいくらでもある。



 医者は、自分の頭で治療方法を考えるよりも、マニュアルに頼りたがる。それは医師試験のスタイルと、後の医療過誤、訴訟対策でもある。

 マニュアルを錦の御旗に徹底抗戦できるからなのだ。だから何も考えずにマニュアル通りに検査や治療を進めるのが一番利口な方法ということになる。



 私は、こうした医師の思考回路が容易に想像できたから、このまま医療に頼れば殺されると危機感を抱いた。

 そこで、現在のIPF治療システムのなかで唯一信頼できる呼吸トレーニングを主体に、自家治療することに決めた。



 相当苦しいが、蒸気機関車のように呼吸しながら(間質性肺炎の場合、呼吸能力が健全時の半分以下に落ちるが、ならば、倍呼吸すれば同じことができるわけだ)、失われた呼吸細胞を補完してくれる新たな肺胞細胞の再生を待つというやり方だ。

 私の場合は、近隣の登山コースで、標高差200メートルを毎日、苦しみながら必死に登ることにした。ちなみに下りの能力は、それほど衰えていない。



 毎日、森林浴を兼ねながら標高差200メートルを登って降りて約5年以上、おかげで呼吸能力のそれ以上の悪化もなく、酸素も必要としない。

 毎日の森林浴は、肺や免疫を鍛えてくれるので、風邪などによる急性増悪のリスクも著しく減った。

 ステロイド療法を行っていたなら、カネの切れ目にリバウンドを起こす可能性があるが、それも無縁ですんだ。ニンテダニブ療法も同じだ。



 私が、もし医療に頼っていたなら、とっくにこの世にいないと思う。その意味では、医療全般の不信をもたらしてくれた磯部医師に感謝しないといけない。

 医療は、人の命を救うためにあるのではない。医師のステータス、社会的地位を守るためのシステムなのである。



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全国民必読 長生きしたければ病院に行くな  2010/7/21 週刊現代

 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/868



 検査で体調がおかしくなった



 「老化をあるがままに受けいれ、痛み、苦しみがある時以外は、病院には近づかないほうがいいのではないか。私はそう考えています。現在71歳ですが、11年前の還暦の時に妻ともども決心して、健康診断やら人間ドック、血液検査さえもすべてやめました。そして、そうした検査のストレスがいかに重かったかということに気づいたのです。私たちの日常は、とても穏やかなものになりました」



 拓殖大学学長で経済学者の渡辺利夫氏は、柔らかい口調でそう話す。愛煙家の渡辺氏は、40代、50代の頃は年に1〜2回、人間ドックを受けていた。だが、ある時ふと、そのおかしさに気がついたという。



 「たとえば、検査で肺に異常な影があると言われたとします。その後、細いファイバースコープを飲まされて、生検(生体組織診断。患部の一部を切り取って調べる検査)があります。こうした検査自体が苦しいし、その予後はもっとつらい。



 結果が出て再検査、また生検をして、さらに結果を待つ。働き盛りの人でも、この間、生きた心地のしない時間を過ごして凄まじいストレスを受け続けるのです。



 年をとれば、検査で何らかの異常値は必ず出ます。加齢とともに、異常値の出る頻度は確実に高まっていくわけですから。症状もないのに検査によって病気を探り出すような愚かなことはやめようと決めたのです。やめれば穏やかな"身体感"に必ずや目覚めますよ」



 早稲田大学・池田清彦教授



 渡辺氏と同じように、早稲田大学教授の池田清彦氏(62歳、生物学)も「検査は不要」という信念がある。



 「40代の頃、初めて内視鏡で胃の検査を受けさせられ、50代でも便潜血検査で陽性だからというので、胃がんやら大腸がんの検診を受けさせられた。



 がんはなかったのですが、そういった検査そのもので体調を崩したんです。後で、『何もないのにオレの腹はかきまわされたのか』と腹立たしくなってね。



 そうやって具合が悪くなってからかな、門外漢だった医療のあり方とか、余計なことを考える余裕ができたのは。それで、いろいろと調べたり考えたりするうちに検査そのものにより懐疑的になって、一切受けなくなったわけです」



 がん検診で寿命は延びない



 日本の年間死亡者数は約114万人。そのうち約34万人が「がん」で亡くなっている。無論、日本人の死因のトップだ。それだけに、医学会や医療行政も、がんの早期発見、早期治療を至上命題に掲げ、一般的な健康診断から始まり、人間ドック、がん検診を奨励している。脳ドック、メタボ健診なども一般的になった。



 定期的な検診は健康保持のカギ―私たちは漠然と、いや、心からそう信じ切っている。しかし、その常識は本当に正しいのか?



 医療統計学などの専門家で、新潟大学医学部教授(予防医療学)の岡田正彦氏はこう言い切る。



「じつはがん検診の効果を真っ向から否定するデータが存在するのです。結論から言えば、がん検診などの検査を定期的に受けても寿命は延びません。それどころか、寿命を縮めるという結果すら出ているのです」



 新潟大学医学部・岡田正彦教授



 岡田教授の言うデータの嚆矢は、約20年前にチェコスロバキア(当時)で行われた、肺がん検診の実効性を調べるための大規模追跡調査だった。



 この調査では、健康な男性を集め、年2回の肺がん検診を3年続けて受けるグループと、検診を受けないグループに分けて観察した。検診内容は、胸部レントゲン写真と喀痰細胞診(顕微鏡で痰の中のがん細胞を調べる方法)だ。



 3年間の観察終了後、その後の健康状態を調べるために、さらに3年間、両グループの人たちに年1回ずつの胸部レントゲン検査を受けてもらい、肺がんの発症率を調べた。結果は驚くべきものだった。



 「普通に考えれば、きちんと検査を受けてきたグループのほうが、そうでないグループより肺がんになる割合も、死亡率も少なくなるはずです。ところが、結果は逆でした。検診を受けていたグループのほうが多く肺がんになり、より多くそれで死亡していたのです。



 それだけではありません。この調査では、あらゆる死亡原因に関するデータが集められていましたが、肺がん以外の病気で死亡した人も、検診を受けてきたグループのほうが明らかに増えていました。つまり、"肺がん検診を受けると寿命が短くなる"という結果になったのです」(前出・岡田氏)



 この調査結果は当初、「単なる偶然」「何かの間違い」などと、多くの専門家の批判にさらされた。だが、同じ頃、先進医療大国のアメリカを含む各国でも同様の大規模調査が行われ、まったく同じような結果が出たことで、大勢は決した。つまり、「肺がん検診を受けると寿命が短くなる」ことが、実証されたのだ。



 日本人だけが信じるウソ



 一方、日本では世界とは逆の流れが起きていた。チェコスロバキアの調査から10年ほどたった頃、厚生労働省の研究費による調査が行われた。その結果と結論は、マスメディアにも大々的に発表された。「毎年、肺がん検診を受けると、肺がんによる死亡率は半分になる」と報道されたのである。



 「この日本の調査は、検診を定期的に受けるグループと、受けないグループに分けて追跡調査を行ったものではありませんでした。肺がんで死亡した人が、過去3年間に検診を受けていたかどうかを調べただけの不完全なものであり、そもそも調査の目的が『肺がん検診の有効性を証明する』ものだったのです。毎年の肺がん検診で死亡率が半分になるというのは、明らかなウソです」(前出・岡田氏)



 肺がんだけではない。たとえば、日本人に多い胃がんについてもウソがまかり通っている。日本の専門家が胃がん検診の科学的根拠にあげているいくつかの調査データは、この肺がん検診についての調査と同じスタイルで行われたもの―岡田氏はそう断じるのだ。



 日本人間ドック学会による『人間ドックの現況』('08年版)によれば、人間ドックの年間受診者数は1日コースが全国で約280万人、2日コースが約25万人。日本人の"検診信仰"を如実に表す数字だろう。



 欧米には人間ドックという考え方そのものがない。目的もなくただ漠然と検査を行ってもコストがかかるばかりで無意味、という意識がその根底にあるからだ。冒頭の渡辺利夫氏は、人間ドックに通っていた頃の心理をこう述懐する。



 「一種の確認恐怖症になっているんですね。検査で数字を確認しないと気が済まなくなっている。しかも、健康を確認したくて検査を受けていながら、その一方で異常値がないと逆に落ち着かないという矛盾も同時に孕んでいるのです。こんな心理は人間ドックを受けなければ生まれません」



 行けば行くほど二次がんに



 こんなデータもある。OECD(経済協力開発機構)によると、1年間に病院に通う数字を各国で調べたところ、日本は13.4回でトップ。福祉先進国と言われるスウェーデンはわずか2.8回だった。



 「スウェーデンは、治療よりも生活習慣などの予防医学に力を入れている。一方、日本は何でもかんでも病院に行き、検査を受ける。病院や人間ドックで『要精密検査』と判定されたからといって、すべてがただちに治療が必要というわけではないのです。



 正常と言えないまでも、放っておいてかまわない異常もある。ところが、要精密検査と言われて病名をつけられると、そのストレスから体調を崩してしまう人も少なくないのです」(前出・岡田氏)



 人間ドックの検査で特に問題視されるのは、レントゲン検査だ。会社や自治体などで行う一般的な健康診断では、胸部エックス線写真は1枚だが、人間ドックでは2枚撮る。また、食道や胃のレントゲン検査ではがん検診が7枚なのに対し、人間ドックは8枚以上。当然、放射線の被曝線量は多くなる。



 「食道や胃の場合、人間ドックの被曝線量は通常のがん検診の4〜5倍。胸部レントゲン検査と比べると、800倍前後にもなる。そのため人間ドックを毎年受けている人たちは、二次がん(医療が原因となって起こるがん)になりやすく、そのことが人間ドックで見つかるがんの割合をさらに押し上げてしまうという傾向もあるのです」(岡田氏)



 がん発見後の治療も問題だ。岡田教授が続ける。



「腫瘍にも種類があり、そのまま放っておいても進行しないものも数多くあります。ところがいまは、すぐさま強制的に切除などの治療に移る。



 治療前に悪性腫瘍かそうでないかを病理医が判定するのですが、じつはその判定も主観に頼る部分が多く、必ずしも科学的とは言えません。ですから、それが本当に必要な治療だったのかどうか、わからない部分があるのです」



 がん治療の大前提とされている「早期発見、早期治療」というキャッチフレーズも絶対的なものではなく、科学的根拠はないという。



 「前述のチェコスロバキアやアメリカのデータがそれを実証しています。また、エックス線による被曝や、薬の多投与など、現代医療の過剰な検査と治療により、たとえその病気が早期発見によって治ったり、症状が治まったとしても、薬の副作用などで別の病気を起こしている現実があります。総合的に見れば、がんの早期発見、早期治療が人の一生の健康にとって絶対とは言えないのです」(岡田氏)



 人間ドックに入った方なら経験があるだろう。すべて正常数値、ということはまずありえない。前述の『人間ドックの現況』には、全受診者の90%以上が何らかの異常数値を指摘されている、と記されている。人間ドックはある意味、「病気のお墨付き」をもらうために行くようなものなのだ。



 東京・足立区で長年在宅医療に従事してきた柳原ホームケア診療所所長の川人明医師も、こう話す。



 「従来は正常の範囲だった数値が、近年では国の生活習慣病対策に合わせて『異常』や『要注意』にひっかかるようになっている。黄信号どころか、青信号の点滅や点滅前でも異常や要注意になってしまうのです」



 地域医療で数多くの健康相談を担ってきた、天理よろづ相談所病院(奈良県)元副院長の今中孝信医師も、過剰な検査の弊害を憂う。



 「人間ドックでがんが早期発見されることがありますが、ドックで見つかるがんは緊急性のないものばかりだということを見落としてはいけません。緊急性のあるものは、ドックにかかる前に発現しています。



 ところがドックで一度でもがん細胞が見つかったら、緊急性がないにもかかわらず、すぐに治療を受けたり、経過をみる場合は、定期的に検査を繰り返すことになる。がんが"悪性"に変化していないか日常的に怯え、医者から『大丈夫です』と言われるまで、大変なストレスのもとで暮らすことになるのです」



 レントゲン検査の危険性については前述したが、他にも、苦しい検査はたくさんある。がんの生検の傷がいつまでもジクジク痛むことがあるし、肛門からカメラを入れて検査する大腸へのファイバースコープ挿入は、大腸の大きく曲がっている部分に管を通すために熟練を要するので、未熟な医師がやれば受診者にとって非常に大きな苦痛となる。



 これらのストレスが、本来は健康だった人を病人に変えてしまうケースが少なからずある―現場の医師たちは、そう力説してやまないのだ。



 近年騒がれるようになったメタボ健診も、疑問だらけだ。読売新聞の医療担当記者で、『メタボの常識・非常識』の著書がある田中秀一氏が指摘する。



 「メタボリックシンドロームの診断基準は8つの学会が共同で決めていますが、根拠に説得力がないため批判的な意見が数多く出ています。メタボ健診では血圧、血糖、中性脂肪などの値を測り、そこでひっかかると投薬となることが多い。



 つまり、基準が厳しいほど、製薬会社は薬の需要が増えて『ありがたい』わけですが、その基準を作る研究室には、寄付金という形で製薬会社から巨額の研究費が流れているのです」



 メタボ健診は無意味



 メタボリックシンドロームは、もともと高度な肥満が社会的に問題視されているアメリカで生まれた考え方だが、それ自体が病気を指すわけではない。また、日本人にとってこの検査がどこまで必要なのかも不明だ。田中氏は、アメリカよりその基準を下げてまでメタボ健診を行う必要性は、「ゼロではないにせよ、かなり低い」と言い切る。



 帯津三敬病院(埼玉県川越市)名誉院長の帯津良一医師も、懐疑的に言う。



 「昔は総コレステロールが250mg/dlより上だと危険とされていた。それがいつの間にか220mg/dlまで引き下げられています。かつては『健康』だった220〜250mg/dlの間の人は、いまや『異常』な治療対象者です。220mg/dlという数字の根拠はきわめて不明瞭で、どなたかの陰謀のようなものも感じます」



 同じような疑問は、高血圧の治療においても言えるだろう。血圧が高いと判定される人は、人間ドックの全受診者の半数を占めている。



 それらの人々は、通院して血圧を下げるための降圧剤を飲むことになる。しかし、薬でいくら血圧を下げても寿命が延びることはない。むしろ副作用で短命になってしまうことさえあるという。その恐ろしさを、前出・岡田教授が指摘する。



 「長年飲み続けた人は、心筋梗塞、自殺、事故などで死亡する割合が高くなっていることがわかっています。理由はさまざまですが、ある種の降圧剤はコレステロール値や中性脂肪値を上げてしまう予期せぬ作用があるのです。



 自殺や事故が増えるのは、血圧が下がり過ぎるためではないかと推察されています。これらは副作用ではなく、血圧を薬で強引に下げたために起こる反作用と言うべきでしょう。類似の現象が、糖尿病の薬にも認められています」



 病院は必死で異常を探す



 さらに、日本特有の"検査漬け"体質は病院経営と不可分に結びついていると語るのは、前出の読売新聞記者・田中秀一氏だ。



「日本はCTやMRIといった高度な診断装置を備えた病院が非常に多い。高価な機器なので、せっせと稼働させないと経営が立ち行かなくなる。そこで検査、検査となるのですが、患者のほうも高度検査装置のある病院のほうが安心だという思いがあるのでしょう」



 その結果、世界でも類を見ない・検査漬け・医療が横行しているというのだ。



 検査も治療も医者任せというのでは、かえって病気になる―そうアドバイスするのは、諏訪中央病院(長野県茅野市)名誉院長の鎌田實医師だ。



 「病院は見過ごしを一番怖がるので、とにかく必死で異常を見つけようとします。たいがいの場合、『異常な影がある』と、まず言われます。そこから精密検査になりますから、ふつうの人は、次の結果が出るまで不安でたまらない。受診する側も、自分に必要な検査がどんなものなのかを自分で考え、その検査の数値の意味を知るくらいの知識が必要です。



 また、過剰な投薬には注意してください。たとえば軽い高脂血症で投薬を始める病院はおかしい。無駄な投薬は二次健康被害の可能性も生みますし、薬依存や薬漬けの恐れもある。いくら早めの治療が必要だといっても、軽い高脂血症や糖尿病には投薬は必要ありません。まず必要なのは、生活指導です。



 人間ドックを行っている病院で病気を掘り起こされ、系列病院で治療する―そんな構図を指摘されても仕方がない病院は確かにあります。検査は頻繁に行うのではなく、本当に必要な時に必要な検査を受ければ十分なのです」



 諏訪中央病院・鎌田實名誉院長



 前出の帯津良一医師は、「人間ドックは受けたことがないし受けるつもりもない」と言う。本当の健康は、数字には表れないという。



 「『いつもと違うな』という感覚は、食べたり、体を動かしたりする中で気づくもの。その声を見落とさないようにするには、何よりメリハリのある生活をすることです。昼間は一生懸命汗を流して仕事をして交感神経をぴりぴりと刺激する。



 仕事が終われば完全にリラックスして副交感神経を働かせる。こうした切り替えの意識が自律神経を敏感にさせ、体の異変があった時にその声を聞き取るための勘を鋭くさせるのです」



 健康は、病気を恐れながら得られるものではない。病気の存在を忘れる時にこそ得られるものだろう。つまり、「病院で検査を受けていれば安心」という考えは幻想なのだ。長生きの秘訣、最高の医療とは、過剰な健康志向に縛られずに生きることなのかもしれない。

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 引用以上



 上の記事は、もう10年も前のものなのだが、今読み返しても色あせていないどころか、指摘のすべてが、改善されるどころか、深刻化しているといっていい。

 とりわけ、メタボ決めつけ問題と、高血圧問題は、もしかしたら国家による大量殺人を招いているかもしれない。



 メタボ健診の健康増進効果はほぼゼロ? 年200億円超もの税金を投入する価値はあるのか

 https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugawayusuke/20191209-00153541/



  http://www.foocom.net/column/metabo/3652/



 近藤誠が緊急警告 「減塩食」は早死にする! 最終回 「高血圧」こんな治療はやめなさい!

 http://mainichibooks.com/sundaymainichi/life-and-health/2017/12/03/post-1834.html



 血圧は下げるな、危険!? 医師「高血圧は作られた病気」

 https://dot.asahi.com/wa/2018030700008.html?page=2



 実は私は、7年くらい前、二年以上にわたって血尿が止まらなかった。

 一時は量も多く、小便が赤く染まった。しかし健保にカネを払っていないせいもあって、医者に行くのはやめた。自分なりに調べてみると、腎臓癌、前立腺癌、膀胱癌などのリスクが浮かび上がった。

 同じ頃、尿がずいぶん出にくくなって、放尿時、まともに便器に収まってくれないので、トイレの掃除を頻繁にやらねばならなくなり、パンツも汚れた。



 おそらく前立腺炎か癌化だろうと判断したが、調べると、日本の医療体制では9割以上の医師が前立腺摘出手術を採用するという。

 ところが、欧米では、今では切除せず、男性ホルモン抑制剤で対応するのが大部分だという。手術すると大半の人が尿漏れを起こすというのだ。

 薬はシテロンとかアンドロキュアなんてのがあって、男性ホルモンを抑制すれば、癌化が治っていく場合が多いという。



 そこで、以来、ずっとシテロンを輸入通販で購入しているのだが、血尿も止まり、尿も正常に出るようになった。

 ただし、この薬は女性化乳房とか困った副作用もある。私の場合は、ひどくて温泉銭湯も行けなくなってしまった。薬価が日100円と高いのも困ったことだ。



 日本の病院へ行けば、治療と称して、手術切除が大好きな医者ばかりなので、大喜びで切除されてしまうだろう。だが、多量の血尿が2年間続いても、薬だけで7年間も症状が治まっている。手術してしまえば、今頃は、毎日尿漏れに苦しまねばならなかった。

 なお、ジェンダーチェンジ者も、手術して尿漏れに困っているそうだ。



 実は、この項目では、書きたいことがヤマほどある。今日は所用で書き出しも遅かったので、ここらで止めておいて、続編も書きたい。