四日後に迫った米大統領選の最後の鍵は、アメリカ福音派の動向といわれる。

福音派はプロテスタントの一派で、思想的傾向としては極右、保守、共和党の支持勢力である。キリスト教原理主義者とも、本質的に重なっている。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E6%95%99%E5%8E%9F%E7%90%86%E4%B8%BB%E7%BE%A9#:~:text=%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E6%95%99%E5%8E%9F%E7%90%86%E4%B8%BB%E7%BE%A9%EF%BC%88%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88,%E5%90%91%E3%81%91%E3%81%A6%E4%BD%BF%E7%94%A8%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%80%82

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E9%9F%B3%E6%B4%BE#:~:text=%E7%A6%8F%E9%9F%B3%E6%B4%BE%EF%BC%88%E3%81%B5%E3%81%8F%E3%81%84%E3%82%93%E3%81%AF,%E7%94%A8%E3%81%84%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E7%94%A8%E8%AA%9E%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82



 トランプの大統領当選は、アメリカ人の三割を占める(公式には23%)福音派による熱狂的支持があったからというのが定説だが、そのトランプは、立候補の数ヶ月前に、ユダヤ教に改宗したといわれる。

 

ユダヤ人? トランプ 2019年03月26日

 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-690.html



 福音派はキリスト教であり、ユダヤ教とは水と油のはずなのに、なぜユダヤ教徒になったトランプを支持したのか?

 実は、プロテスタント・福音派は、聖書の教えを絶対化して、一字一句の間違いもなく、聖書の指示どおりに生きることを強要している。これは、ユダヤ教と同じカルト的本質なのだ。



 福音派の別名を「クリスチャン・シオニズム」と呼ぶ。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%AA%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0



 これは旧約聖書、創世記に記された、「神の与えた約束の地」=「シオンに帰れ」という一種の思想運動でもあり、ユダヤ教でもキリスト教原理主義でも、同じ内容である。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%84%E6%9D%9F%E3%81%AE%E5%9C%B0#:~:text=%E7%B4%84%E6%9D%9F%E3%81%AE%E5%9C%B0%EF%BC%88%E3%82%84%E3%81%8F%E3%81%9D%E3%81%8F,%E4%B8%8E%E3%81%88%E3%82%8B%E3%81%A8%E7%B4%84%E6%9D%9F%E3%81%97%E3%81%9F%E5%9C%9F%E5%9C%B0%E3%80%82



 要は、旧約聖書に書かれた、すべての記述を絶対的真実とし、これを忠実に実現することが、ユダヤ教徒とキリスト教原理主義者(福音派を含む)の人生に課せられた使命であると信ずることだ。

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「その日、主はアブラムと契約を結んで言われた。「あなたの子孫にこの土地を与える。エジプトの川から大河ユーフラテスに至るまで、カイン人、ケナズ人、カドモニ人、ヘト人、ペリジ人、レファイム人、アモリ人、カナン人、ギルガシ人、エブス人の土地を与える。」

— 創世記15:18-21、新共同訳聖書



「そしてわたしは、あなたの子孫を空の星のように増し加え、あなたの子孫に、これらの国々をみな与えよう。こうして地のすべての国々は、あなたの子孫によって祝福される。」

— 創世記26:4、新改訳聖書



聖書には神はアブラハムの子孫にイスラエルの地に関する永久の所有権を与えたとする記述がある。



「私に仰せられた。『わたしはあなたに多くの子を与えよう。あなたをふやし、あなたを多くの民のつどいとし、またこの地をあなたの後の子孫に与え、永久の所有としよう。』」

— 創世記48:4、新改訳聖書

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 ユダヤ教徒と、キリスト教原理主義者(根本主義者)、福音派にとって、上の記述は、絶対的命題である。ゆえに、原理的価値観を共有することで、ユダヤ教徒と福音派に齟齬は起きない。

 だから、トランプが、大きな束縛もなく福音派からユダヤ教に鞍替えすることができた。



 私個人の聖書解釈は、旧約聖書(旧い神との契約)の間違いを正すために新約聖書(新しい神との契約)が登場したと考えるのだが、シオニストにとっては、新約よりも、むしろ旧約の方がはるかに大切であり、絶対的優先順位は旧約聖書創世記、トーラー五書である。

 何よりも、「神が与えた約束の地」=グレーターイスラエルを回復することが絶対化された宗教的命題になっている。

 https://www.youtube.com/watch?v=fu8VqTvVr-0&ab_channel=KoJi%2CsDeepMax



 これは、1800年代からユダヤ人のシオニストのなかに起きた思想運動だが、私は、これによって、欧州に金融資本家として安定した地位を築いたユダヤ人たちを、殺戮の恐怖でシオンの地に戻し、イスラエルを建国させたユダヤ人大虐殺(ホローコスト)を生んだと考えている。



 この意味では、トランプ支持層の福音派アメリカ人は、ユダヤ教徒と同じように、「約束されたイスラエルの地」を回復する行動を最大課題としていて、だからトランプは、「嘆きの壁」をヤムルカ(兜巾)を被って、ユダヤ教徒として参拝し、ネタニヤフとの会談で、「ゴラン高原はイスラエルのもの」と断言し、ネタニヤフは大喜びして、ゴラン高原を「トランプ高原」と改名すると宣言した。

  https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/06/post-12325.php



 https://toyokeizai.net/articles/-/173824



 シオニズムを忠実に実行するトランプに対して、ユダヤ教徒も福音派も大喜びで喝采しているのが実情だ。

 また、グレーターイスラエル計画の下に、イスラエル・モサドがイスラム国をでっちあげ、残酷な大虐殺によって大イスラエル内の、シリア・イラクなどの先住民を難民として追放しているが、これも福音派は反対していない。

 それどころか、アメリカは、イスラム国に積極的に協力してきたのが実情だ。



 そもそも、福音派の歴史をたどると、中世末期16世紀のルターやカルビンによる、「宗教改革」のとき、カトリックなど旧勢力に対して「プロテスタント」(反抗者)を名乗ったところから始まっているが、これも、当時のユダヤ教徒に対する「ボグロム」という大虐殺が関係している。



 アメリカの場合は、19世紀に、キリスト教原理主義=根本主義運動のなかで、ピューリタンたちによってカトリック勢力に対峙して成立している。

 私の勝手な解釈では、そもそも、アメリカ・ピューリタン運動、根本主義運動というのの中身はユダヤ人とユダヤ教だったのではないかと考えている。



 つまり、福音派はユダヤ教の偽装と考えてもよいのではないかと思う。

 もちろん、これは定説ではないが、ユダヤ教徒と福音派は、あまりに矛盾がないからだ。でなければ、アメリカ大統領がユダヤ教徒でありながら福音派の圧倒的支持を受けることはありえないと思う。



 以下に、アメリカにおける福音派の政治的動向をレポートした記事をリンクする。

 

キリスト教福音派で始まった造反がトランプの命取りに 2020年10月27日(火)

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/10/post-94834_1.php



 日本のプロテスタント・キリスト教の多くも、福音派の影響下にある。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E7%A6%8F%E9%9F%B3%E6%B4%BE



 キリスト教右翼とか呼ばれる人々だが、彼らは戦前から、天皇制と帝国主義侵略の賛同者であり、戦争に積極的に関与した極右勢力だった。戦後も、日本会議の主要メンバーになっている。

 実は、私の祖母も、今から90年前、福音派プロテスタントに入信し、敬虔な信者としてこの世を去った。



 福音派は、死刑制度や戦争を否定しない。私は、半世紀前に、祖母に対して「死刑制度は間違っている、なぜキリストが処刑するのか」と問うたとき、祖母は「悪いやつは殺されて当然」と答えていたことを思い出す。

 アメリカ福音派も、徹底的に戦争に協力し、日本への原爆投下を積極的に支持した。また、アメリカ国民の銃器所持を強く推奨している。



 つまり、単純に、アメリカ西部におけるカウボーイの旧い勧善懲悪の価値観から生まれていると同時に、旧約聖書レビ記の、報復制裁を踏襲しているのだ。

 「悪を許さず、制裁する」という素朴な信念は、戦争への熱狂的な支持を作りだし、共和党政権による他国侵略の歴史を作り出している。

 朝鮮戦争もベトナム戦争もイラク侵攻も、福音派は積極的に支持してきた。



 そこで、ユダヤ教徒と福音派の最高政治課題は、シオニズム=グレーターイスラエルということになる。

 私は、半世紀前に、岡村昭彦から「世界を根底で動かしているのは宗教だ」との指摘を受け、それまで「存在が意識を規定する」というマルクス主義の命題を信奉してきたのが、根本的な誤りだったことに気づいた。



 世界を本当に動かしているのは、旧約聖書を信奉する人々の絶対的信念だった。

 わけても、ユダヤ人による創世記、「約束の土地」を回復する=シオニズムという宗教理念が、世界政治を動してきた最大の要素ではないかと思い始めた。



 この視点からのみ、アメリカ国家の成立も、ユダヤ人ホローコストも、新自由主義も、911自作自演テロも、米軍によるイラク侵攻も、イスラム国による残虐な大暴れも、ベイルート大爆発も、MS・GAFAの巨大な成長も、初めて説明できると気づいたのだ。

 そして、ダボス会議も、目前に迫ったグレートリセットも、ユダヤ教徒の宗教的理念による具現化スケジュールから来ていることが分かった。



 人類社会を動かしてきた根源に、ユダヤ教徒と、彼らの聖典である旧約聖書とタルムードがあり、まさに、ユダヤ教徒フリードマンの「新自由主義」こそは、タルムードにおける「ゴイム社会」の実現なのだと、何もかも整合性を持って理解することができた。



 私が、地球社会の基底にユダヤ教徒がいることに気づき、確信を持てるまで半世紀を必要とした。

 そもそも、ユダヤ教徒によるシオニズムを正しく解説している書物が皆無に近いのだ。なぜ911テロやイラク侵攻、イスラム国が登場してくるのか理解している人もほどんどいない。それが、たった一つの理由から来ていることを本当に理解している人も、ほとんどいない。



 力のあるメディアがユダヤ教徒を攻撃すれば、マルコポーロ事件のような巨大な反撃を食らって潰されてしまう。ユダヤ人の歴史を書けば、ヘイト=民族差別の範疇に入れられて左側からも攻撃される。

 私のように、ほとんど評価されないブロガーならば、それほど大きな圧力を受けていないが、これも私の主張を理解できる人が増えたなら、おそらく反原発のように潰されるだろう。